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離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」2021年度

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離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」1年間コースの生徒たちによる日記。季節ごとに感じたことや、日々の料理の振り返りなど、食にまつわる記事をお届けします。
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記事一覧

卒業生インタビュー(武田さん)

卒業生インタビュー(武田さん)

恒光:では、一年間お疲れ様でした。

武田:はい、ありがとうございました。

恒光:卒業制作弁当の配達が終わって、どういった気持ちですか?

武田:終わった実感が、まだないって感じです。終わっちゃったんだなーって思っちゃいます。

恒光:1年の中で色んなことがあったと思うけど、入ってすぐの頃はどうだった?

武田:入ってすぐは、なんかみんなが自分よりすごいできるように見えて、料理に関して何も知らな

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卒業生インタビュー(三橋さん)

卒業生インタビュー(三橋さん)

恒光:一年振り返ってみてどうでしたか?

三橋:楽しかった。料理をするのは勿論だけど、海の近くで暮らすの初めてだし、共同生活も初めてだし。みんな色んな考え方持っているし、料理のことも「この人はこんな風にやるんだ」とか思った。一緒に生活をして刺激をもらったし、一個のことを勉強しても、その人たちのアレンジが加わるとまた違うから、二倍勉強できたなって。

あと、魚が美味しいですよね(笑)
こんな新鮮な魚

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椎茸とのお付き合い4年目

椎茸とのお付き合い4年目

毎年恒例となっている、椎茸の原木担ぎ出しを手伝いに行ってきた。
山の斜面の途中で伐採されて、丸太の状態になっている原木を、斜面を登りながら担ぎ上げて、ひたすら軽トラに積んでいくという冬の風物詩。

原木に大小あって、大きいものだと元気が売りの大学生2人がかりになっても、ひいひい運ぶような代物。大人(おじさん)達は、体力がない分、ガッツでやり切るしかない。掛け声というより、もはや叫び声を上げながら運

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胡麻行

胡麻行

気付けば年末で、12月に入ってから今日に至るまで、本当にあっという間でした。実践が立て込んでいた時期よりも、遥かにゆっくりとしたペースで日々が進んでいるはずなのに、なにかに焦ってしまう。

季節のことを追うにも、とても時間と手間がかかって、全てが全てに手を回そうと焦ってやっても、まだまだ追い付きません。野菜も育てたことのないものが、まだまだあると感じる。

海士町の図書館にシードライブラリーという

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9月振り返り(離島キッチン海士での実践に向けて)②

9月振り返り(離島キッチン海士での実践に向けて)②

恒光:話が変わるんですけど。離島キッチン海士や島食の寺子屋校舎での、生徒それぞれの動きに対して簡単にフィードバックして頂けますか。

鞍谷:武田はド真面目じゃないけど、「こう言われたらこう」って言うのが強すぎて、もうちょっと気楽に考えたらいいのにって思うことがある。こうじゃないとあかんって考えてしまうところとか、生真面目すぎるとか。

恒光:なんか武田が嬉しそうですよ笑

武田:なんか褒められてい

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9月振り返り(離島キッチン海士での実践に向けて)①

9月振り返り(離島キッチン海士での実践に向けて)①

9月の振り返りと、10月に集中している実践授業に向けて。

緊急事態宣言が明けて、観光のお客様が例年より多く10月に集中している。
結果として、実践の授業として実際に離島キッチン海士でお客様に料理をお出しするのは、合計で14本。

お昼の箱膳を提供することもあれば、夜会席としてコースで料理を提供することもある。9月まで少しずつ実践を積み重ねてきたものの、これからは講師も生徒も一丸となって乗り越えて

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7月と8月の振り返り④(課外授業と実践 )

7月と8月の振り返り④(課外授業と実践 )



恒光:
7月の課外授業の振り返りをしよう。学んで感じたものを、卒業後は伝えていく側になっていくんだし。今はその過渡期にいると思う。

武田:
選べないですけど、梅を干したのもそうだし、イカ釣り漁船もそうだし、定置網の見学もそうだし。鶏をしめるのも、普段鶏肉を食べているけど、一匹の鶏を絞めて食べてるんだなんて考えない。

あと天草も、寒天があっこからとれるもんなんて知らなかったんですね。だから、

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7月と8月の振り返り③(ノートのまとめ方、これからの授業)

7月と8月の振り返り③(ノートのまとめ方、これからの授業)



恒光:今回は長めの休みもとれて、今までの復習をしたり、それをノートにまとめたりしていると思うんだけど、どんな風に学びをまとめていっているの?

