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表メッセージ

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もう裏だなんて思わない。堂々と、幸せのニュースをお伝えします。日曜日の礼拝ごとに、一週間の生きる力を、人生を変える力を、神の言葉がもっていると確信していますから、それを指し示す取…
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#十字架

十字架への道 (結) (ルカ23:26-49)

十字架への道 (結) (ルカ23:26-49)

◆自分のために泣け

一年中いつでも、イエスの十字架についてお話ししたいとの思いがあります。表にそれを出さなくても、いつでも十字架を胸にお話ししているのは本当です。今日は、この一か月の春の時期に受け止めているルカ伝23章の十字架の記事において、正にその十字架刑の場面を取り上げます。それを、四つの場面に分けて追うことにします。
 
26:人々はイエスを引いて行く途中、シモンというキレネ人が畑から帰っ

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十字架への道 (続) (ルカ23:1-25)

十字架への道 (続) (ルカ23:1-25)

◆判決への過程

ローマ帝国の領地であったユダヤ地方には、傀儡政権としての王政があったものの、ユダヤ人の自治には制限があったといいます。福音書で問題となるのは、死刑執行の権限がなかった、という点です。さて、歴史上どうなのか、私にはよく分かりません。ルカ自身による脚色や、誤解も混じっているかもしれず、歴然と事の次第を記すことは、相応しくない、と理解しています。
 
ユダヤの法律、つまり「律法」におい

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十字架への道 (序) (ルカ22:54-71)

十字架への道 (序) (ルカ22:54-71)

◆受難への道の始まり

受難と復活へ至る道を思いながら、神の声を聞いていきたいと願っています。今回は、ルカ伝を頼りに、その旅を続けたいと思います。どうしてルカなのかという、明確な理由はありません。去年は、ヨハネ伝から辿りました。別の風に吹かれながら、イエスを見つめていきましょう。別々の福音書から拾いながら辿ると、尤もらしいイエス像ができるかもしれませんが、ひとりの福音書記者のポリシーを無視すること

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自分を救え (ルカ23:33-43, マラキ2:17)

自分を救え (ルカ23:33-43, マラキ2:17)

◆救いの証し

ひとは、どうして聖書を読むのでしょう。何かを求めて、読むこともあります。そもそも読みたくもない、と敵意を抱く人もいるでしょう。読まない人々の中には、もしかすると、いくらか関心があるものの、下手に知ると引き込まれてしまうかもしれない、という恐れを覚える人がいるかもしれません。
 
私がそうでした。西洋哲学を志したとき、聖書を一度も読んだことがない、では済まされなかったはずなのです。だ

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そこにいたのか (ヨハネ19:1-37)

そこにいたのか (ヨハネ19:1-37)

◆十字架刑

十字架。口にするだけで、胸が一杯になることがあります。アクセサリーではないのです。ファッション・アイテムではないのです。死刑台なのです。世にも残酷な死刑台です。
 
残酷な死刑台というと、私たちはしばしばギロチンを思い出します。しかしギロチンは本来、フランス革命後、「受刑者の苦痛を和らげる人道目的」で開発された死刑台だったそうです。苦痛が持続しないというのです。それに対して十字架刑は

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癒やされたいと願うなら (出エジプト15:22-27,ペトロ一2:24)

癒やされたいと願うなら (出エジプト15:22-27,ペトロ一2:24)

◆癒される・癒やし
 
猫に癒やされています。私よりもなお、妻がです。医療従事者として、コロナ禍において緊張と不自由を強いられています。その間、父親を亡くす不幸にも見舞われました。郷里を往復すること自体が危険でもありました。医療の当事者のことを理解してくれない人々にも傷つけられました。それが、公園で生活する地域猫たちと出会い、癒やしを与えられました。保護猫や地域猫を世話するボランティアさんたちに感

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疲れたあなたへ (マルコ15:25-41,エレミヤ31:25)

疲れたあなたへ (マルコ15:25-41,エレミヤ31:25)

◆疲れ切った人へ
 
真摯に身を粉にして働いている。けれども評価されないどころか、飛んでくるのは誹謗中傷めいたものばかり。どうかすると、表向きは「ありがとう」というような言葉も向けられるが、それが心からのものでないことは、すぐに分かる。また、ただその場凌ぎの慇懃な挨拶であって、その次の瞬間から、見事に忘れ去られている。「祈っています」などと建前で言われはするが、その人が実際祈ってなどいないことは明

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くじ引きの衣 (詩編22:16-22.ヨハネ19:23-24) 【受難節】

くじ引きの衣 (詩編22:16-22.ヨハネ19:23-24) 【受難節】

◆平家物語

中学高校の古文で「平家物語」の一部を読みました。しかし敦盛の最期はけっこうショックでした。まだうら若い少年を掻き斬らねばならなくなった熊谷次郎直実の心理もさることながら、平敦盛の潔さ。そしてどうしてこんな酷いことになるのかという不条理感が、まさに無常観というものなのかという、そんな情緒も植え付けられたような気がします。
 
その場面が頭にあるものですから、2022年初めから放映された

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だれにも話してはいけない (マルコ8:27-9:13)

だれにも話してはいけない (マルコ8:27-9:13)

◆メシアの秘密
 
キリスト教は最初から、この福音を人々に告げ知らせよ、という方向性をもっていました。復活したイエスが「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい」(マタイ28:19)と言ったことでそれは権威づけられ、またこの福音書が書かれる前にも、パウロがユダヤ文化の外の領域に福音を伝えていたのも確かです。
 
世界へ出て行って、この教えを伝える。いわゆる「世界宣教」という理念に基づ

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