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「発見」があなたを幸せにする

column vol.1005

冬休みに引き続き、GW読書ウィークにしたのですが、新しい本だけではなく、以前読んだ本をあえて読むようにしました。

その理由は「自分の変化」意図的に発見したかったからです。

自己研鑽といっても、中年にもなると急激な成長の実感はありませんので…、時々ずっと同じ位置に立っているような気持ちになります…(汗)

老化は悲しいほど敏感に感じるのですが…涙)

しかし、仕事でいえば、過去につくった企画書や資料を読んでみると、「あっ、こんなに浅い考え方してたんだ〜」と、過去の自分の未熟さを見つけることができます。

そうすると〜「あ〜、やっぱり成長できてたんだ〜」と、ちょっと嬉しい気持ちになるのです(笑)

定期的に過去を振り返り、登った山の高さを確認する。

最近、時間がある時は、そういう工夫をして自分を盛り立てています😊

そんな自分の考えとリンクした、ある方の言葉があります。

「探究型学習」の第一人者である矢萩邦彦さんが語る「AI時代での人間の役割」についてのコメントです。

人間には「見える」ようになる力がある

AIは自分自身を疑うことができません。自分自身を疑うプログラムが書けないからです。自分で仮説を立てたり、目的を設定したり、ルールをつくって運用しながら調整したりすることもできません。コミュニケーションも苦手ですし、あらゆることに意味を感じることもできません。ですからそういう能力こそぼくたちは優先的に磨いておく必要があるわけです。

〈AERA.dot / 2023年5月4日〉

AIは「あらゆることに意味を感じることができない」

それについては、チームラボ代表・猪子寿之さんも同じようなことを仰っていました。

例えば「雨」

雨を絵で描くと一般的にはこんな感じなのではないでしょうか?

雨がになっています。

しかし、実は浮世絵の登場以前西洋絵画には現在の「雨」のようなビジュアルはなかったのです。

実際、1877年ギュスターヴ・カイユボットによって描かれた『パリ通り、雨』では、濡れているのですが雨は描かれてはいません

ギュスターヴ・カイユボット / 『パリ通り、雨』

それに対して猪子さんは

それは当時の人にとって、少なくとも現在のようには「雨」が見えていなかったからじゃないかと思うんだよ。

と解説しています。

そして、広重が書く雨を見て、西洋の人たちが「確かに、言われてみれば、そう見えるかも〜」と、雨の姿を発見していったというわけです。

歌川広重 / 『大はしあたけの夕立』

つまり、人は発見することによって見えなかったものが「見える」ようになるのです。

「どう思うか」で価値が変わる

人が「そう見える」というのは価値観の問題もそうですね。

例えば、ポケモンカードです。

ポケモンカードは定価は5枚セットで180円ですが、この前ニュースで見たら、都内のトレーディングカード店では1枚およそ15000円で売られているそうです。

しかも驚くことに、中にはおよそ7億円の値がついたカードもあるそうですよ…

これも、「これってイケてるじゃん〜」評価する人がいてこそ価値が生まれるわけです。

そして、「おっ!これはせどりすれば儲かるかも!」と転売ビジネスに光明を見つける人ががいるからこそ、さらに値が上がっていく

私もかつて子どもの頃は、ビックリマンシールに熱を上げていました。

ビックリマチョコは30円(1980年代)。

シールはあくまでもお菓子の “おまけ” です。

それなのに、シールはお金以上の価値を持っていて、当時はシール欲しさに掃除当番を替わったり、私もすっかりシールの魔力に取り憑かれていました(笑)

つまり、価値を決めるのは当分「人」であるというのは結構ポイントだと思うのです。

仮にAIがこれまでのデータを駆使して「これが価値のあるものです」と提示してきても、我々人間「AIがオススメするのもは全部拒否しよう」と思ってしまえば、それは価値にならないわけです。

そう考えると、「これって、価値があるんじゃない?」と発見できる人や、共感を促せる人は、人間しかできないことをやっていると言えるのかもしれませんね。

「自分の幸せ」を決めるのは「自分」

価値を決めることができる能力が人間にはあるのならば、それを自分のためだけに使うこともできるわけです。

もしも、世の中みんなが素晴らしいと思う価値を見つけることができなかったり、上手に広めることができなかったとしても、自分だけの価値を発見することはできる

例えば、この一句。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

初めてこの言葉に触れたのは10代の頃でした。

当時は「何のこっちゃ??」と意味が分からず、クリスマスや誕生日の方が大事に思っていたわけです。

しかし2年前、角川ミュージアムで開催されていた俵万智さんの展示会で、改めてこの言葉が目に飛び込んできた時、目頭がジーンと熱くなるものがありました。

そうだよなぁ、何でもない日常に幸せの青い鳥はいるんだよなぁ…

10代の頃と40代の私は同じ人なのに、全く価値観が違うというわけです。

それは人生のさまざまな経験を経て「発見」できた価値

最近、哲学やそれに付随したリベラルアーツに注目が集まっていますが、やはり「発見」がカギを握っています。

自分なりの解を見つけだしていく。

子どもから社会人まで、あらゆる世代に探究型教育を実践している、ラーンネット・グローバルスクール代表で神戸情報大学院大学学長の炭谷俊樹さんは、このように仰っています。

よく “自分軸” とも言われますが、自分は個人として、会社組織として、あるいは経営者として何を大事にして生きていたり、仕事をしたり、経営をしたりしているのか。AI時代であるからこそ、このような人間らしさ、その人らしさの追求が大事になってくるのです。

つまり自分ならば、きっと「自分」を幸せにできる

冒頭の過去の自分と比較して成長を感じてニンマリする私を、「おっ、私もやってみよっかな〜」と思う人もいれば、「なんか気持ち悪い…」と思う人もいるでしょう(笑)

どちらも正解!…だと思いますよ。

自分を幸せにしてあげる発見をこの先どれだけしてあげるか。

個人的にはその積み重ねを大切にしたいと思う今日この頃です😊

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