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「夢を描く」ための教育

column vol.1145

不登校児童・生徒の人数は近年急速に増加しているそうです…

〈産経新聞 / 2024年2月4日〉

文部科学省の調査によると、令和4年度(2022年度)の小中学校における不登校児童生徒数は前年度比22.1%増29万9048人

10年連続過去最多を更新しています。

そうした中、不登校生徒の受け入れ強化に乗り出した学校が人気を集めているとのこと。

例えば、愛媛県の私立松山学院高校が2年前に新設した全日制の「Newコース」は、登校に不安を持つ生徒に配慮した運営が特徴で、初年度約40人に対し、今春は169人が入学する予定となっています。

文科省としては、不登校の実態に配慮し特別な教育課程を編成できる「学びの多様化学校」(旧不登校特例校)を増やすべく、現在の24校(小中高)から300校まで増やすことを宣言。

学びの場確保に加え、社会的自立ができる教育の向上を図っています。


不登校の解決策が「オランダ」にある

一方、不登校問題に詳しい明治学院大学心理学部の小野昌彦教授

「学びの場確保も大事だが、個々の不登校の要因をアセスメント(見立て)して解消し、再登校を促すカリキュラムがなければ本質的な解決につながらない」

と課題を指摘されております。

不登校の要因を学力、体力、社会性、不安といった様々な側面から分析し、適切なアプローチで学校に通えるようにする必要があると強調されているのです。

この小野先生のお考えに触れ、1つの事例が頭に浮かびます。

それはオランダの教育システムです。

オランダといえば、ユニセフによる「子どもの幸福度」ランキングで、調査開始以来の首位をキープし続けている国。

そんな同国の教育システムの特徴が、生徒も、教師も自分に一番合った学校を選べるのです。

〈現代ビジネス / 2024年2月4日〉

そもそも、オランダは様々な人種や宗教の人たちが集まる多様性の国

学校もそれぞれの哲学と価値観を持っています。

その中から自分に適した学校を選ぶ

選ぶには「自分を知らない」と選べないわけで、まずは学校を選ぶことが自分に向き合う第一歩となるわけです。

「自分を知る」と多様性が生まれる

この「自分に向き合う」ということをオランダでは非常に大事にしています。

オランダ・ユトレヒト現地小学校で体育教師をしている安井隆さん

「オランダの学校では、『周囲が自分をどう思うのか』よりも『自分がどう思うか』を大切にするようにと教えられています。また、実際にあらゆる場面で、自分で意思決定をする機会小さな子どもの頃から頻繁に設けられています。
同時に、他人の考えを大切にすることも重視しているので、意見を求められた時には、ほぼみんなが手を挙げて、自分の意見を口にしようとする姿勢が備わっています」

