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自分で決める経験を!〜子供の学習計画


  1、奴隷

私がまだ若かった頃、なかなか勉強してくれない子を

どうやって勉強させるか色々と考えた結果、

学習計画を細かく決めてあげることにしました。


確かに、それなりに学力は上がりました。


ですが、そこには大きな問題が隠れていました。


もし私がいなかったら、子供たちは自力で勉強できるのか?


そうです。

出来ないんです。


いつの間にか、私は子供たちを自分の言いなりに

させていたわけです。


自分のロボットであり、奴隷にしていたのです。


  2、大人がやり過ぎたら意味がない


ほとんどの学習塾や予備校では、先にカリキュラムが出来上がっていて

それに子供たちを従わせるシステムを取っています。


中には個別に自宅学習の時間割を事細かく作る塾もあります。


ですが、現実として計画通りに勉強できるのは地頭が良い子だけ。


実際には計画通りに実行できない子供たちの方が

圧倒的に多いのです。


もしも1日24時間、講師と先生が生活を共にして

事細かく生徒の面倒を見れるなら

そういう計画も意味が出てきますが

実際にはあり得ないことですよね。


子供たちは自宅に帰ればホッとして、のんびりしたいのが本音。


その気持ちを抑えて自分を律し

再度気合を入れて勉強し始める子は

どれくらいるでしょうか?


余程意志の強い子ならできるでしょう。


でも、ほとんどの子供たちは、ずるずると自由時間が伸びていき

勉強が遅れていきます。


ですから

大人が事細かく計画を立てて、子供に計画表を渡したとしても

それを実行するかどうかは、別だと考えなければなりません。


子供のために大人がどんなに素晴らしい計画を練っても

それは絵に描いた餅みたいなものなのです。


  

3、子供が自分で考えて実行する


子供の自主性を促さない限り勉強の成果は出ません。


ですから、まずは子供自身の力で計画を練ってみることが大切です。


とはいうものの

単に「明日は数学の問題集をやる」という計画では物足りない。


例えば、最低限、次のような計画を立ててみましょう。


時間、学習の分量に着目して、18時から勉強を始めて

1時間以内に数学の問題集を2ページやる。


分からなかった問題はノートにまとめる。


ノートにまとめたものは、明日の朝10分間で復習する。


これぐらいの計画ならまずまずです。


本当のところ、これだけでは足りないのですが

先に述べましたが、計画を実行できない子が圧倒的に多いので

まずはこれぐらいの内容からスタートです。


で、ここでもう一つ付け加えておくことをお勧めします。


万が一、計画通りに勉強が進まなかった時のために

別の計画も同時に立てておくのです。


つまり「バックアッププラン」です。


「勉強時間が足りなかったら、朝10分間だけ基本問題を解く」

というように少しでも勉強を進めるのです。


なぜバックアッププランを作っておくかというと

子供はちょっとでも計画倒れになってしまうと

「どうせ計画通りにいかないんだから、もう諦めちゃえ」と

勉強すること自体を止めるからです。


いざという時にバックアッププランを発動させることで

最低限でも計画通りにこなせたと

それなりの充足感と達成感を得ることができるのです。



この体験が、次の勉強へのモチベーションにつながります。


  4、トライ&エラー


皆さんも経験があると思いますが

夏休みの計画を作れと学校の先生に言われて

無理矢理作らされましたよね。

でも、計画通りに進まなかったと思います。


そもそも何のための計画なのか

その目的が漠然とし過ぎていているので

計画通りにできるわけがないんですよね。


今の子供たちも同じで、何を目的として計画を立てるのか、

そして自分の実行力がどれくらいあって

こなせる分量がどのくらいなのか

計画を実行するための要素を理解していません。


学校でそういう勉強をしていませんから

仕方ない面もあるのですが

そうとは言え、社会に出てから必要となるスキルなので

ご家庭で学ばせることをお勧めします。


どうするかというと

2〜3日という短いスパンで子供に計画を立てさせて

失敗させることが大切です。


最初は親が口を出さずに、あえて失敗させます。


子供が失敗した時にどこがダメだったのか

親がフィードバックするです


例えば、疲れ寝てしまい、勉強できなかったら

疲れを取るための計画も必要だということを

親が伝えるのです。


YouTubeばかり見て勉強する時間がなくなってしまったら

時間の管理、スマホの使い方について

考え直さないといけないことを伝えることが大切です。


そして新たに計画を練り直して

これもまた2〜3日のスパンで

実行できたかどうかを親がフィードバックする

というやり方が良いです。


つまり、トライ&エラーを子供に経験させることが大切で

改善できた努力に対して、親が褒めるというのが理想的です。



計画通りにやらなかったからといって叱ってはいけません。


目的は「何がダメだったのか」を自己分析させて、

改善点を考えさせることです。


「めんどくさいから、自分で考えなさい!」

という放置の態度を取ってもダメです。


それだと親の関心が向かないので、子供はやる気を失います。


ですから、子供が失敗してもイライラせずに

「どこがダメだったんだろうねぇ〜」

「次の計画はどうしたらいいと思う?」

「今度はちゃんとできたんだね!」

と子供に考えさせて親がフィードバックするという

良い循環を生むように心がけると

子供の成長につながります。


大人が子供のために計画を練りすぎるのもダメ、

そうかといって

もう大人なんだからと放置するのもダメ。


考えさせて、失敗させて

その様子を親がフィードバックし

時々アドバイスするという

適度な距離感を保つのがベストです。


なかなか難しいですが、子供も勉強するように

親も勉強が必要ですね。


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