武田:
授業のときは、授業のことを沢山メモとるんですけど、私の場合は授業でまとめたことをもう一回見直して、自分の中で整理しながら書き直す感じ。
その中で分からないことがあったら先生に聞けるように、その材料を集めておくような。そんなことをしたいと思いつつ

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7月と8月の振り返り②(京都研修)

7月と8月の振り返り②(京都研修)



恒光:じゃあ、淡々と進めるけど、次は長谷川さんで。

長谷川:
大きくふたつあって。一つ目が「文化を作る」。

これは、京都研修中に会った人たちとのコミュニケーションを通して思ったことなんですけど。大前提として、寺子屋に入って「和食とは?日本料理とは?」という疑問があって、一か月に一回くらい先生に聞いていたんですけど、その疑問が少しとけたという感覚があって。

そもそも、どうしてそういう疑問を

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7月と8月の振り返り①(京都研修)

7月と8月の振り返り①(京都研修)



恒光:さっそく7月を振り返りたいと思います。みんな記憶はあるかな。。?

生徒全員:・・・(笑)

恒光:
忙しかったのもあるし、ちょうど一個一個の体験が体験のままに終わってしまう時期でもあるかなと思うし、改めて定置網に乗った時に改めて思ったこととか、教えてもらったこととか。天草とかサザエを海に取りに行って教えてもらったこととか。色んなことを、みんなで振り返りたいなと思う。

じゃあ、出野さん

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命のタイミング

命のタイミング

人生で初めて、鳥を捌くところを見た。

命の授業といえば、ブタがいた教室という映画があって、すごい世の中では反響があったと思う。反響があったから観るべき気がして観たけど、どこか他人事のような態度で観ていた気がする。血が出るシーンも、あったどうか記憶が定かではない。

そんな自分が、命の授業を受ける日がようやく来た。
烏骨鶏の育て方を相談していた島内の知り合いから、「今日、捌くから興味あったら来て」

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6月振り返り④(フリートーク)

6月振り返り④(フリートーク)

振り返りトークも90分を越えたので、気楽にフリートークへ。料理ができるようになりたいゆえの悩みや、食育と日本料理の繋がり、今後の生徒の自主企画など。

聞き手:恒光(島食の寺子屋・受入コーディネーター)
話し手:出野、武田、三橋(島食の寺子屋生徒)

武田:みんなの話を聞いてて思ったのが、私はゴールが見えてなかったと思うんですよね。

たぶん、「こうしたい」っていうのが自分の中で思い描ききれていな

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6月振り返り③(私だけの旬とアンケート)

6月振り返り③(私だけの旬とアンケート)

恒光:それでは、一番最後にお弁当をつくった出野さんに聞いてみようかな。お弁当をやってみてどうだった?

出野:どうだったか。

恒光:あの時は確か、仕込みの日に、梅漬けの課外授業が急遽入っちゃったよね。あと、金曜日に定置網が動くと思っていて、そこも予想外に漁がなかった。

出野:もともとは余裕のあるスケジュールだったんですけど。
本当は金曜に鰯を仕入れておきたかったけど漁がそもそもなくて、それで日

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6月振り返り②(塩は2時間がお好みで)

6月振り返り②(塩は2時間がお好みで)

週に1回のお弁当。献立組立は先生に相談しながらも、自分の舌で確かめながら考え抜いていく。とてつもなく難しく思える料理の行程にも、シンプルなパターンが見えそうになったり。ひとつひとつの試行錯誤が、自分の感覚として身に付いていってほしい。

聞き手:恒光(島食の寺子屋・受入コーディネーター)
話し手:出野、武田、長谷川、三橋(島食の寺子屋生徒)

恒光:長谷川さんはどうだった?GOサインを出すまで、ぎ

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