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「メタバース」で “没入感” 観光

column vol.1146

昨日は「昭和の学校」体験観光コンテンツになっているというお話をさせていただきましたが

没入型” といえば、「メタバース」の存在を思い出します。

コロナ禍の巣篭もり生活で一躍脚光を浴びましたが、制限緩和とともメディアで取り上げられる機会が以前に比べると減少傾向に。

一方、メタバースは着実に足元に広がっているとも感じるのです。

〜ということで、本日は「メタバース×観光」というテーマでトピックスをお届けしたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊


「東京ファン」を拡張

まずは東京の話題から。

東京都東京観光財団は、「東京に友だちをつくろう」をコンセプトに、新たな取り組みに挑戦。

メタバースと、リアルな東京の街で、ゲームAR撮影などを通じて観光を楽しみながら友だちの輪を広げていく交流プラットフォーム「HELLO! TOKYO FRIENDS」を公開。

〈livedoor News / 2024年2月17日〉

こちらは、国内外に東京の観光都市としての魅力を広め、東京のファンをさらに増やしていくことを目的にしております。

そこで、世界有数の没入型プラットフォーム「Roblox」のメタバースワールドと、リアルな東京観光で楽しめるWebアプリ「TOKYO HUNT!」にて、新たなプロモーションを展開。

「Roblox」上で公開されたメタバースワールドの「現代エリア」では、今の東京を代表する

お台場・東京タワー・東京都庁・東京国立博物館・東京駅・両国国技館・日本橋・渋谷・秋葉原・豊洲市場・日本橋

といった印象的なスポットや、外国人にも人気の観光エリアをバーチャルで再現しています。

より参加性を高めるため、エリア内に隠された宝物を探すゲーム「トレジャーハント」を用意。

たくさんのミッションをクリアする度に自分のアバターの  “TOKYO LEVEL”  を上げられるので、いつの間にか熱中してしまうという仕掛け。

また、ワールドに集う他のユーザーと協力することでクリアできるミッションもあるので、ゲームで遊びながら友だちもつくれる仕組みに😊

「HELLO! TOKYO FRIENDS」には、ゲームをしながら「東京通になる」、そんな面白さが詰まっているのです。

また、Webアプリ「TOKYO HUNT!」では、「Roblox」で体験した東京実際の街中で楽しめ、「Roblox」ユーザーでない人も、AR撮影や観光情報アプリとして利用することが可能。

東京都内9ヵ所のチェックポイントがあり、そこを訪れると「エンブレム」を獲得でき、3ヵ所のエンブレムを獲得するごとに、「Roblox」のレアアイテムを1つプレゼントされます〜

興味を持っていただいた方は、ぜひ公式サイトを覗いてみてくださいませ。

〈HELLO! TOKYO FRIENDS / 公式サイト〉

人気ゲームとタクシー会社がコラボ

東京以外でも、新しい取り組みが見られます。

和歌山市のタクシー会社「ユタカ交通」では、人気格闘ゲーム「フォートナイト」に着目し、新たな取り組みを行っています。

和歌山城天守閣JR和歌山駅前ゲームの中で登場させたのです。

〈読売新聞 / 2024年4月24日〉

舞台となったのは、2月11日、大阪で開かれた「eスポーツ」の大会。

中学生から40歳代男女8組16人が参加したのですが、ゲームの中に登場した和歌山市の魅力に触れ、同市に訪れたことのなかった8人全員が、試合後のアンケートで「行ってみたい」と回答したそうです。

好きなゲームの中でタッチポイントが生まれたことで、知らない場所から「行きたい場所」に変わったということは、マーケティング上の大きなヒントになったことでしょう。

しかし、なぜ、タクシー会社さんがこのような企画を考えたのか?

それは、コロナによって市内の観光が減少したことが理由のようです。

コロナ前と比べると、市内を訪れる観光客3割減少

観光バス運行売り上げは例年の2割まで落ち込んだとのこと。

さらに感染を恐れた高齢ドライバーの離職が続出…

ドライバー不足が懸念される「2024年問題」も目前に迫っているという課題もありました……

そこで、22年から社内で研究を進め、他の企業も巻き込んで昨年12月に「メタバース和歌山実行委員会」を設立。

東京のゲーム開発会社と連携してフォートナイトに和歌山市の2ヵ所を登場させたのです。

さらに同委員会は、VR(仮想現実)の観光動画の制作も検討。

ゲームや動画で和歌山市の魅力を疑似体験した人にSNSで発信してもらったり、実際に来てもらったりすることで、市内の飲食業界や公共交通機関などへも好影響を波及させる構想とのこと。

26年までに30億円の経済効果を上げることを目標に掲げており、非常に今後の展開が楽しみです。

「メタバースクリエイター」という新たな雇用

地方観光×メタバースということでいえば、鳥取県倉吉市でも新たな動きが見られます。

倉吉市の風景を再現した「バーチャル倉吉」が今月23日からスタート。

〈NHK NEWS WEB / 2024年2月23日〉

地元の観光名所として知られる白壁土蔵群や、来年3月に市内にオープンする予定の鳥取県立美術館の建物などが再現。

〈バーチャル倉吉 / 公式サイト〉

利用開始に合わせて、市内の複合施設で開かれたイベントの中に体験コーナーが設けられ、訪れた人はメタバースを楽しめる専用のゴーグルをつけて、その仮想世界を楽しんだとのこと。

市としては今後、メタバースを活用した交流イベントなども企画したいと考えているそうです。

こちらも、体験された方からは

「バーチャル空間ではきれいな町並みだったので、現実の倉吉の街も歩いてみたいと思いました」

という声もあり、今後の展開が期待されています。

メタバースを絡めた新しい観光は少しずつですが、着実に広がっていくでしょう。

ちなみに、先程の和歌山のタクシー会社「ユタカ交通」では、将来的には自社でメタバースクリエイターを育成して雇用創出も目指すとのこと。

豊田英三社長

人を呼び込む起爆剤があれば、タクシーを使う人も自然と増える。大阪・関西万博を控え、先端技術の活用に注目が集まる好機を逃さず、街を盛り上げていきたい」

と、その抱負を語っております。

今のSNS時代では、社内インフルエンサーも珍しくはなくなってきました。

次なる展開として「メタバースクリエイター」普通のことになる未来が近いかもしれませんね〜

メタバースを活かした新しい観光のカタチ、ビジネスのカタチに今後も注目して参りたいと思います😊

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