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農業・漁業の技術

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2024年5月の記事一覧

旅×農業

旅×農業

農業における人手不足は深刻だ。人を雇うにも必要なタイミングで働いてくらる、そんな都合のいい人材は少ない。

そこで、旅人とのマッチングを考えた『おてつたび』は目の付け所が素晴らしい。旅と農業を上手くマッチングしてくれる。

『参考資料』
https://otetsutabi.com

ニジマスからサケ

ニジマスからサケ

東京海洋大学の吉崎悟朗教授の研究チームは、サケの卵や精子をニジマスにつくらせる技術を開発した。

サケの仲間であるキングサーモンは成魚になると、海から生まれ育った河川などに戻って産卵をする。性成熟には3〜7年ほどかかる。精子や卵は生涯で一度しかつくれず、産卵を終えると雌雄どちらも死ぬ。

対してサケ科のニジマスは毎年産卵できる能力を持つ。研究チームは遺伝子を改変できるゲノム編集技術で自らの生殖細胞

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樹木は強風から身を守るために

樹木は強風から身を守るために

釣竿の先端を曲げてみるととても簡単に曲がるが、元部付近はほとんど曲がらない。これと同じように、樹木の幹や枝は基本的に先が細く元部が太くなっている。もし、先端と元部が同じ太さの幹があったとすれば、“てこの原理”で根元に大きな曲げ応力が発生し、折れてしまうであろう。樹幹や枝の基本形が根元に近づくほど太くなる円錐形であるのは、曲げ応力を均等化させるのに役立っている。

さらに、根元は湾曲しながら拡大する

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生きる化石 イチョウ

生きる化石 イチョウ

『イチョウは広葉樹?針葉樹?』中学校の理科で学ぶ問題だ。イチョウの葉の形から、イチョウは広葉樹だと思われがちだが、実際はイチョウ属→イチョウ科→ イチョウ綱と大分類に至っても一種だけしか残っていない生きた化石植物といわれ、裸子植物で針葉樹の仲間です。
約1億5000年前の中生代ジュラ紀(巨大な恐竜が活動していた時代)から現在まで生き残っています。

材料としては柔らかめ。木肌が細やかで仕上がりがき

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“焼肉のタレ”でカメムシ対策

“焼肉のタレ”でカメムシ対策

最近カメムシが異常に増えています。

【原因1 針葉樹林が荒れている】
戦後の造林ブームでヒノキ、スギの針葉樹が増えて増殖源となった。また、木材価格の低下で山が荒れ、枝打ちや間伐などの管理ができず、花粉や球果の量が増えているのもカメムシ大量発生の一因
【原因2 温暖化で成長が加速】
温暖化で気温が高まるとカメムシの成長速度もアップ。
【カメムシのニオイの秘密】
カメムシは外敵から身を守るため、そ

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梱包材として使われた植物

梱包材として使われた植物

現在では、プラスチックの梱包材が普及しているが、プラスチックが利用される前は、植物を梱包材として使うことがよくあった。
牧草であるクローバーの和名がシロツメクサとなったのは、梱包材となる草、「詰め草」だったからである。

ヨーロッパ貴族を魅了したランの花は、1818年にブラジルで活動していたプラントハンターが熱帯植物をロンドンまで送った際に、あまり大切ではなさそうな植物を詰め草として詰め込んだ。荷

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尾根はアカマツ、中腹はヒノキ、谷はスギ

尾根はアカマツ、中腹はヒノキ、谷はスギ

ハイキングなど山に行くときは、地形と樹形にも注目してみたい。標高や地形によって生育状態がかなり異なる。
尾根筋は雨が降ってもすぎに流れ去ってしまい、風も強いので乾燥しやすい。光は上方、側方、斜め下からくる。そのため、尾根筋の木は背が低く下枝が大きく張り、根は広く伸びている。
谷筋は水が集中し風が弱いので水分環境がよいが、光は上方からしかこないので、隣接する木との光獲得競争が激しい。そのため、谷にあ

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トマトは"野菜"か"果物"か

トマトは"野菜"か"果物"か

19世紀のアメリカでは、野菜に関税をかけ、果物は無関税であった。そのため、トマトは果物なのか野菜なのかで裁判沙汰になったことがある。

植物学的には「フルーツ」というのは植物の果実のことである。そのため、トマトは果実である。しかし、フルーツという言葉は、植物学以外でも用いられる。つまり、デザート的に食べるものがフルーツであり、料理の食材として調理して食べるのが野菜である。結局裁判でも、「トマトはデ

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