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ストレス評価と対処法

ストレス社会と言われる昨今ですが、
「何をストレスと感じるかは人によって違うんじゃないの?」と思われる人も多いんじゃないでしょうか。

それでも、何がしかの基準を作ることはできるもので、
有名なものに「社会的再適応評価尺度」または、「ライフイベント法」とも呼ばれている評価方法があります。

今回はそのご紹介。


社会的再適応評価尺度(ライフイベント法)とは

日常生活に大きな変化をもたらすようなライフイベントを振り返って、
それぞれのストレス強度を数値化したものになります。

海外で作られたもので、しかも結構古い評価方法ではありますが、
今でもそれなりに有名で使いやすさはあります。

評価表のリストは以下のような感じですね。
それぞれの項目で当てはまる点数を合計していきます。

1位:配偶者の死→100点
2位:離婚→73点
3位:夫婦別居生活→65点
4位:拘留→63点
5位:親族の死→63点
6位:個人の怪我や病気→53点
7位:結婚→50点
8位:解雇・失業→47点
9位:夫婦の和解・調停→45点
10位:退職→45点

11位:家族の健康上の大きな変化→44点
12位:妊娠→40点
13位:性的障害→39点
14位:新たな家族構成員の増加→39点
15位:仕事の再調節→39点
16位:経済状況の大きな変化→38点
17位:親友の死→37点
18位:転職→36点
19位:配偶者との口論の大きな変化→35点
20位:1万ドル以上の借金→31点

21位:担保・貸付金の損失→30点
22位:仕事上の責任の変化→29点
23位:息子や娘が家を離れる→29点
24位:親戚とのトラブル→29点
25位:個人的な輝かしい成功→28点
26位:妻の就職や離職→26点
27位:就学・卒業→26点
28位:生活条件の変化→25点
29位:個人的習慣の修正→24点
30位:上司とのトラブル→23点

31位:労働条件の変化→20点
32位:住居の変更→20点
33位:転校→20点
34位:レクリエーションの変化→19点
35位:宗教活動の変化→19点
36位:社会活動の変化→18点
37位:1万ドル以下の借金→17点
38位:睡眠習慣の変化→16点
39位:団欒する家族の数の変化→15点
40位:食習慣の変化→15点

41位:休暇→13点
42位:クリスマス→12点
43位:些細な違反行為→11点

Holmes & Rahe,1967

合計の点数によって、翌年に健康上の変化が起きる可能性が以下のように示されています。

●1年間に経験したライフイベントの合計を計算

・150点以下の場合→ 翌年に健康上の変化が起こる可能性は約30%以下
・150点~300点の場合→ 約50%
・300点以上の場合→ 約80%

評価の解釈について

ストレスは悪いものばかりではない、という話を以前しましたが、
リストの中に「休暇」が入っていることからも頷けますね。

つまり、
悪い出来事だけがストレスの原因になるとは限らない、という認識がとても大切です。

もう一つ、このリストを見て分かる通り、
さまざまな生活条件の変化がストレスとして挙げられています。

年度が変わって進学、就職したり、役職や新しいプロジェクトのメンバーになることもまた、ストレス源となっているんです。

例え自分自身には大きな変化がなくても、
家族が進学して就寝時間が変わった、職場に新人が入ってきて業務内容が変わったなど、間接的な変化に晒されることもあります。

無意識に受けている変化をストレスとして認識することがとても重要になります。

そして、
ストレスが軽度なうちに対処することが大切です。

3つのストレス対処法


ストレスを対処するための行動は「コーピング」と呼ばれます。

自分なりのコーピング手段を作っていくことが重要になりますが、
その際に、主に3つに分類されるコーピングを上手く使い分けることが推奨されています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①問題焦点型コーピング

問題に対して、自身で努力したり周囲の協力を得る方法です。
新しい業務内容について勉強したり、勇気を出して先輩に相談する、といった感じですね。

②情動焦点型コーピング

問題を捉えている自分自身の感情に焦点を当てる方法です。
物事の捉え方(認知)は人それぞれのため、認知が歪んでいれば解決できる問題も解決できなくなります。
認知行動療法はここに当てはまる治療方法ですね。

③ストレス解消型コーピング

ストレス解消として多くの人が取っている行動ですが、大きく2つの種類があります。

1、気晴らし型コーピング
ストレス源から離れて気晴らしをすることで、ストレスを緩和する方法です。
家に帰ってきてビールを飲みながら好きなYoutuberの配信を見る、などがこれですね。

2.リラクゼーション型コーピング
心身をリラックスさせることで、緊張状態を和らげるコーピングです。
アロマオイルを使いながらゆっくりとお風呂に入る、などが当てはまります。

まとめ


ストレスは生きていく上で避けられませんし、完全に避けるべきものでもありません。

過剰にストレスを溜めこまないように自身でチェックし、コーピング手段を複数持っておくことが大切です。

多くの人が月曜日を憂鬱に感じるのは、コーピング手段が「気晴らし型」に偏っているからだと考えられます。
そういう意味では、心理学を学んで「情動焦点型コーピング」を使えるようになったのは大きい、と個人的に感じています。

ぜひ今日から、今までとは違うストレス対象法を実践してみてはいかがでしょうか?

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