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映画ラブ

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素人の映画感想文的な何かです。
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映画『ジェミニマン』

映画『ジェミニマン』

 ヘンリーは知る限り世界一のスナイパーだ。そんな腕利きの狙撃手が引退を考え始めた時、かつての戦友ジャックに衝撃の事実を告げられる。最近狙撃した標的が悪事を働いた人間ではなく、一般人の科学者だったというのだ。ヘンリーが知らされていた狙撃対象についての情報が事実と違っていたということだ。その直後、ヘンリーはなぜかアメリカ国防情報局から命を狙われる羽目になる。寝込みを襲ってきた数名の暗殺者達を倒すと、ジ

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映画『グリーンブック』

映画『グリーンブック』

 ニューヨークの貧しい地域で育ったイタリア系移民の主人公。ナイトクラブで用心棒の様な仕事に就いていたが、店の改装に伴う長期休業で職を失って、運転手の仕事を紹介される。面接に行ってみると、雇い主は彼が毛嫌いしていた黒人だった。その黒人は北部地域では有名なトリオバンドのリーダー兼ピアニストだった。

 アメリカ南部を巡る2ヶ月のコンサートツアーのドライバーとなった主人公は、ボスとなった黒人ピアニストか

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映画『FALL/フォール』

映画『FALL/フォール』

 高所へのクライミングをSNSで投稿しようと企てた二人の女性が、荒野に建つ地上600mの電波塔に登頂した。しかし二人はその頂上に取り残されてしまう。
 水も食料も無い中で、降りる足掛かりを失った二人はどうやって生き延びるのか。

 高いところが苦手な人や、取り残される恐怖に耐えられない人は見ない方がいい。高いところが苦手な私が見てしまったのはチョイスを誤ったからだ。それでも最後まで見てしまったのは

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映画『ジェントルメン』

映画『ジェントルメン』

 ロンドンで大麻の密造・密売で財をなし、マリファナ王として覇権を持つに至ったミッキー(マシュー・マコノヒー)。昼間のバーに入ってピクルドエッグ(卵のピクルス)をつまみにビールを飲みながら誰かと電話している。デートの約束のようだから相手は女性だろう。その時背後から近寄った男の手には銃が・・・。
 次の瞬間、銃声とともに血しぶきがテーブル上のビールグラスと卵に降りかかる。
 冒頭のシーンだ。

 続く

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Netflix映画『カレとカノジョの確率』

Netflix映画『カレとカノジョの確率』

 物語のガイドとして登場するナレーター役の女性が物語の始めの方でそう忠告するように、これはただの恋愛映画ではない。
 愛の物語の背後にある、運命としか呼びようがない何かの話なのだ。

 タッチの差で乗る予定だったロンドン便に乗り遅れたカノジョ。次の便に切り替えて、待ち時間に空港ロビー内のデスクでスマホの充電をしようと思ったら、充電器が壊れていると隣の女性に教えられる。諦めて席を立とうとしたら反対側

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映画『市子』

映画『市子』

 川辺市子(かわべいちこ)の話だ。
 けれども、彼女はこの世に存在しない。
 彼女は舞台や映画というフィクションの中の存在だから。
 でも、同じ様な境遇の人はあなたの隣にもいるかも知れない。あなたが知らないだけで。

 数年の交際と同棲を経たある日、長谷川は市子に婚姻届を見せてプロポーズする。レストランやディズニーランドでのサプライズではなく、自宅でのひもじい夕飯の時だ。結婚の申し出を聞いた市子は

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映画『BlackBerry』

映画『BlackBerry』

 どんなことにも光と影がある。
 
 技術オタクが作り出した素晴らしい製品も、それを理解して売ってくれる人がいなければ購買者には届かない。届いたとしても時代の後押しが無ければ皆に受け入れられるものではない。
 カナダ発の携帯情報端末の新しさは、キーボードを備え、貧弱な携帯電話回線でもメールのやり取りが出来る革新的な技術的発想の賜物だった。スマートフォン市場で一時は世界第二位となり、アメリカのスマホ

