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大人が身につけたい「本当の教養」
column vol.1079
ビジネスのヒントは「学校」にある。
そう思うのは、そこが次世代の人財を育むための教育の場であるからです。
最近も学校に関する話題の中から、次の自分の成長につながりそうな事例を見つけました。
それが、高校の部活動に関してのニュースです。
〈AERA.dot / 2023年8月5日〉
子どもの数が減少する中、ここ10年で部員数が増えている部活があります。
その1つが「登山部」です。
なぜ、登山部に所属する生徒が増えているのか?
その理由に時代性を感じるのです😊
総合的な能力が身に付く「登山部」
理由の前に、男子と女子それぞれの部員数の増加率ベスト3(10年前との比較)を見ていきたいと思います。
まず、男子について。
1位 バレーボール部(42%UP)
2位 バドミントン部(37.2%UP)
3位 登山部(9.8%UP)
バレーボールはマンガ『ハイキュー!!』や、テレビアニメ化された小説『2.43清陰高校男子バレー部』のヒットも影響しており、順当だと言えます。
バドミントンはオリンピックでの日本人選手の活躍を見れば、感化されるのも当然です。
そして、女子です。
増加率ベスト3は以下の通りです。
1位 登山部(54.8%UP)
2位 水泳部〈飛び込み〉(45.5%UP)
3位 フェンシング(30.9%UP)
な、な、何と…、1位は登山部、しかも増加率は驚異の54.8%…!
凄くないですか…?
…では、なぜにこんなに人気なのでしょうか?
日本山岳・スポーツクライミング協会はその理由について
生徒の自然志向やサバイバル能力への関心の高まり
を挙げていらっしゃいます。
さらに、このように話を続けます。
自然災害が増えたり、グランピングやキャンプの人気が高くなったりしたことで、登山の技術に興味を持つ生徒が増えているようです。山岳競技には体力だけでなく、地学や生物、気象、歴史など総合的な知識や応用力も問われる。指導やノウハウを引き継ぐ教員や先輩との関係性も重要になります。その点で、教育現場に合う面もあるでしょう。高校から競技を始めやすい点も、部員数が増えている要因の一つだと思います。
なるほど!体力やサバイバル能力だけではなく、登山を起点にさまざまな「教養」を身につけられることができる。
そういえば最近、学校で学んだ教科の中で改めて「学び直した方が良い教科」について話題に挙がることが多い気がします。
例えば、「地理」です。
「地理」は我々の生活全て
最近、私が購入した本『大人の教養 面白いほどわかる地理』についての記事が東洋経済オンラインに掲載されていたので共有させていただきます。
〈東洋経済オンライン / 2023年8月10日〉
地理とは、地表(Geo)の出来事を関連づけ、理論的に解明する「地」の「理(ことわり)」。
Geoには
【自然環境】
物理的空間、地形、気候、土壌、植生、水資源など
と
【人間活動】
農業・林業・水産業・鉱工業・商業・サービス業などの産業、交通・通信、
貿易とサービス貿易、人口、村落・都市、生活文化、言語、宗教、防災、地図と地理情報など
が存在します。
つまり、我々の生活全てが地理と関わっているというわけです。
例えば「食料問題(日本の食料自給率)」についてピックアップしてみます。
最近、「食料安全保障(フードセキュリティ)」というキーワードで多くの議論が見られますが、これは単なるカロリーの摂取ではない、
量的・質的・文化的に十分な食料を誰もが、いつ・いかなるときも享受できる状態
を目指しています。
世界の食料安全保障の確立の前に立ちはだかる課題は、人口増加による食料不足だけでなく
(1)流通の問題
(2)水資源問題
(3)土壌劣化問題
(4)富裕な国・企業・投資家による土地買収問題
(5)気候変動による農作物の減産問題
(6)独裁と盗奪政治
など多様ですが、これらは全て地理で取り扱う内容です。
食料安全保障というと「日本の食料自給率を上げよう!」という議論になりやすいですが、実は「セキュリティ・アップ」という観点で言えば、他にも手立てがあります。
例えば、輸入先の拡大、つまりリスクの分散です。
作者の瀬川聡さんは、国産食料に加え、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルからの輸入食料で供給カロリーの85%(小麦、大豆、肉類など)をまかなっていることを指摘しています。
しかし、シーレーンの崩壊により輸入が途絶する可能性もあるわけで、リスクを回避するためには、少数の友好国以外にも、困ったときに食料を提供してくれる国と関係を築くための「食料安全保障外交」を平時から展開しておく必要がある。
地理という学問は食糧問題についても、これだけ多角的に考えることでき、深く学べば現在世界が抱えている多くの課題(地球環境問題、食料問題、難民問題、人口問題、エネルギー問題、都市・居住問題、民族・領土問題など)にもしなやかに対処できるようになります。
つまり、地理を学ぶことで、国際社会を生き抜くための人間力(生き抜く力)を身につけることができるとも言えるでしょう。
これこそ真のグローバル人財ですね😊
「地図帳」を片手にテレビを観る
この地理の基礎力を高めるために、もう1つ良い事例だなと思ったのがPHPオンライン衆知の【大人の教養の身に付け方...「動植物の図鑑」を寝室で読むのがおすすめな理由】という記事です。
〈PHPオンライン衆知 / 2023年7月17日〉
『ちゃんと「読む」ための本』の著者、奥野宣之さんは自宅のテレビの前で「地図帳」を片手に歴史ドラマや国際ニュース、ドキュメンタリー映画などを観ることをオススメしています。
なぜなら、テレビで観るものは自分の好きなもの(興味のあるもの)なので、そこを入口に地理を学ぶことができるからです。
つまり、「地理を学ぶぞ!」と意気込まなくても、好きなものから入り、深めていくという無理のない形で進められます。
例えば、北アイルランドの「ブレグジット」の話題が目に飛び込んできた場合も、奥野さん曰く
『地歴高等地図』(帝国書院)なら、17世紀にクロムウェルに没収された地域やジェームズ1世によるイングランド人の入植地域、ボイン川の戦いの地点まで簡単に確認できます
ということなのです。
ちなみに
●『ワイドアトラス世界地図帳』(平凡社)
●『地歴高等地図』(帝国書院)
●『新コンパクト地図帳』(二宮書店)
この3冊で現代地理・歴史地図・総合年表・テーマ史などは、ほとんどカバーできるそうです。
気になる方はぜひトライしてみていただければと思います。
他にも、奥野さんはダイニングや寝室には動物や昆虫、天体など、自然科学の参考資料を置いておくことをオススメしています。
窓から星が見える日には星座の名前を調べ、ビルの屋上にカラスが群れていたら鳥の図鑑にカラスの生態についてどんな説明があるかチェックする。
大人になると仕事や育児など目の前の問題についての本しか読まなくなる傾向がありますが…、狭い視野になることで見えなくなる問題もあります…
子どもは目に飛び込んできたもの全てに「何で?」「どうして?」と興味を持ち、真理を知ろうとしますが、まさにそうしたマインドとプロセスが真の教養を磨くというわけですね。
かつて、レオナルド・ダ・ヴィンチは、川の流れの観察から生物の血管に通じる法則性を見い出し、その発見を人物スケッチに活かしたと言われています。
しかも彼にとって絵画は本業ではない。
このように、枠にとらわれない学習こそが理想であり、それを意図して導く学問が「リベラルアーツ」「哲学」のような今、注目されている学問テーマなのでしょうね😊
私もさまざまな分野に興味を抱き、大人の教養を磨いていきたいと思います!
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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