【勝因】『ハイプレスで下地を作り、パワフルな2トップで仕上げる』~J1第17節アルビレックス新潟VS京都サンガ~

試合結果

2023 J1 第17節
6/10 14:00K.O. @デンカビッグスワンスタジアム
新潟(1-3)京都
28分 豊川雄太
72分 新井博人
75分 パトリック
80分 パトリック

京都のハイプレスが新潟を襲った。

立ち上がりから新潟がGKを使いながらショートパスをつないで前進を図る中で、京都は前から人を捕まえる。[4-1-2-3]の京都は最前線の山﨑凌吾をGKの小島亨介、左WGの木下康介がCBのトーマス・デン、右WGの豊川雄太がCBの渡邊泰基に当てて、前で奪う姿勢を強く出した。また、インサイドハーフの福岡慎平と平戸太貴も相手のボランチをマンツーマンで監視し、両SBが相手のSBまで出ていく。人数を掛けて前からプレッシャーを与えることで、新潟のビルドアップを阻むことにエネルギーを注いだ。

それでも3分には新潟に高い技術で剥がされる。渡邊泰と田上大地が自陣左サイドの低い位置でワンツーを成立させたことで、京都は最前線のプレス網を破られたが、後ろがしっかりとプッシュアップできていたため、第二のプレス網で対応することに成功。致命的にはならなかった。

京都が圧力で新潟を苦しめていく中で、ホームチームは新潟でのラストマッチとなった伊藤涼太郎が黙ってはいなかった。インサイドハーフの脇に下りたり、サイドに流れたりと相手ブロックの間を瞬間的に突く動きで縦パスを受ける。日本代表に初選出された川崎颯太のマンマークに遭いながらも、キレのあるボディフェイクでゴールに向かっていく力強さを発揮した。

ただ、敵陣でのプレーを増やせたのは京都だった。ハイプレスからのボール奪取を起点に、クロスを上げてゴールに迫ると、28分にCKから最後は豊川雄太が押し込み、京都が先制して前半を折り返す。

後半は新潟が島田譲と鈴木孝司を投入し、京都はイヨハ理ヘンリーを加えて[3-4-3]に変更してプレスを強めた。しかし、新潟はウイングが相手WBの背後を突いたことで京都のプレスを掻い潜ってゴールに迫った。

小見洋太が左サイドを、ダニーロ・ゴメスが右サイドを突破していく中、伊藤もバイタルエリアでボールを持てるようになる。54分に小見がカットインして放ったシュートは、GK若原智哉に防がれた。62分には伊藤がボディフェイクで相手2選手を交わして、鋭いミドルシュートを放ったが、これもGKの好守に阻まれた。それでも72分にCKの流れから、ゴメスのクロスを新井が頭で合わせて同点に追いついた。

京都は選手交代でプレスの強度を維持してきたが、74分に金子大毅と一美和也を投入して交代枠を全て使い切った。54分からプレーしているパトリックと一美が前線を構成すると、敵陣でのこぼれ球を拾えるようになり、ショートカウンターを繰り出していくと、75分だった。左サイドの高い位置で一美が相手選手とルーズボールを争い、こぼれたボールをパトリックが強烈なシュートを叩き込んだ。

再び京都が勝ち越しに成功すると、80分にも相手ゴール前でこぼれ球を拾った一美がPA内で倒されてPKを獲得。パトリックが強烈なシュートを右上に突き刺し、3日前の天皇杯で失敗した分を取り返した。

ハイプレスで下地を作り、一美とパトリックのパワーで仕上げた京都。9試合ぶりに勝利を告げるタイムアップの笛が鳴ると、選手たちは満面の笑みで抱き合って喜びを爆発させた。

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