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僕の船から、僕らの船へ〜会社を作ってよかったこと〜

3月18日、東京で彩乃ちゃんサキティ、僕の3人で集まって、『つぶだてる』のビジョンミッションについて語り合ってきた。自分の強みや弱み、5年後について……。

『つぶだてる』を創業する時に作った「人生にスパイス」をというビジョンやそこに紐つくミッションについても、ここから、より言葉をパワフルにしていきたい。

こうして同じ方向を向いて語り合える仲間がいてくれること。
これが、僕が会社を作って一番よかったことなのかもしれない。

『つぶだてる』で一緒に働く仲間が、「この会社で働けてよかった」と思える会社を作っていきたい。


会社員でよかったこと

僕自身の「会社員でよかったこと」について考えてみた。
「会社員でよかったこと」を考えていたら、「リクルートで働いてよかったこと」にたどり着いた。

独立して、お客さん先にコンサルに入ってみて気づいたことがある。

「物事を構造化して俯瞰する」
「目標を立て、達成するためのプロセスを作り、そのサイクル回す」
「定量的なデータに基づいて分析を重ね、そのプロセスを改善していく」

リクルートでは、こうした「業務を構造化してプロセスを磨くこと」で、成果に繋げていく手法を身をもって学んだ。仕事をする上で、これが当たり前だと思っていたが、お客さん先に入ってみて、リクルートでやってきたことは当たり前ではないことがわかった。

会社員時代に何度も言われてきた言葉がある。
"顧客志向"だ。
このマインドについても当たり前だと思っていたが、そうではなかった。
"顧客志向" 
言葉自体は、頻繁に耳にする。
でも、僕がリクルートで学んだそれとは、違った意味で使われていることも多い。

リクルートの"顧客志向"は、「お客さんが何をしたいのかではなく、お客さんがなし得たいことは何か」に向き合い、考え抜いて動くことだ。

"顧客志向"に徹することで、今もお客さんの満足につながるサービスが提供できていると実感している。

仕事をしていく上での基本を学べたこと。
これが、僕が会社員でよかったことだ。

会社を作る

せっかくだから、「会社を作ってよかったこと」についても考えてみた。

会社員だった僕は、2016年にリクルートから独立し、仲間と『こっから』を創業した。それぞれが事業を営むなかで、僕はひとりで人材紹介事業を始めた。

慣れるまでは大変だったけど、徐々にやり方もわかってきて、5年目には、がむしゃらにならずとも安定的に売り上げが作れるようになってきた。

その時、ふと思った。

あれ? これ、俺、停滞してる。
停滞……。俺の人生このままでいいんだっけっ?
せっかく独立したのに。

そのタイミングで「お前やれよっ」。
なおきが言った。

「会社作ろうかな」と思うと同時に、そもそも『こっから』の全員が賛成してくれるわけではないだろう……と一歩を踏み出せずにいた。

でも、当時の僕は39歳になる年で、「40歳を迎える前に今、動かないともう動けないだろう」とも思った。

その時、思い出した。
リクルートで働いていた時の最後の2年間を。
僕はその2年間を、めっちゃラクして過ごしてしまった。

当時、僕は営業グループのリーダーとして7人のメンバーをまとめていた。
自分では目標を持たず、グループのメンバーマネジメントがミッションだった。

目の前のメンバーに機嫌よく働いてもらったり、進捗のコツを教えたり。 
メンバーに100パーセントで働いてもらうことがリーダーの役割で、僕はそれが得意だった。

優秀なメンバーたちに支えられ、正直、自分がプレイヤーでやる時よりもプレッシャーもなくて、余裕で達成できるやんって思っていた。

リクルートでの最後の2年間は、独立の準備も進めながら働いていた。
独立後、人材紹介事業をやることも決めていた。例えば、リクルートエグゼクティブエージェントに出向を希望するとか、違う部署で新たな経験を積むとか。リクルートにいる間に、独立に向けてやれることはたくさんあったはずだ。

リーダーとして働きながら、「マネジャーになれたらいいな」とくらいにしか考えていなかった。独立した瞬間に、独立までのリクルートでの2年間を振り返った。そして、めちゃくちゃ後悔した。
「俺、何してたんやろっ」て……。

