丸刈りが嫌で野球部に入らなかった人がここにいます
子どもの頃、野球が大好きでした。40年ほど前はサッカーよりも野球好きな子が多くて、プロ野球の観戦もよく行きましたし、夏のテレビは毎日一番良い時間帯の通常の番組を全部潰してプロ野球中継をしていたくらい世の中のプロ野球人気が高かったわけです。
当然野球をするのも好きだったので、バットやグローブも持ってたし、親や友達とキャッチボールをしたり、人数が集まれば試合をすることもありました。
町内会ごとに小学生対象の野球チームもありました。学校の友達のほとんどがチームに所属していて、日曜の午前中は学校のグラウンドで練習をしていました。
この流れで行くと当然僕もその野球チームに入っていたんだろうと思うでしょうが、僕は入りませんでした。理由は、
髪を短くしなければいけないから
理由はこれだけです。できることなら入って思い切り野球をしたかった。
でも、丸坊主か、スポーツ刈りでなければいけない、という決まりがあって、…というかスポーツ刈りって今の若い人知らないかもしれませんね。角刈りとも言って、
こんな感じの、サイドと後ろを刈り上げて、トップがめちゃくちゃ短い感じのやつです。
僕はこれがめちゃくちゃイヤでした。
正確には、短くするのがイヤというよりも、野球をする=髪を短くしなければいけない、という理由にどうしても納得できなかったのです。なぜならその理由を明確に説明できる大人が一人もいなかったから。プロ野球の選手は髪が長い人もたくさんいて、子どもがダメなのにプロがOKの線引きを明確に説明できる人も誰もいなかった。それなのに大人たちは子どもに対して髪型を強制させる今でいうパワハラ感がどうしても納得できなかったわけです。
そんな感じで日曜日は遊んでくれる友達が少なくてヒマでした。
中学生になる頃、やっぱり野球部に入りたいな、という気持ちがまだ強かったのですが、ここでも丸刈り強制だったので諦めました。テニス部は髪が長いし、野球と似てるソフトボール部の女の子は誰も丸刈りにしていない理由もやっぱり大人は誰も説明できない(ただしショートカット強制だったけど、それも意味がわからない)。
こんな感じで小学生の頃から説明できない理由が明確でないことを強制してくる人間や組織に対して常に反抗的な態度をとり続けていて、中学生になってそれが酷くなり、授業はちゃんと出てましたし、成績も悪くありませんでしたが(なぜなら勉強をすることに明確な説明がたくさんできるから)、校則という存在が本当に納得できず、細かいルールにことごとく反抗していました。
制服は学ランだったんですが、中にワイシャツ着なかったり、整髪料をつけたり、えりあしが学ランの襟にかぶるくらいの長さだったり、前髪が眉毛を隠すくらいの長さだったり、学ランの襟についている謎のプラスチックを外したり(あれって出荷時に襟が曲がらないようにするものではないのですか?と未だに思ってるんですが)。そうだ、学ランの裏ボタンを変なやつに変えたりもしてました。懐かしい。
今挙げたのは全部校則違反だったんですよ。40代以上じゃないと何言ってるかわからないですよね、ごめんなさい。
そんな感じで野球部という選択肢が消えた結果、なぜか吹奏楽部になったわけです。
部活のやり方に納得できず毎日のように顧問にたてついていた反抗的で生意気な子どもだったのに、なぜか吹奏楽部の部長になったり、全校生徒の前で校歌やら何やらを歌うときに指揮者やったり、とにかく中学生の時は学校で目出つことばっかりやっていた気がします。なぜ先生はこんな生徒を推薦してくるのか理解できない。
ええと、なんでこんな話書いたかと言いますと、高校野球で丸刈りじゃなくてもOKな学校が増えてきた、という記事を見たからです。
もし今、自分が中学生だったら吹奏楽やらずに野球やってかもしれませんね。そしたら人生全然違うものだったと思います。
荻原明(おぎわらあきら)