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教育のはしくれ

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塾産業の中で教育などと偉そうには言いませんが、父親として息子たちと向き合ってきた一人としての体験と意見。時代的に早すぎた「イクメン」としての背景から、言葉を零してみます。
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2021年8月の記事一覧

「じっぷん」の一言からの連想

「じっぷん」の一言からの連想

「残り、じっぷん」。テスト監督のときに宣言すると、子どもたちの間で「じっぷん……」という声がいくつか重なって聞こえてきた。夏期講習は、初めて塾に来るような子がいる。ふだんから来ている子は、私がいつもそう言うので慣れているが、そうでないとどうやら変に聞こえるようなのだ。
 
言うまでもなく、「10分」は「じっぷん」と読む。日本語で「じゅっ」という漢字の読み方はない。「十戒」も「じっかい」である。
 

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最後まで戦うべし

最後まで戦うべし

夏期講習も終了が近い。受験生は仕上げの模試があるが、それまでにも小テストの嵐である。時間の長短は様々あれど、監督をしていていつも思うことがある。
 
最後まで書き終わった生徒が、顔を上げて空を見ているのである。もちろん、それまでの緊張感が少しほぐれたというのを咎めるつもりはないし、ほっと一息したことを悪く言うつもりはない。だが、それは一瞬ではなく、「もう書いたもんね、お仕事終わり」とでもいうかのよ

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よそよそしい言葉

よそよそしい言葉

学習塾には、小学一年生のクラスもある。少人数だが、国語では、国語辞典を引くことを教えている。なんといっても、ゲーム感覚で、目指す言葉を探すということを繰り返していく。これで自然と辞典になじんでいくのだ。
 
小学生の国語辞典だが、夏休みとなると、カタカナもようやく読めるというような時期だ。五十音順に並んでいるということも、頭で一度理解していたにしても、実際に探すとなると、どちらが先にあるか混乱して

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