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【初心者向け】BUMP OF CHICKENの読み解き方


BUMP OF CHICKENは、作詞作曲を務めるボーカルギターの藤原基央こと藤くんの独特な世界観が、リスナーを虜にし続けている。
ただ、一方で『歌詞が難解で解釈が難しい』という声も多く聞く。

実際僕も、つい先日リリースされた新曲『クロノスタシス』については、まだ完全に解釈が追いついていない。
昨年末くらいにリリースされた『Small World』も年が明けてしばらくしてからしっくりと解釈できたし、2019年にアルバムに収録された『ジャングルジム』に至ってはまだ解釈が追いついてない。
ギリギリ多分、ジャングルジムが電車の吊革とか扉の左右の鉄の棒の比喩なんじゃ.......と思っているくらい。

特にここ数年、アルバムで言うと2016年に発表された『Butterflies』の頃から、曲の解釈に時間を要することが増えた気がする。

と言っても、別に古い曲が分かりやすいかと言うとそうでも無い。
みんな大好きオウイエーアハーンの『天体観測』の歌詞を、じっくり読んだことがあるだろうか。
歌詞のフレーズ一つ一つ、1コーラス毎の意味を読み取るのは容易だが、全体を通してこの曲に登場する主人公がどう言った境遇の人間なのかは謎のままである。

ただ昔の方が比較的わかりやすい曲を出してはいて、『スノースマイル』『K』『ダンデライオン』なんかはこの頃のBUMP OF CHICKENを代表する名曲として語り継がれているが、歌詞は物語調で起承転結があり、若干の語学力と想像力を要するが、解釈も簡単だ。

それでは、BUMP OF CHICKENの曲はどのように解釈していけばいいのか、本題に入ろうと思う。

結論から先に言おう。

BUMP OF CHICKENの曲は解釈なんかしなくていい。

おっと、ブラウザバックにはまだ早い。
もう少しだけ聞いていって欲しい.......。

僕がこの記事を通して伝えたいことは『BUMP OF CHICKENの曲の解釈の仕方』が『解釈しなくていい』という事だ。

某国会議員みたいな言い回しになっているが、これがホントで全てだからしょうがない。

なぜ解釈しなくていいのか?

それは、かつて藤くんが語った言葉にある。

たとえばその曲と聴く人の間に10歩距離があると、僕らの音達は5歩分しか近づかないんだよね。残りの5歩分は、聴く人が近づかなきゃいけない。そうやって5歩分近づき合うことに意味がある。

読み手によっては、この『5歩分近づく』努力をリスナーがしなければならないように聞こえる。
それが曲に対する解釈であって、僕らリスナーの義務なのではないかと。

違う。
断言する、そんなことは無い。

2019年のライブ『Aurora Ark』のツアー最終日、アンコールで『バイバイサンキュー』『ガラスのブルース』を歌った後、藤原くんは次のようなMCをした。

俺の歌う歌は、俺たちの出す音は、絶対に必ず、お前の未来がどんな物だろうと、お前がどこにいようと必ず、お前の傍にいるから、気付いてくれなくても、勝手に。

藤くんは、僕達リスナーが自分達の曲を聴いてくれたことに対して、言葉では表しきれない程の感謝をしている。
同時に、リスナーがいつもいつまでも自分達の音楽を聴いてくれる訳では無いことも理解してる。
藤くんの言葉を借りれば、藤くんはいつも勝手に僕らリスナーの傍にいてくれる。
僕達は今、たまたまBUMP OF CHICKENが歩み寄ってきてくれることに気がつけて、たまたま歩み寄ることが出来ただけに過ぎない。

それは、BUMP OF CHICKENというバンドを愛しているからできた歩み寄りかもしれない。
たまたまラジオで流れて、あるいは喫茶店で聞いた時にできたのかもしれない。
どんな形でもいいから、僕たちがBUMP OF CHICKENの音楽を必要とした時、すぐかけつけられるように、BUMP OF CHICKENは今までも、これからもずっと歌ってくれる。

誕生日に『HAPPY』を聞いた。
故郷を旅立つ時『バイバイサンキュー』が心に染みた。
なんてことは無い日に聞いた『ガラスのブルース』が耳から離れない。
満員電車に揺られながら『ギルド』を聴いて、涙が出た。
幸せな時に聞いた『とっておきの唄』を口ずさむ。
満天の星空を見ながら『天体観測』を思い出す。

多分それで十分で、たった1曲、1コーラス、1フレーズでもいいから心に届けば十分で。
もちろん曲を通して解釈をするのは楽しいし、理解が深まればもっとその曲を好きになるけれど、きっとそれは必須じゃない。

BUMP OF CHICKENの曲が今必要じゃなくてもいい。
いつかきっと、それが辛い時かもしれないし、嬉しいことがあった時かもしれないけれど。
BUMP OF CHICKENの音楽が必要になった時に、自然と歩み寄れれば、それはその曲にとって1番の解釈になり得るんだと、僕は思ってる。


余談だが、この話を割と真剣なトーンで知人に話した時、結構マジトーンで「ガチすぎて引く」と言われたことがある。
『曲の解釈なんかしなくていい』と、これ程BUMP OF CHICKENに対する敷居を下げる言葉もないと思うが、聞く人によっては逆に敷居が上がるということを学んだ。

この記事を読んだ読者の方は、ぜひあんまり引かず、気が向いた時にでもいいからBUMP OF CHICKENを聞いてみて欲しい。

とりあえず以下に『BUMP OF CHICKENをこれから聴く人へ』というプレイリスト(独断と偏見と僕個人の好みによる)を作成したので、時間がある時にぜひ聞いてみて欲しい。

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