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ドラマ『両刃の斧』

ドラマ『両刃の斧』

 私自身は通報した経験が無いが、電話の向こうではこう言うらしい。
「事件ですか、事故ですか。何がありましたか?」
 人が死んでいるのを発見した時に、冷静に判断して説明することなど出来るものだろうか。

 一人暮らしを始めた娘をストーカーに殺された刑事。目撃証言から容疑者の似顔絵が作られる。男はその容貌から、ラクダ男と呼ばれた。
 しかし彼の現役刑事の時代には容疑者逮捕には至らず、後輩の刑事に託され

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Netflix映画『アトラス』

Netflix映画『アトラス』

 人形AIロボットの反乱を凌いだ人類。ただし、その首謀者たるAIロボ、ハーランは宇宙に逃げてしまった。
 その戦争から28年。彼らの逆襲が始まろうとしていた。

 主人公はジェニファー・ロペス演じるAIの分析官アトラス。彼女の母親はAIと人間をリンクさせる神経リンクというデバイスを作った優秀なAI技術者だった。そしてハーランを作ったのも母親だった。見た目は人間そっくりなAIロボだった。
 ある日、

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Netflix映画『終わらない週末』

Netflix映画『終わらない週末』

 ニューヨーク・マンハッタンに程近いブロンクスのアパートメント。青く塗られた壁を背にヘッドボードが置かれたベッド。夫婦の寝室は広い。
 夫が朝早くに物音で目を覚ますと、妻が衣類をスーツケースに詰めて旅支度をしている。その様子を見た夫はベッドの中から声を掛ける。
 妻は、眠れなかったから、と言う。
 そして、急に思い立って海辺の貸家を予約したから家族で旅に行こうと。いつ予約したのだと聞けば、今朝だと

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映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』

映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』

 安心して見られる娯楽映画の要素を兼ね備えているザ・ハリウッド映画だ。すっかりシリーズ定着したトランスフォーマーの第七作。もはや車が変身してロボットになるということ自体が売りではなく、宇宙を舞台にした壮大な物語になっているのも、ここ最近の定番。

 宇宙を舞台にした戦いがあり、カーチェイスがあり、仲間を助ける友情や家族の絆、子供の登場、約束を果たすことに、サクセスストーリーが存分に含まれている。そ

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映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

 ジョン・ウィックシリーズの第4作。
 まぁとくにかくドンパチやるだけの映画なので、内容はあまり期待しない方が良い。大して何も残らない割に長尺だから、時間が勿体ないという人は見ない方が良い。前作まで見ていて興味があるという人やキアヌ・リーブスが好きだという人までをも止めるつもりはない。

 命を狙われるジョン・ウィックが世界を逃げ回り、それを狙う殺し屋達が追いかける構図に、少しだけドラマ要素を押し

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映画に浸る

映画に浸る

 言うまでもなく、私が映画を見るのは情報を得るためでは無い。でも、これ、敢えて言った方が良い時代になっていそうな気がする。
 映画だけは倍速再生をしたり飛ばしながらの視聴スタイルにこの前まで否定的だった人が、最近はそうでも無いと言い始めたりしているからだ。

 ストーリー情報は倍速や飛ばし見することでは損なわれない。だから、どんな話なのかを追いかけるだけなら、2時間の映画を観るのに2時間費やすのは

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映画『ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

映画『ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

 シリーズ7作目のミッション・インポッシブル。
 第一印象は、流石にトム・クルーズが老けたなということだった。それでもとてつもないアクションをこなすのだから人間の域を超えている。それだけ映画愛があるということなのか。どれだけお金を手に出来るからといって、出来ることではない。これじゃあ、命がいくつあっても足りない。

 それ(entity)と呼ばれる暴走したAIを止めるために必要な鍵を探し出すのが今

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