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大泉学園にある雀荘GEEKのメンバー。基本火曜・日曜シフトで、残りは客打ちで週7入って…

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大泉学園にある雀荘GEEKのメンバー。基本火曜・日曜シフトで、残りは客打ちで週7入ってます。 主にしくじり先生的な文章を書いてます。

記事一覧

【麻雀小説】海底に沈む月

卓上の全員が、その打牌を固唾を飲んで見守っていた。 深い海の底のような重苦しい空気に、小さく「ロン」と声が響く。 あと数センチ、あとほんのひと掻きは届かず、もつ…

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1年前

魔法みたいな夜が来る

2019年11月4日 東京ドームで行われた、aurora arkツアーのファイナル。 その様子が映像化された際、本編はVo./Gt藤原基央のMCから始まった。 「なんか魔法みたいな夜だった…

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1年前
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初恋の子はバンドマンでモデルだった

2022年の冬アニメで、ぼっち・ざ・ろっく!という作品が放送された。 かつて熱心にアニメを見ていた僕も、今やTwitterで話題に上がる人気作品で気になるものをちょくちょく…

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1年前

ちさたきを百合と呼ぶな(過激派)

※本記事はアニメ「リコリス・リコイル」のネタバレを含むような気もしますが、神経質な方以外には特に無問題なので気にせずお読み下さい。 ※この記事はリコリコ12話まで…

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1年前
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麻雀歴5ヶ月のメンバーがリーチ代走でやらかした話

なんかここ数日、メンバーの代走に関する話をよく見かけたので僕のしくじり小話をひとつ。 僕は麻雀を始めてほんの数カ月でメンバーになった。 その頃の詳しい話は別のnot…

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2年前
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【初心者向け】BUMP OF CHICKENの読み解き方

BUMP OF CHICKENは、作詞作曲を務めるボーカルギターの藤原基央こと藤くんの独特な世界観が、リスナーを虜にし続けている。 ただ、一方で『歌詞が難解で解釈が難しい』とい…

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2年前
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Flareはチャマに向けて書かれた曲だったのか?

今から約1年前、2021年2月11日 BUMP OF CHICKENの新曲『Flare』が発表された。 意味を直訳すると「ゆらゆらと揺れる炎」となるが、歌詞に何度も出てくる「灯火」という言…

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2年前
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【麻雀短編小説】霞がかった景色

牌をラシャに打ち付ける小さな音が、小気味よく響きわたる。染み付いた煙草の匂いと、ほんの少しすえたような匂いが鼻につく。 「ポン」 しゃがれた声で対面の男が鳴いた…

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2年前
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僕がジークで働くまで-ベイブ遭遇編-

.......冗談はこの辺にして、本編に行きましょう。 前回はこちら 2019年12月 麻雀を覚えて(中略)住所不定無職となった僕は、その後とりあえず派遣社員として就職をして働…

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2年前
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僕が麻雀をやめるまで-住所不定無職編-

前回はこちら 今回で、僕が麻雀を覚えてからの一連の出来事に関するnoteはおしまいです。 今回はほぼエピローグみたいな感じ。 ---------------------------------------…

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2年前
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僕が麻雀をやめるまで-京都編-

前回はこちら 今回は後編です。 今現在、仕事をやめて無職になって、時間なら永遠にあるはずなのに前回更新から3週間も経過してしまいました。 ニートの時間感覚とは恐ろ…

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2年前
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僕が麻雀をやめるまで-メンバー始動編-

前回はこちら なんだか書いてみたらすごく長くなってしまったので、分けることにしました。 今回は前編です。 ※このnoteはフィクションです。 ※今回、数字が沢山出て…

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2年前
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僕が雀荘メンバーになるまで

前回の話はこちら。 このnoteを公開したところ、なんか程よく拡散されてTwitterのフォロワーも増えて、承認欲求も程よく満たされた為、調子に乗って続きを書くことにしま…

