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素直さだけが自分を磨く

column vol.979

本日は来客があり、打ち合わせの後、少し雑談したのですが

その方の歩んできたサラリーマン人生が非常に勉強になるのです。

その方は誰もが知る有名企業の関連会社の社長にまでなった方。

もともとは同期の中の出世頭で、課長までは誰よりも早く昇進していたそうなのですが…、その後に暗転してしまいます…

上意下達の社風の同社において、要所要所でお偉いさんに物申してしまったことが原因とのこと…

その度に冷飯を食わされる状態に…

終いにはその方のために用意された窓際部署に配属されたそうです…(汗)

それでも、部長に昇進して関連会社の社長まで務められた理由をお聞きすると

しばし沈黙の後、その方はこう言い放ちました。

唯一心がけてきたことは「お天道様の方を向いて仕事をしよう」と思っていたぐらいですかね…?

この言葉を聞いて昨年11月に他界した先代社長の言葉が頭に浮かびました。

素直さだけが自分を磨く

この言葉は先代社長が作詞した社歌の一節です。

コロナ前は毎週月曜日の朝礼でオフィスで流れていた歌。

若い頃は一切気にも留めてなかった一節だったのですが、ここ数年常に思い出す先代の教えになっています。

原因結果、我にあり

この一節の他に、先代社長の言葉でもう1つよく思い出すのが

原因結果、我にあり

という言葉です。

何かプロジェクトで上手くいかないと、私はよく社長室に呼び出され、「何でこうなったんだ!?」と厳しく追及されました。

ここで仮に誰かのせい、環境・状況のせいにもしようものなら、「お前に反省点はないのか!!」とボコボコにされます…(汗)

そして、最後に「原因結果、我にあり。何が自分に足りなかったか考えろ」とピシャリと言われました…

…厳しいなぁ……

…と、いつもやるせない気持ちでいっぱいだったのですが、副社長になって3年目のある日、この言葉の深い意味を知ることになりました。

それは2021年コロナ2年目の時でした。

1年目は何とか黒字化できたものの、2年目は上期終了直前で大赤字の予測

しかも、コロナが収束する気配もなく…、かなり難しい状況でした…

私が副社長になってからは経営を任せてくれていたのですが、もう自分の中ではどうすることもできないと思い…、先代社長に自分の胸の内を話しました

すると、先代社長から言われたのは

ハッハッハ…、面白いじゃん、コロナ。こんなの100年に一度の経験なんだから、お前ラッキーだと思った方が良いよ。

………(えっ??)

あまりにも予想外の答えだったので、何も言えず唖然としていると

それで上手くいかなかったら、その上手くいかなかったことから学べば良い。上手くいかないことからの方が学ぶことが多いんだから。

そして、最後に念押しで「まずはお前が楽しめ」と告げられ、一方的に相談を終了させられました。

上手くいかないことの方が学ぶことがある

原因結果、我にあり

上手くいかないことの方が学ぶことが多い。

だからこそ自分に足りなかったことを見つめ、肥やしにする。

それには素直な心がなければ学べません

先述の来客の方もどんだけ不本意な異動があっても、その部署でできる限りのことを学び、会社に貢献されたそうです。

窓際部署を創設され、異動させられた時も、そこで一生懸命がんばり、それを見た人が再度引き上げてくれている

さらに営業だったのに、総務部に異動された時も一生懸命総務の仕事を覚えたことで、関連会社の社長に抜擢されたそうです。

社長になる上で、営業だけではなく総務の経験があったことが評価されたとのこと。

お天道様の方を向いて仕事をする

55歳で役職定年の同社において、60歳まで関連会社の社長など要職を務めることになったのは、素直さで自分を磨いたからこそでしょう。

ちなみに、私も先代社長の言葉を胸に2年前の下期に取り組んだところ、黒字に導くことができました…

…とは言うものの…、社員ががんばってくれたことが全てなのですが…

遊ぶように仕事を楽しむ

先代社長は晩年は特に「面白いことしよう」という言葉が口グセになり、打ち合わせの最後は「じゃあ、楽しんで」と締め括るようになりました。

時折、口にしていたのが

遊ぶように仕事を楽しみなさい

という言葉でした。

「そうすれば24時間だって仕事は楽しくなるはずだから」

…そういう意味なのですが…、今のご時世「ブラックワード」になりそうですね…(汗)

ただ、どうせ仕事をするなら熱中できた方が良い

少し話が逸れるのですが、最近、ある記事の中でユニクロ・柳井正さんの次の言葉が心に残りました。

私は商売には向いていない性格

…いやいや、…そんなことはないでしょう…?

と、思わずツッコまずにはいられませんが、柳井さんはこのように仰っています。

私はもともと商売には向いていない性格だと思っています。でも、商売にずっと携わってきて分かったことがある。それは向き不向きではなく、これだと思う仕事を一生継続することが何より大事だということです。

一生をかけてトコトンやる。

そうすれば「向き不向きもない」

…だそうですよ……(汗)

よく「好きなことを仕事にしよう」という言葉がありますが、…やはり、どんな好きなことでも仕事になると楽しいことばかりではなくなるはずです…

昔、元プロ野球選手のイチローさん他の選手に違いについて、ある選手が「野球が好きな気持ちをプロになってからも持ち続けている」と仰っていたのが印象的でした。

それは、大谷翔平選手にも当てはまることです。

「一生かけてトコトンやる」ためには「遊ぶように仕事を楽しむ」気持ちがないと、なかなか凡人にはできない。

私は特にストイックに生きれる人間ではないので、楽しめるポイントを見つけて仕事に向き合いたいと思っています。

「素直さ」が中高年の差をつくる

年を重ねる度に、立場が上になる度に、素直さを保ち続けることは難しいことなのかもしれません。

しかし最近、だからこそ謙虚に学ぶ姿勢を持つことがどれだけ大切かと感じています。

素直さが人生後半戦の差を生む

今日入ってきた新人からも学べることはいっぱいある。

これからも出会う人全てが先生だと思って、少しでも多くのことを吸収したいと感じています。

「素直さだけが自分を磨く」

この言葉を胸に良い時も、悪い時も、どんな人からも

一瞬一瞬の学びがより深くなるよう心がけたいと思います。

ちなみに、社歌の詞は先代社長がつくったのですが、作曲をしてくださったのは、大ヒット曲『いつまでも変わらぬ愛を』でお馴染みの織田哲郎さん

完成した曲の歌手も務めてくださっています。

なぜ織田さんが曲づくりにご協力いただけたのか…?

それはそれで1つのストーリーがありますので、いつか別の機会にお話しさせていただきます😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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