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【映画感想?】コナン劇場版をみた後の人生
(不用意なネタバレがあります)
毎年GW頃、新作が上映されていることは知っていた。毎年何かしら話題になり、動員数や興行収入を更新している。
気にはなるが、かれこれ二十年はまともにコナン君のストーリーに触れていない。観ても楽しめるか、わからなかった。
しかし、人生で一度はコナン映画を劇場で観てみたい。
そんな気持ちはどこかにあって、何年か機会を伺っていた気がする。
別の映画を観に行った時、予
【ゲーム感想】ファミレスを享受しつづける
夜更かしができない。
三十代になってからは、ますます夜起きていられない。9時から10時には寝ている。
ファミレスという場所も、あまり人生で縁がなかった場所だ。
いつも隣にいるひとに、どんな時にファミレスに行ったか聞いてみた。
「学校帰りにドリンクバーだけでたむろする場所。カラオケ後にまだ話したくて行く場所。テスト前に集まって勉強する場所」
漫画の中の人みたいだね、と言ったら漫画
恋多きひと、家族の遺伝子について
先日、家族ぐるみで付き合いのある知人と、久しぶりに会った。
彼女の名前は、仮にマリアとする。
マリアは私が小学生の頃に、留学生として日本にやってきた。
母の慈善活動の一環から、当時の我が家には主に東南アジア系の留学生が何人か出入りしていて、学校から帰ると見知らぬ外国籍のお兄さんお姉さんが漫画を読んだりタコ焼きパーティーをしたりしていた。
大きな遠慮もなく、友達や恋人を引き連れて来るの
祈りの雨 #青ブラ文学部
一目惚れだった。
ヨルダン川の岸辺で、幼い私は迷子になっていた。母親の用事が終わるのを手持ち無沙汰に待っていたのだが、サンダルの革ひもが切れ、しゃがみこんだのはほんの数十秒。結び直したと思って顔を上げた時には、もう母の姿を見失っていた。
「ケガしたのか?」
植物の育たない荒れ地で、少年の瞳は深い緑色だった。こちらを心配そうにのぞき込む顔は、後から思い返せば幼さが残る。私よりも二三歳は年上だっ
セピア色の桜 #青ブラ文学部
「こちらがニコラ・フィアット ロゼです、ムッシュ」
コースのスタートから1時間ほど経って、食事はヒメジのポワレである。季節にあった桜柄のボトルを、老年の夫婦に少し掲げて見せる。
白髪の男性は、ぜひ彼女にこそ見せてくれと、妻と思わしき女性の方へ手のひらを向ける。僕は、おやと思う。おそらく彼女は日本人ではないか。
「ありがとう」
僕の気付きに応じたように、彼女は母語話者のイントネーションでグラス
手のひらの恋 #青ブラ文学部
占い師は自分を占えないというのは、本当だろうか。
私が初めて姉に占ってもらったのは、小学生の時だった。私が三年生、姉が六年生になった年の春、親から二人で一冊と買い与えられた子供向け雑誌に、手相占いの特集があった。示し合わせたように、占いごっこが始まる。姉は私の右手のひらを取り、もったいぶって謎の呪文を唱える。さっきまで付録のハンドクリームをつけていたから、ふわりと苺の香料がお互いから薫った。
合わせ鏡 #青ブラ文学部
森の奥には魔法使いがいて、頼めば願い事を何でも叶えてくれるというのは、この辺りの村では有名な話だった。
隣に住むメルヒの、お婆さんの話だ。
小さいころ家で飼っていた猫がいなくなり、一番かわいがっていた姉が魔法使いのところにお願いをしに行った。魔法使いはタダでは願い事を聞いてくれない。姉はその時期庭で盛りの深紅のバラを両腕に抱え、魔法使いに手渡した。
魔法使いはいつもそうであるように、棚か