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ルネスかごしま

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鹿児島市にあるNPO法人ルネスかごしまについて、代表のたにかつが書いている文章を集めたものです。
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#いま私にできること

ひだまりカフェって悩みがある人が行くところなんでしょ?

ひだまりカフェって悩みがある人が行くところなんでしょ?

「ひだまりカフェに参加してみようかな、とは思うんだけど、私の悩みなんてそこまでのことではないので、参加すると本気の人に悪いのではないかと思って、行くのをためらってしまいます」

 そうなのですね。あなたは、そう考えておられるのですね。

「ひだまりカフェ」は悩みがある方も、無い方も、自由に参加することができるところです。お茶を飲み、お話をする(あるいは聴く、あるいは、話はしない、聴かない)、そのよ

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マネタイズのタイミングをできるだけ後ろにする

マネタイズのタイミングをできるだけ後ろにする

NPO法人ルネスかごしまでは、あらゆる支援を無料で(相談者・被支援者からお金をいただかずに)やっている。

なぜかというと、簡単に言えば「困っている人からお金を取ることができない」からだ。どちらかというと、私のメンタリティとして、「一度誰かからお金をもらってしまうと、お金を払える人と払えない人、両方から同時に支援要請があった時に、ちゃんとした判断ができるか自信がない」ともいえる。あまり、前きな判断

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雨だから、無理して来ないでくださいね

雨だから、無理して来ないでくださいね

梅雨だ。

鹿児島には昔から「被害が出たら(誰かが水害で死んだら)、梅雨が終わる」という言葉がある。

長い梅雨で、地盤が緩み、7月の頭くらいには県内のどこかでがけ崩れや堤防の決壊、側溝にはまって流される人、田んぼを見に行って川の増水に巻き込まれる人が出る。

鹿児島では今から27年前、平成5年に「8・6水害」というものが起こり、49名の方が亡くなり、市街地や住宅地にも大きな被害が出た。

そのこ

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人は、何のために生きているのですか?

人は、何のために生きているのですか?

一般に、生物が生きている目的というのは、自らの遺伝子を残し、種を繁栄させることだと理解されていると思う。

私には今のところ自らの遺伝子が反映した子がいないし、この先もおそらく持つことは無いだろうと思うのですが(養子や連れ子など、自らの遺伝子が反映していない子を持つ可能性の方が高いと思う)、人間には社会があるから、遺伝子うんぬんを別にしても、生きる意味はあるだろう、というのもよく言われること。生殖

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NPO法人ルネスかごしま 代表ロングインタビュー

NPO法人ルネスかごしま 代表ロングインタビュー

たにかつさん【プロフィール】
1977年生まれ。鹿児島県出身。東京大学 総合文化研究科・教養学部中退。前身の福祉団体を引き継ぐ形で、2017年に「NPO法人(特定非営利活動法人)ルネスかごしま」を立ち上げ、代表理事を務める。「相談者一人ひとりと一緒に考え、じりつを目指す」を活動の軸とし、不登校や引きこもりに悩む親子のサポート、生活困窮世帯への支援。誰でもいつでも、用があってもなくても集うことができ

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まっちゃん、今年は甲子園無いんだってよ。

まっちゃん、今年は甲子園無いんだってよ。

私は高校野球を見に行くことが多いのだけれど、それは簡単に言うと、高校野球が大好きだった友達を自死で亡くしていることと無関係ではない。

 もう、15年くらい前になるのだろうか。私が京都でうだうだしていた時に、Aは友達になってくれて、彼も(多分)アスペルガーで友達も少なく、とても頭が良くて、協調性や社会性が無くて、高校野球と取手二高と相撲と稀勢の里と取手競輪が好きで、一緒にいくらでも野球や相撲の話を

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私が、話を聴いてあげてるのではなく、あなたが話をしてくれてありがとう(カウンセリング)

私が、話を聴いてあげてるのではなく、あなたが話をしてくれてありがとう(カウンセリング)

たとえ、あなたが仕事として従事している相談員であっても、相談者さんに対して思うことは「私に話をしてくれてありがとう」であって、話を聴いてあげているのではない、ということを理解していないと、カウンセラーとしてやっていくのは難しいのではないかと思っている。

