雑草という草はない
つくづく思うことがある。生粋の、雑草だと。
そう思うことのきっかけはいつも、名の知れた植物の片鱗に触れたときだ。なにもない。立派な花の名前も知らない。名も知られていない、名もないのかもしれない。だから、自分で決めた名を名乗ることができる。誰になにを言われることもない。決まった居場所もない。ボスもいいない。ないない尽くしだ。時々きれいな花が羨ましくなる。羨ましくなるのは、美しく咲く花を見るから。雑草として生きていればそれだけで良いのに。美しい花のそばで良い香りに包まれる小さな花