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土地と想像力

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新しい価値は生産者が設定する。これからの産地を支えるネットワークの条件/廣瀬真一さん -ぶどう屋丸鉄

新しい価値は生産者が設定する。これからの産地を支えるネットワークの条件/廣瀬真一さん -ぶどう屋丸鉄

収益の一部を産地の未来へ再投資する山梨市の果実ブランド「YAMANASHI PRIDE」。その商品は、農産業の未来に対する強い責任感をもったメンバーで構成される山梨プライド農家組合の方々によって生産されています。今回は、そのうちの一軒である山梨市牧丘地区の「ぶどう屋丸鉄」廣瀬真一さんに、これからの果樹産業や産地のあるべき姿についてお話をうかがいました。

廣瀬 真一(ひろせ しんいち)さん
ぶどう

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日常に寄り添うお菓子をつくりたい。山梨とフランスをつなぐ味わいを探して/岡村千香さん - まるよ菓子店

日常に寄り添うお菓子をつくりたい。山梨とフランスをつなぐ味わいを探して/岡村千香さん - まるよ菓子店

2021年6月、山梨市の東山梨地域にあった古民家に、新たなフランスの風が吹き込みました。「まるよ菓子店」の看板を掲げ、フランス菓子を手作りしているのは、店主の岡村千香さんです。

フランスに行くことで発見した現地の魅力と、フランスから俯瞰して気づいた山梨の魅力を盛り込み、岡村さんにしか創造できない唯一無二のお菓子を探究しています。

まるよ菓子店のあゆみ岡村さんは子供の頃からお菓子作りが好きで、

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「今、最高に美味しい」を追求する。異なる文化をつなぎ、土地と響きあう一皿/鈴木義豪さん - LA MAISON  ANCIENNE

「今、最高に美味しい」を追求する。異なる文化をつなぎ、土地と響きあう一皿/鈴木義豪さん - LA MAISON ANCIENNE

山梨市牧丘町。ぶどう畑に覆われた地に、一軒の古民家がたたずんでいます。そこは、フレンチレストラン「LA MAISON ANCIENNE」(ラメゾンアンシェンヌ)。

門をくぐり、庭園の石畳を踏んでいった先に待ち受けているのは、和のテイストでまとめられたシックな佇まいの空間です。ここで料理をたしなむと共に、料理に表現されているシェフの思想をうかがいました。

オーナーシェフは、鈴木義豪さんです。

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引き染めで自然と文化をうつしとる。夫婦で目指す時代を超える染物/西 清志さん - 西染物店

引き染めで自然と文化をうつしとる。夫婦で目指す時代を超える染物/西 清志さん - 西染物店

甲府市の住宅街にある「西染物店」は、西清志さん・芙美子さんご夫婦が営む染め工房です。本染めの一種である「引染め(ひきぞめ)」という手法で、手ぬぐいや暖簾、着物などを制作しています。

引染め職人の清志さんは、柔らかい笑顔で温厚な雰囲気がありながら、刷毛を手にすると引き締まった表情に。しかし、どちらの顔からも、引き染めが好きな気持ちが伝わってきます。

一軒の小さな工房から、伝統を守りながらもその壁

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瓦から、kawaraへ。瓦に宿る日本文化と精神を伝えるために/一ノ瀬 靖博さん - 一ノ瀬瓦工業

瓦から、kawaraへ。瓦に宿る日本文化と精神を伝えるために/一ノ瀬 靖博さん - 一ノ瀬瓦工業

私たちが住んでいる家の屋根は、何でできているでしょうか。さまざまな屋根材がありますが、日本の伝統的な家屋の多くには、「瓦」が用いられています。1916年創業、山梨県笛吹市にある一ノ瀬瓦工業は、屋根のプロ集団として人々の居住空間を守ってきました。

「瓦は、自分の中では日本そのもの。日本文化のひとつとして、”kawara”を世界に発信していきたいです」

このように語るのは、5代目の一ノ瀬靖博さん。

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心を癒し、世界を癒す。日本古来の花火がひらく祈りの時空/佐々木 厳さん – 和火師

心を癒し、世界を癒す。日本古来の花火がひらく祈りの時空/佐々木 厳さん – 和火師

夏の風物詩のひとつ、花火。コロナ禍で花火大会は続々と中止になってしまっていますが、夜空に煌びやかな光が舞う様子には、心打たれるものです。
しかし、カラフルな花火は、明治維新以降に海外からやってきたものであることをご存知でしょうか。それらを「洋火」というのに対し、日本に伝統的に伝わる花火は「和火」といい、江戸時代から自然本来の赤褐色の火の粉で日本人の心を癒してきました。

そんな和火の虜となったのが

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生活に、ひと手間を。木製品を介してサスティナブルな日常をつくる/山本 瑞穂さん - &CRAFTS

生活に、ひと手間を。木製品を介してサスティナブルな日常をつくる/山本 瑞穂さん - &CRAFTS

足を踏み入れると、木の温もりに包まれる店内。床も、壁も、テーブルも全て木でできたこの場所は、「&CRAFTS」という木製品のブランドショップです。販売されている可愛らしいお箸や家具などには、木に乗せて届けたい若きオーナーの熱い思いが込められていました。

山本 瑞穂(やまもと みずほ)さん
&CRAFTS ブランドディレクター兼創設者。
高校卒業後、就職、留学を経て祖父母が創業した製材所にて木材の

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固定観念を捨てたイタズラを楽しむ。ありのままを活かす野生の思考/田草川 和仁さん - 東晨洋酒

固定観念を捨てたイタズラを楽しむ。ありのままを活かす野生の思考/田草川 和仁さん - 東晨洋酒

山梨市日川地区にあるワイナリー「東晨洋酒」。ここでは2代目社長の田草川和仁さんが、新たなジャンルのワインを製造しています。

「俺がつくると、野生派ワインになります!」

高校、大学とラグビーに明け暮れてきたラガーマンらしい猛々しさは今も健在。その風貌に、野生派という言葉はぴったりと重なります。一方で、自身のワインの味を「ランドセルを背負った小学生」「高校生の女の子」などと、面白く例えるお茶目な一

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美容師から桃職人の道へ。格好よく生きるためのクラフトマンシップ/志村 和希さん - 志村農園

美容師から桃職人の道へ。格好よく生きるためのクラフトマンシップ/志村 和希さん - 志村農園

「ここにはほとんどいい桃しかないよ。売ろうと思えばどんな桃でも売ることはできるけど、それってプロの仕事じゃないよね」

そう語ってくれたのは、山梨県山梨市にある、志村農園の志村和希さんです。

志村和希(しむら かずき)
山梨県甲府市生まれ。27歳まで美容師として活躍ののち東京からUターン、山梨市の農業法人で2年の研修を経て、独立。現在は3歳児の父親としての顔を持ち合わせつつ、桃栽培に携わっている

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