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2年前
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僕が麻雀に出会った日

当時の僕は何をしていたのか。 今回のnoteを書くにあたって、僕はまずTwitterのアカウントを遡り、当時のツイートを読み返すことにした。 2017年の夏。 当時の僕は大学…

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2年前
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【麻雀小説】海底に沈む月

【麻雀小説】海底に沈む月

卓上の全員が、その打牌を固唾を飲んで見守っていた。

深い海の底のような重苦しい空気に、小さく「ロン」と声が響く。

あと数センチ、あとほんのひと掻きは届かず、もつれた足は水底に沈む。

水面に映る月は滲み、視界がぼやける。

ーーそして、全てが失われた。



2021年 東京 某所

「ロン、3900です」

対面が切ったドラの7pに、無慈悲な発声が響く。
静寂がピンと張り詰めた店内で、終局

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魔法みたいな夜が来る

魔法みたいな夜が来る

2019年11月4日
東京ドームで行われた、aurora arkツアーのファイナル。
その様子が映像化された際、本編はVo./Gt藤原基央のMCから始まった。

「なんか魔法みたいな夜だった」

このツアーを象徴する一言だと思う。
いや、個人的にはBUMP OF CHICKENを象徴するような一言だと思う。

(例外はもちろんあるが)BUMP OF CHICKENの新曲やMVの発表は22時とか24

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初恋の子はバンドマンでモデルだった

2022年の冬アニメで、ぼっち・ざ・ろっく!という作品が放送された。
かつて熱心にアニメを見ていた僕も、今やTwitterで話題に上がる人気作品で気になるものをちょくちょく見るだけのにわかオタクへ成り下がってしまい、ぼっち・ざ・ろっく!を見るに至った経緯もTwitterで流れてきた感想とYouTubeで見た楽曲映像からだった。

作品の詳細は、今回の話には関係がないので割愛するが、簡単に言えばかつ

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ちさたきを百合と呼ぶな(過激派)

※本記事はアニメ「リコリス・リコイル」のネタバレを含むような気もしますが、神経質な方以外には特に無問題なので気にせずお読み下さい。
※この記事はリコリコ12話までを視聴した時点で書いたものです。辛い。

先に言っておきますと、物騒なタイトルですが、私は別に「ちさたきは百合」と宣う方々と喧嘩する気は毛頭更々ございません。

単に、この記事で言いたいことは私の独り言であり、それ以上でも以下でもないって

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麻雀歴5ヶ月のメンバーがリーチ代走でやらかした話

なんかここ数日、メンバーの代走に関する話をよく見かけたので僕のしくじり小話をひとつ。

僕は麻雀を始めてほんの数カ月でメンバーになった。
その頃の詳しい話は別のnoteに書いてあるので、興味があったら読んでみてください。

メンバーとして働き始めて1ヶ月もたたない頃、麻雀歴に関して言えば5ヶ月くらいの頃の話。

当時昼番だった僕は、常連3人と普段あまり来ない客の4人で打っている1卓しかない状況で、

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【初心者向け】BUMP OF CHICKENの読み解き方

【初心者向け】BUMP OF CHICKENの読み解き方

BUMP OF CHICKENは、作詞作曲を務めるボーカルギターの藤原基央こと藤くんの独特な世界観が、リスナーを虜にし続けている。
ただ、一方で『歌詞が難解で解釈が難しい』という声も多く聞く。

実際僕も、つい先日リリースされた新曲『クロノスタシス』については、まだ完全に解釈が追いついていない。
昨年末くらいにリリースされた『Small World』も年が明けてしばらくしてからしっくりと解釈できた

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Flareはチャマに向けて書かれた曲だったのか?

Flareはチャマに向けて書かれた曲だったのか?

