マガジンのカバー画像

教育のはしくれ

79
塾産業の中で教育などと偉そうには言いませんが、父親として息子たちと向き合ってきた一人としての体験と意見。時代的に早すぎた「イクメン」としての背景から、言葉を零してみます。
運営しているクリエイター

2021年11月の記事一覧

それはわたしのことだ

それはわたしのことだ

小学生の国語の授業で、ある文章を読み解くことがあった。小学校のクラスで、互いにプレゼント交換をすることになり、それぞれ手作りのものを提出し、皆に配った。先生は、それを心をこめてつくったものを受け取ることを学ぶ機会としたかったのだが、うち一人が、あまりに雑なものに下手な絵が施されているものを、「これはひどすぎます」と皆に見せた。すると、クラスの皆が大笑いをした。それを作った当人が発覚する場面が続くの

もっとみる
知らない言葉

知らない言葉

小中学生から若さを吸い取るようにして生きている者である。知らないことを教えるのが仕事なので、知識の面で知らないことを悪く言うつもりはない。だが、ただ知らないというだけではなく、関心がないようなふうであってよいのか、と疑問に思う方面のことは、少し挙げてみようかと思う。それは、かつての子どもたちは生活の中で知っていたと思われるからである。生活の、あるいは人生の、何が変わろうとしているのか。
 
まず、

もっとみる
共生に近づくために

共生に近づくために

すでに終了しているテストなので、触れても差し支えないと理解する。それは、先週の「全国統一小学生テスト」である。
 
四谷大塚が主催して、全国の多くの学習塾が参加している、小学生対象の全国規模のテスト会で、特に11月3日のものはよく知られている。受験料は無料であり、2007年から始まったこのテストのデータは、小学生の学習の力を判断するひとつのデータとして活用されている。
 
その五年生の社会科の問題

もっとみる