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「昭和化」する若者の心理

column vol.847

11月最後の週末。

来週はいよいよ12月です…(汗)

12月と言えば、普通なら忘年会シーズンです。

ウィズコロナではありますが、世の中的にはどうなのでしょう?

就職や転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を展開するライボの調査部門、Job総研は、全国の従業員数20名以上の企業に1年以上勤務する20代から50代の会社員770人を対象に、今年の忘年会意識調査を実施。

この調査によると、職場忘年会の開催に肯定的な人は、「賛成」「やや賛成」を合わせて58.1%と多数派であることが分かりました。

〈Forbes JAPAN / 2022年11月15日〉

そして、ここで着目したいのが世代ごとの回答です。

若者ほど忘年会に「賛成」

Forbes JAPAN

年代別集計を見ていただくと一目瞭然なのですが、世代が若くなればなるほど忘年会に賛成の意志を見せています。

20代「賛成」25.6%「やや賛成」39.7%の2つを合わせると、65.3%。なかなか多い割合なのではないでしょうか?

ちなみに、「忘年会が開催されたら参加したいか」という問に対しても、「参加したい」と答えたのは20代が最多で70.2%

「飲みニケーション」対して積極的ですね。

飲み会好きおじさんの私としては、この結果を見てニンマリしてしまいます。

そして、気になるのは理由です。

Forbes JAPAN

この回答結果は、若者限定ではありませんが、「コミュニケーションをとるため」84.0%「上司との関係構築」45.6%

これは個人的には気持ちが上がりつつも、それだけ職場でのコミュニケーションが気薄になっている裏返しでもあるように思えるので、少し緊張感をもって受け止めておきたいと思います。

アメリカでも一見無駄に思える雑談から新たな発想偶然に生まれる「セレンディピティ」に注目が集まっています。

リモートにより作業に集中できるという効率化を認めつつも、やはり、何か新しいものを生み出していくという視点においては、リアルでの偶発性は大変貴重なものになります。

また、情報共有ということでも、他の人の話が聞こえてきたり、他の人の仕事を目にすることのできる、リアルな場の方が得やすいというのはあるでしょう。

若者はアナログ傾向に

他にも、マーケティングクラウドを提供する「シャノン」が行った「セミナーとウェビナー」に関する調査でも、若者の積極的なリアルでのコミュニケーション意欲が感じられます。

〈OVO / 2022年11月22日〉

同社は、企業でサービス・製品を担当する20代以上の881人と、251人の企業担当者を対象に「ウェビナー」に関するアンケート調査を今年9月に実施。

「今後、ウェビナーとセミナーのどちらに参加したいか」という質問に対して、「どちらでもよい」が33.6%で一番多かった一方、「セミナー」と答えた人も25.8%いたのです。

この傾向は若者でより強く、セミナーを希望した20代46.3%30代40.7%で、21~31%だった40代以上よりも顕著となりました。

社会全体でウェビナーが主流となる中、若者中心に「リアルの場」を求めている傾向が見られます。

一昨日、講師を務めた法人向けセミナーでも、参加者同士が積極的に交流し合うなど、ウェビナーにはないセレンディピティを求め合っているように思いました。

そのセミナーは若者が多かったわけではないのですが、若者はこのセレンディピティをより求める傾向にあるということかもしれませんね。

以前、【「Z世代」との良き付き合い方】という記事の中で、アルコールに頼らない新しいコミュニケーションの形として、「サウナ採用」「サウナワーケーション」について紹介させていただきましたが、まさにリアルな対話でのメリットを享受しようとしていることが分かります。

求む「昭和の明るエネルギー」

ということで、昭和世代以上に昭和的文化の良さを感じている令和世代の若者たちですが、他にも昭和世代とリンクするところを感じます。

昭和レトロブームであることは、これまでも再三取り上げてきましたが、そのニーズの源泉には「古き良き薫り」があるからです。

〈新R25 / 2022年11月17日〉

コギャル文化やプラダのナイロンバッグがリバイバル流行している

コギャルもナイロンバックも90年代なので、正確に言えば平成ですが、今よりも明るい時代のムードをトレンドとして取り入れているということで言えば同じかと思います。

80年代ハリウッド映画シティポップミュージックがリバイバルヒットしているのも、まさに明るいムードをキャッチしたいという潜在欲求があるのではないでしょうか。

最近、「おじさんブーム」と言われていますが、ここでのキーワードは「安らぎ」

「明るさ」「安らぎ」。そして、求めるリアルなコミュニケーション

ビジネスの観点で考えていくと、やはり社内に関するマネージメントにおいても、そして、お客さまに提供する商品・サービスにおいても、この「明るさ」「安らぎ」をどのように提供するかが、キーポイントになりそうです。

ちなみに、日経トレンディ「2022年ヒット商品ランキング」でも「明るさ」「安らぎ」が要点になっていることが分かります。

〈日経XTREND / 2022年11月3日〉

1位「Yakult1000/Y1000」「きちんと眠って心身を回復させたい」と感じる人が多いということの現れ。

また、安眠グッズ「ナイトミン 耳ほぐタイム」などは、SNS上で体験談が広がって、「試してみたい」とエンタメ感覚で手を伸ばす人が連鎖的に増えたことにより、「睡眠のエンタメ化」が顕著になりました。

ということで、昨日の続きではないですが、私のnoteは「明るさ」と「癒し」を大切にしていきたいと思います(笑)

それでは、11月最後の週末をお楽しみくださいませ!!

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