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ショートメッセージ

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聖書から日々黙想をしている中で、短いひとまとまりのメッセージを書き留めています。それをおすそわけします。ご面倒ですが、聖書箇所について聖書を開くか、検索してくださると、いっそう身… もっと読む
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#申命記

主を忘れないように

主を忘れないように

申命記8:11-20 
 
主を忘れることがないように。これが主眼です。「戒めと法と掟とを守りなさい」ばかりが目に入ってくるかもしれません。神に従え、という矢が降ってくるのを覚える心理もあるでしょう。でも、主を忘れてはいけない、ここが中心です。今の自分たちの生き方が、どうして支えられているのか、考えてみるように。申命記が誘うままに動きましょう。
 
確かに「炎の蛇とさそりのいる、水のない乾いた、広

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主は苦しめ、そして導く

主は苦しめ、そして導く

申命記8:1-10 
 
主は「あなたを苦しめ、試み」たそうです。それから、主は「あなたを苦しめ、飢えさせ」たといいます。なにげない一言を見逃さないようにしましょう。これがあるからこそ、「人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きる」という命題が告げられ、私たちの目の前に突き出されたのです。
 
イエスが荒野で悪魔により攻撃されたとき、この言葉を以て退かせたというと

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心がいつでも戻ることができる場所

心がいつでも戻ることができる場所

申命記6:4-9 
 
申命記での十戒の提示が、この前にありました。モーセは、その掟とイスラエルの民との関係を説きにかかります。「聞け、イスラエルよ」の呼びかけは、今なお続いています。古の民族が聞いた声を、今私たちが耳にするのです。人類は、それほど変わってはいないのです。この申命記がいつどのように書かれたにしても、同じように響いてきます。
 
神の言葉を受けた者のもたらす知恵は、価値を落とすことな

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イスラエルの民の神となる

イスラエルの民の神となる

申命記4:32-40 
 
イスラエルよ、聞け。モーセの口を通して、改めてイスラエルの本筋となるべきことが告げられます。大いなる種が目を留めた国民もまた、大いなる国民となるのです。しかしそのためには、イスラエルは、主にこそ信を置かねばなりません。偶像は排さなければなりません。その罠に陥る歴史を先取りして警戒するかのように、記述は進みます。
 
ここは、イスラエルの歴史をかつて主がつくってきたことに

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見せかけの祝福でも

見せかけの祝福でも

申命記28:1-14 
 
「この律法の言葉を守り行わない者は呪われる」とモーセがイスラエルのすべての民に告げ、「民は皆「アーメン」と言いなさい」と言っていました。「アーメン」と言った、というよりは、「言いなさい」でした。この直後、モーセが長々と語り始めたのが、この祝福です。もしあなたが主の声に聞き従い、戒めを守り行うならば、との条件つきですが。
 
しかしそうするならば、どんなに大きな祝福が与え

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心を包むものを割る

心を包むものを割る

申命記10:12-22 
 
イスラエルよ。名を呼び告げられるのは、いま「主があなたがたに求めておられること」でした。主を畏れ、愛し、仕えること。それで終わりではありません。戒めを守ることも、まだです。「あなたが幸せになること」なのでした。主はイスラエルを愛しました。今日のように、選ばれたのです。申命記はこの「幸せ」をモチーフに時折語ります。
 
モーセがそうだった、というよりも、宗教改革の時代の

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福祉規定

福祉規定

申命記10:12-22 
 
モーセが主より受けた契約の板は、いまや契約の箱に納められ、民は祝福されました。「行きなさい」と命じた主が共にいます。旅は、まだ始まったばかりです。「今」主があなたに求めていることは何か。この問いからこの聖書箇所は始まります。「今」とはいつでしょうか。21世紀でもあるでしょう。そう読まざるを得ません。
 
「私」というのは、ここではモーセのことですが、その「私」が「今日

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あなたがしてくださること

あなたがしてくださること

申命記4:32-40 
 
「主こそ神であり、ほかに神はいないことを知って、心に留めておきなさい」(39)、これに尽きます。凡ゆる説明も勧めも、何もかもがここに集約するからです。創世の期から探し訪ねてみるがいい、というように始まるこの箇所は、大きなスケールで世界を見るように仕向けます。大いなることが起こりました。最大の出来事でした。
 
火の中から語られる神が、ほかにあるだろうか。出エジプトをどれ

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屈しない信仰

屈しない信仰

申命記7:6-8 
 
カナンの地には、数が多くて力の強い七つの国民がいました。申命記の主は、彼らとの共存を図ることはありませんでした。必ず滅ぼし尽くさなくてはならない、としたのです。イスラエルは、彼らと比べれば弱小な民族にすぎません。だから、亡ぶのだ、という理屈ではありません。強い国々の神々に仕えるようになることが、最大の懸念なのでした。
 
そのため、他の神々の信仰の像や礼拝所を滅することが要

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永遠不滅の祝福

永遠不滅の祝福

申命記33:1-29 
 
モーセの祝福には違いないのですが、モーセの遺言と呼ぶに相応しい内容となっています。モーセが死に臨んで、イスラエルに向かって述べた、ということになっています。申命記という、少しばかり後の時代の文書とされるものが、イスラエルの各部族の行く末を見ての記述となっている、と受け止めるのが、妥当であると思われます。
 
一つひとつの民族のその後のことを踏まえ、例えばユダについては、

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幸せの律法

幸せの律法

申命記6:16-25 
 
主が私たちの間におられるのかどうか(出エジプト17:7)、と主を試したことから「マサ」と呼ばれた土地の歴史を思い起こさせます。これを戒めとせよ。主の目に適う正しいことを行うならば、あなたは幸せになる。主はそのように従って生きることで、主を畏れ、今日あるように、いつも幸せに生きるようにしてくださったのです。
 
申命記は、この「幸せ」を時折口にします。幸せとは何か。難しい

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遺言が神の国へ

遺言が神の国へ

申命記32:45-47 
 
律法のダイジェスト版のような申命記は、モーセが改めてメッセージをまとめたものだということになっています。それがいよいよ締め括られるときが来ました。これより後は、モーセの死へのスケジュールと、祝福の祈りの言葉があるばかりです。つまりは、モーセの死を記録する部分となっているわけです。
 
実質、律法全体のまとめとしての役割を果たす、ここの3節分だけをいま味わうことにします

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いまから従うならば

いまから従うならば

申命記4:1-4 
 
再びモーセの口を通して、イスラエルの歴史と律法が告げられます。うまくまとめたところもありますが、捕囚の情況を反映したものと思われる叙述も見られるように思います。かつてモアブの女たちと交わって、ペオルのバアルに生け贄を献げ、異国の神々を拝んだ事件がありました。そのとき、民の頭を処刑せよ、と主はモーセに命じます。
 
モーセは、ペオルのバアルに従った者を粛清します。このときミデ

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語り聞かせる律法

語り聞かせる律法

申命記31:9-13 
 
モーセが律法を書いています。申命記という舞台は、モーセが確かにこれを書いたことを表明しています。これを七年毎に、人々の前で読み上げなければならない、と言っています。仮庵祭に、イスラエルのすべての人々が主の前に出て来たとき、読み聞かせるべきだというのです。老若男女、子どもも含み、寄留者も共に、そこにいるといいます。
 
対象はイスラエルです。寄留者もその対象に入ります。今

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