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THE TECHNOLOGY NOTE

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THE TECHNOLOGY REPORTは、テクノロジーの風向きへの感覚を言語化・体系化していくことで、手段先行に陥ったり、進むべき方向を見失わないようにするためのコンパスを作…
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2023年8月の記事一覧

枯れた技術について検討する

枯れた技術について検討する

テクノロジーの潮流を観測していると、つい最新の技術に目を奪われがちです。

しかし、最新の技術は十分な検証ができておらず安定性が今ひとつだったり、コストが高いといった問題があります。そのため、ある課題に対する解決策を考える時、そもそも最新技術をあえて採用せず、ずっと昔からある、いわば「枯れた」技術を使えば、安定性が高く、コストも削減することができることがあります。

このように、テクノロジーを利用

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スマートフォンから、なにできる?📱📡🤖

スマートフォンから、なにできる?📱📡🤖

THE TECHNOLOGY NOTEの今回のお題「枯れた技術:ヴィンテージ・テクノロジー」に沿って記事を書いています。寝かせたからこそ使いごろになっているテクノロジーのメリットは大きくは次の3つでしょうか。

・導入コストが低い:大量生産されているので安く利用することができる。
・説明コストが低い:すでに普及しているので扱える人が多い。
・費用対効果が高い:そうきたか!というびっくり感を作ること

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ヴィンテージ・テクノロジーについて考える

ヴィンテージ・テクノロジーについて考える

日々変化していくテクノロジーの潮流を観測していると、ついつい最新の技術に目を奪われがちです。やっぱり、これまでできなかったことができるようになる、というのは楽しいですし。

ただ、それぞれの分野に専門の研究者の方がいることからも分かるように、最新を追いかけ続けるのは本当に大変です。進化が早すぎて数日間情報をチェックしなかっただけで状況がガラリと変わるようなことになってくると、肝心の「これで何をしよ

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ヴィンテージテクノロジーは表現の苗床になるのか

ヴィンテージテクノロジーは表現の苗床になるのか


「新たな」レトロブームここ数年、1990年代後半から2000年代のデザインをリバイバルしたような「新しい」レトロなデザインが人気である。当時を経験した世代からのニーズだけかと思えばそうでもなく、それらを経験していない世代(つまり20代の若い世代)からも人気を博しているようだ。

K-POPの枠を超えて世界的な人気を博すグループ、NewJeansのウェブサイトも敢えて、今よりも一昔前のウェブサイト

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カセットテープからデータセンターへ : 古くて新しい磁気テープ

カセットテープからデータセンターへ : 古くて新しい磁気テープ

最初に入った会社では社内サーバーのバックアップを磁気テープにとっていた。決まった時刻になるとサーバールームに行ってテープをセットするのは新人の仕事で、自分も同期と交代でその業務を行っていた。自分が最初に覚えた仕事と言ってもいいかもしれない。

それまでコンピューター用の磁気テープを手にしたことはなかった。初めて見るその小さな磁気テープに、映画の中に出てくる巨大なコンピューターと大きな回転するオープ

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世界を形作る型

世界を形作る型

「クッキー型の型のうた」をご存じだろうか。
NHK の番組「ピタゴラスイッチ」内で放送された歌だ。誤植ではなく本当に「型の」が2回続くタイトルとなっている。

内容としてはこうだ。

まず最初にクッキー型からクッキーをたくさんつくる歌、「クッキー型のうた」が流れる。

その後、以下のようなナレーションが入る。

そこで工場でクッキー型を生産している映像と共に「クッキー型の型のうた」が流れ始めるのだ

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Flasherの逆襲

Flasherの逆襲

「Flasher」というと、日本のデジタルクリエイティブ業界の一部では、「Adobe(古くはmacromedia) flash」を使って何らかのコンテンツ・仕組みをつくる人たち、ということになる。そもそもAdobe flashすらよくわからないという読者もいるかもしれないので、Wikipediaから抜粋しておくと、

というもので、ウェブブラウザのプラグインとしてflashでつくったものを再生する

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