と、その特徴を語っていらっしゃいます。

まず、自分のことをしっかりと理解する。

そうすることで他者のこともちゃんと理解することができ、それが相互理解につながっていくというわけです。

そして周り(他者)の基準とは別に自分の基準を見える化することで、「自分は自分のままで良い」ことに気づく。

結果的に

自分は自分のままで良いのだから、人もその人のままで良い

と、多様性を認め合う感覚が育まれていくのです。

子どもたちが持っているキャパシティ嗜好成長スピードそれぞれ違う

ある子にとっては簡単なことでも、別の子にとっては大きな挑戦であることもあるわけで、一律の基準なんて存在しないわけです。

その子なりの目標と成果を見出す

私が小学生の頃、同じサッカーチームに超盛り上げ上手の友達がいました。

ベンチメンバーだったのですが、試合に出場するメンバーたちへの応援が絶妙なのです。

緊張して試合序盤固かったメンバーが、普段通りのプレーをすると、すかさず

「良いよ〜!良いよ〜!ノってきたよ〜!」

と、大きな声で励ます

当時、私も子どもだったので「明るいヤツだな」ぐらいにしか思っていなかったのですが、

彼は練習がない日もめちゃくちゃ練習していたので、恐らく試合に出れなかったことは、悔しかったんだろうなと今は推察しています。

でも、コートに立てなくてもベンチから試合に参加することはできる。

そうやって自分なりの活躍の仕方、貢献の仕方を見出していた彼は、今考えると、誰よりも多くのことを学び、誰よりも成功したメンバーだったんじゃないかなと思うのです。

安井さんもオランダでの体育の授業に触れ

「大人は大人の評価軸で子どもたちを見てしまいがちです。体育の授業をしていると、そうした大人目線で『あんまりできてないな』と思う子もいますが、でも、その子は自分でチャレンジしてみて、その子なりに『すごい、できたよ!』といって興奮して、笑顔になれる国なんです。素晴らしいことじゃないですか?」

と仰っていたのですが、非常に共感いたします。

それぞれの子どもの特性だけではなく、目標や成果も認め合う

そうすることで誰もが「自分を好きでいられる」心は育まれ、不登校の問題解決につながるっていくのでしょう。

“ギャル” の “ギャルのため” の高校

日本に話を戻すと、不登校児にも夢を与える高校が今、注目を集めています。

それが、「渋谷女子インターナショナルスクール(通称・シブジョ)」です。

この学校校長は何と若干27歳

しかも、ギャルなのです〜

〈集英社オンライン / 2024年2月11日〉

〈集英社オンライン / 2024年2月11日〉

校長を務める赤荻瞳さんは、元ギャル雑誌『egg』の編集長

「世界で活躍できるギャル」を育てるため昨年の4月、「東急プラザ表参道原宿」に学校を開校したのです。

カリキュラムは、「起業家」「クリエイター」「グローバルインフルエンサー」の3つがあり、授業内容は「SNS」「英会話」「動画編集」などがメイン。

しかも、校則は今のところなし

基本的には「何事も自分たちで考えさせる」ということを意識しているそうです。

例えば、入学式も、登校した初日に

「なんのために入学式をやるのか?」
「どんな入学式にしたら、ご両親に感謝を伝えられるのか?」

ということを生徒たちと話し合ったとのこと。

生徒たちの中には、「将来SNSを仕事にしていきたい」とか「世界で活躍できるインフルエンサーになりたい」といった目標をもった生徒の他に、中学まで不登校だった子もいるそうです。

もともとはヤンキーだったんだろうなって子もいましたけど、イベントを成立させるっていうことに対してはみんな真剣で。多くの人と関わって自分の知らない世界が広がっていく感覚にワクワクしてましたね。

と、赤荻さんが語るように、主体的に考える授業を通して「ワクワクする日常」を手にしている。

彼女たちが「何者かになる」お手伝いをさせていただいています。

そんな赤荻さんのメッセージに、これからの日本の教育のあり方が詰まっていると感じます。

「夢を持つこと」が楽しい国へ

自分を知り、多様性を知り、夢を描く。

そんな日常を過ごせれば、いつか誰もが「何者か」になれると思うのです。

夢を描くということでいえば、お隣の韓国新しい試みに挑戦しています。

今、世界的なK-POPブームですが、音楽の域を越えてグローバルに活躍する彼らに憧れを抱き、韓国でのデビューを夢見る少年少女のための「K-POPビザ」が導入されるというのです…(驚)

〈TABI LABO / 2024年2月4日〉

これは、音楽映画を始めとする韓国文化を学びたい留学生を受け入れることを目的として、ビザ取得の条件を緩和するというもの。

従来、韓国で芸能活動を始める場合には、学生ビザ就労ビザを申請しなければならず、大学の入学証明アイドル事務所との契約が前提となっていました。

(現在、証明ができない場合は、90日以内の滞在しか認められていません)

今回新たに導入される「K-POPビザ」では、養成所ダンススクールに入学する場合でもビザの発行が可能に。

最長で2年間の滞在が許可されるようです。

詳細は今年の後半には発表されるようなので、楽しみですね。

日本もクールジャパンを軸に、自国の子どもだけではなく、世界から大志を抱いて子どもたちが集まるような国になると面白いかもしれません。

日本を「夢」の国へ

豊富なカルチャーを持つこの国だからこその未来が描けると良いですね😊


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