『こっから』で独立して5年目に入った頃、リクルートでの最後の2年間を思い出し、僕はゾッとした。

気合いを入れるために頭を丸めた僕は、『こっから』のミーティングで、全メンバーに創業の意思を伝えた。

左上:創業の意思を皆に伝える僕

会社を作ってよかったこと、怖かったこと

そして2022年の11月、株式会社つぶだてるを創業した。

創業しても僕ひとり。
創業前となにも変わらなかった。

2023年4月、テルが入社したことで大きな変化が訪れた。
日々、気軽に相談できる相手ができたことは、僕にとって、とてもありがたかった。

ひとりでずっとやってきた。
日々の進捗や事業の方向性について相談したい時には、人材紹介事業を営む外の先輩に相談していた。しかし、先輩方は忙しい人ばかり。気軽に連絡するのも申し訳なく感じ、3〜4カ月に一度連絡させてもらうのがやっとだった。

相談できる人が社内にいることって、心理的負担が全然違う。
これは、会社で働くことの良さのひとつではないか。

あとは、純粋にひとりでやってる時より「楽しい」。
なにが楽しいのかを考えてみたら、「チャレンジ」ができるようになったことだ。

ひとりで人材紹介をやっている時は、ひたすら目の前の仕事をやっていた。
でも、テルが入ったことで「求人を増やそう」「次こんなことやってみよう」「もっとこんなことできるんじゃないか」と、未来に向けての会話が増えたことが、僕はとても嬉しかった。

とはいえ、会社を作り、初めて仲間が入社してくれたとき、心穏やかではないこともあった。

それは、お金のことだ。
人材紹介事業は、すぐに売り上げが作れる事業ではない。マネタイズするまでに半年〜1年の時間を要すると考えている。

テルが入社してくれた時、初めての体験に怖さを感じた。
毎月出ていく給料。すぐに売り上げが上がらないことは分かっているから、「俺がやるしかない」の一心で働いた。

目の前で変動するキャッシュフローを見ては、「この売り上げが立たんかったらどうしよう」とドキドキしていた。ありがたいことに、人材紹介以外にも、マネタイズの早い採用コンサル案件をいただけたことで、僕の心は少し落ち着いた(笑)

創業から1年が経ち、会社としての資産が作れてきたこともあり、彩乃ちゃん、サキティが入社してくれた今は、1年目のようにキャッシュフローを常に気にしてドキドキする、ということはなくなった。

僕の船から、僕らの船へ

2023年8月に彩乃ちゃんが入社した。
彩乃ちゃんの入社により、さらに「チャレンジ」の幅が広がっていったように思う。

2024年2月、テルの独立とサキティの入社により、会社の体制が変わった。

まだ小さな組織だからこそ、仲間に加わってくれた人の特性や能力によって、チャレンジできることが変わってくる。ベースとして『つぶだてる』のビジョンに共感してくれる人が仲間になってくれる。そのため、会社として目指す方向へ歩みを進める上で、個人の力を活かせるミッションを、僕から渡すようにしている。

ひとりの会社が今では3人の会社になった。
僕がひとり漕いでいた手漕ぎボートは、ちょっと大きなイカダになった。
僕の船が、僕らの船になった。
タイタニックには程遠いけれど、ちょっとやそっとの風では倒れない。

この船を、僕は大事にする。

同じ方向を向いて、一人ひとりがオールを持って、息を合わせて漕ぐことで前に進む。
仲間が増えれば、船も大きくなり、嵐にも強くなる。
船に積み込むガソリンや食糧も必要になる。

ひとりでもオールを漕ぐ方向が違えば、イカダは思うように前には進まない。
ガソリンや食糧のことを考えてくれない人がいると、長い旅は続けられない。

  • 同じ方向を目指したい人なのか

  • 船に乗りたいだけではなく、自分でオールを持って漕ぐことを楽しめる人なのか

  • 船を走らせるためにはガソリンや食糧の大切さを知っている人なのか

  • 出来上がった船に乗りたい人なのか、そもそも一緒に船を作っていきたい人なのか

船をイメージしていたら、どんな仲間と航海に出たいかも改めて見えてきた。

今、『つぶだてる』では、人ありきで事業を作っている。
もちろんベースの事業は人材紹介事業や採用コンサルティング事業だけど、そこからいろいろな領域でチャレンジを仕掛けようとしている。
彩乃ちゃん、サキティが頑張ってくれている。

組織の規模がぜんぜん違うけど、大手企業ではなかなか体験できないことだと思っている。事業が先にあって、そこに人がアサインされるからだ。

大手であればマネジャーが任されるような仕事を、入社してすぐに任される『つぶだてる』……(笑)

この醍醐味を感じてもらえると嬉しい!
僕や『つぶだてる』に興味を持ってくれた方がいたら、一度話してみませんか。HPTwitterfacebookどこからでも、連絡待ってます!

                    (インタビュー・文=さおりす)      


僕の自己紹介はこちらを読んでいただけると嬉しいです。


最後に
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