今から約1年前、2021年2月11日

BUMP OF CHICKENの新曲『Flare』が発表された。
意味を直訳すると「ゆらゆらと揺れる炎」となるが、歌詞に何度も出てくる「灯火」という言葉がきっと正しいところだと思う。
さらに歌詞を解釈していけば、この「灯火」は「小さな命=僕達一人ひとりの命」なのだと分かる。
ジャジーな雰囲気のあるアルペジオから、フィンガースナップに藤くんの歌声が合わさる。

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【麻雀短編小説】霞がかった景色

【麻雀短編小説】霞がかった景色

牌をラシャに打ち付ける小さな音が、小気味よく響きわたる。染み付いた煙草の匂いと、ほんの少しすえたような匂いが鼻につく。

「ポン」

しゃがれた声で対面の男が鳴いた。
吐き出された紫煙が、卓を照らす灯りへ向かって昇ってゆく。

2索を鳴いた男は手牌から1索を切り出した。
5順目まで萬子・筒子の中張牌をバラ切り、字牌は1枚も切られていない。見るからに索子の一色手の気配。
索子の混一色、対々和に役牌や

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僕がジークで働くまで-ベイブ遭遇編-

.......冗談はこの辺にして、本編に行きましょう。

前回はこちら

2019年12月
麻雀を覚えて(中略)住所不定無職となった僕は、その後とりあえず派遣社員として就職をして働き始めた。
職場はコールセンター。立ち上げ初期という事で覚える事もやる事も沢山あったけれど、何とかついて行って、年が明けて気がつくと、管理職にクラスアップしていた。
時給も上がって、生活は大分安定し、仕事は相変わらず死ぬ

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僕が麻雀をやめるまで-住所不定無職編-

前回はこちら

今回で、僕が麻雀を覚えてからの一連の出来事に関するnoteはおしまいです。
今回はほぼエピローグみたいな感じ。

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前回のあらすじ
京都旅行を経て幼馴染Mとの交際へと発展した僕は、メンバー稼業に一旦の終止符を打つことにした。
すっかり麻雀を楽しめなくなっていた僕は、フリー雀荘に通うこともやめて、無為な日

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僕が麻雀をやめるまで-京都編-

前回はこちら

今回は後編です。
今現在、仕事をやめて無職になって、時間なら永遠にあるはずなのに前回更新から3週間も経過してしまいました。
ニートの時間感覚とは恐ろしいものです。

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前回のあらすじ
雀荘メンバーとして働き始めて、そのブラックすぎる職場環境に必死でついて行きながらほぼフルタイムで働き続けた僕の手元に残っ

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僕が麻雀をやめるまで-メンバー始動編-

前回はこちら

なんだか書いてみたらすごく長くなってしまったので、分けることにしました。

今回は前編です。

※このnoteはフィクションです。
※今回、数字が沢山出てきます。数字アレルギーの方は程よく読み飛ばして結論の部分だけご覧下さい。

前回のあらすじ

社会人をやめて、雀荘通いにあけくれる日々。
ある日雀荘に張り出されたメンバー募集の掲示を見て、貯金が底を突きかけていた僕はメンバーとなる

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僕が雀荘メンバーになるまで

前回の話はこちら。

このnoteを公開したところ、なんか程よく拡散されてTwitterのフォロワーも増えて、承認欲求も程よく満たされた為、調子に乗って続きを書くことにしました。

今回は、僕が雀荘のメンバーになるまでの話です。

今回は、最初から最後までフィクションです。

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前回のあらすじ
大学時代、講義をサボりバイトと執筆活動に全ツ

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僕が麻雀に出会った日

僕が麻雀に出会った日

当時の僕は何をしていたのか。

今回のnoteを書くにあたって、僕はまずTwitterのアカウントを遡り、当時のツイートを読み返すことにした。

2017年の夏。

当時の僕は大学を中退し、派遣社員であるが一応は社会人をやっていた。

中退した理由はまぁ、単位が取れなかっただけである。

なんで単位が取れなかったのか。

大学生の頃の僕は、大学そっちのけで執筆活動とバイトに全ツッパしていた。

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