相談者さんは誰にでも話をするわけではない「あなたになら話してもいい」という、その人なりの信頼を寄せていただいたうえで、お話をしてくださっているこ

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苦しんでいる人の、周りにいる人ができること

苦しんでいる人の、周りにいる人ができること

 私、そして私の団体(NPO法人ルネスかごしま)は、悩んでいたり苦しんでいたりする人の、その悩みや苦しみをお聞きして、支援を行っています。

 そうして時おり、苦しんでいる方、悩んでいる方のまわりにいらっしゃる方のお話を聞かせていただくこともあります。

 その多くは、苦しんでいる方に対して、どうしたらいいのか、あるいは、まわりがどう考えたらいいのか、それから、何ができるのか、わからない、というも

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Still I'm fine.(「たにかつさんはどうやってひきこもりから抜け出したのですか?」という質問に答えて)

Still I'm fine.(「たにかつさんはどうやってひきこもりから抜け出したのですか?」という質問に答えて)

ばりばりにひきこもっておりまして今でこそ、毎日のようにあちこちに出かけ、行楽情報をFacebookにアップしたり、学習会や講演会に出かけたりしている私であり、不登校やひきこもりなどの相談を受けるために県内あちこちに出かけている私ですが、公式には30~37歳くらいまではバリバリの引きこもりでした。「公式に」というのは、「非公式」だと、実質的には14~17、18~37歳までは引きこもっているようなもの

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まがりなりにも続けることも大事だと思っている話

まがりなりにも続けることも大事だと思っている話

5月19日にNoteに最初の投稿をしてから、毎日続けていると思っていたら、実は5月20日には書けていなくて、5月21日からあらためて毎日投稿になっていることに今気がつきました。

それはそうと、少なくとも、5月21日からは、毎日何かしらの投稿を続けているようです。やっつけの投稿だったらしない方がいいのではないか、という意見もあると思うのですが、なんとか毎日続けています。Noteを始めるときに、毎日

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久しぶりにフリーコーヒーと講座のある水曜日

久しぶりにフリーコーヒーと講座のある水曜日

水曜日は忙しい。
11:00~13:00は鹿児島市名山町のバカンスにて「たにかつフリーコーヒー」を開催している。知り合いやご近所さん、たまたま通りかかった人などにコーヒーを無料で振舞っている。
フリーコーヒーについてはこちらの記事を。

今日は、いつも来てくださっている方や、自粛期間中はオンラインで参加してくださっていた方、前から来たいと思っていてくださった方など、14名の方に来ていただくことがで

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無料のカウンセリング講座もやっているのです

無料のカウンセリング講座もやっているのです

NPO法人ルネスかごしまとして、毎週水曜日の14:00~16:00と18:30~20:30に「伴走型支援者養成講座」というのを行っています。今年はコロナでZOOMを使ったオンライン講座として開催した時期もあったのですが、6月(3日)からは、ふたたび、鹿児島市山下町の鹿児島市民福祉プラザ4Fボランティアセンターというところで開催します。

「伴走型支援者養成講座」という、聞きなれない、何をやっている

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参加無料のイベントを3年続けています。

参加無料のイベントを3年続けています。

NPO法人ルネスかごしまとして「ひだまりカフェ」という、参加費のいらないイベントを続けています。元々は、「いろんな困りごとのある方が、無料で気軽に相談できるように」ということで始めているわけですが、お茶やコーヒー、カードゲームなどを用意しているので、本当に遊びにいらしてくださったり、誰かと話をするために、誰かの話を聴くために来てくださる方もいたり、本当に自由に使っていただいています。

最初のころ

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薩摩川内市に行くと、死のうとした時のことを思い出すことがあります。

薩摩川内市に行くと、死のうとした時のことを思い出すことがあります。

 昨日、川内川を車でまたぐときに、私はこの川で死のうとしたことがあることを、唐突に思い出しました。

 9年ほど前、私は仕事の関係で川内に移住したものの、私自身のだらしなさや性格上の問題も相まって、仕事をクビになり、友達もおらず、金もなく、ごみ溜めのような部屋で起きているのか寝ているのかわからない生活をし、毎日、100円のアンパンひとつで過ごしていました。希望がかけらもありませんでした。

 ある

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