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Technè古典へのアクセス
2022年3月6日 20:53
絵画や仏像、建造物を彩る群青・緑青は、それぞれ藍銅鉱(Azurite)・孔雀石(Malachite)という鉱物からつくられた顔料である。 藍銅鉱・孔雀石は、どちらも銅が水や空気に触れて変化した二次鉱物で、塩基性炭酸銅を主成分とする鉱物である。両者は混じり合って一緒に産出することも珍しくない(Azurmalachite)。やまと絵の山水の色彩感覚は、原石の青と緑の調和した姿を想起させる。
2022年3月10日 14:29
先日、東洋史家・松田壽男氏の著書『古代の朱』を手にした。そのタイトルに強くロマンを掻き立てられたからである。 本書は、水銀とその原料である辰砂の背景にある壮大な文脈を紐解く、他に類を見ない著作である。 水銀に関する歴史研究は、松田氏以前は全く未開拓の領域。古代史に通じた江戸時代の国学者たちも、水銀に関する和歌の解釈に難儀した。その理由は、古代と現代とがあまりにも時間的に隔絶されており、数少