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2023年6月の記事一覧
「Tar」 トッド・フィールド監督作品at Stranger映画館
ずっと観たかったベルリンフィルの首席指揮者として活躍した女性指揮者の話「Tar」。
銀座、新宿でもやっているんだけど、今日は、最近、クラウドファンディングで菊川に設立されたミニ・シアターStrangerで観てきました。代表の岡村さんは、ゴダールの「映画史」を穴が空くほど読み、一番読んだ小説家がマルグリット・デュラス、一番聴き込んだレーベルがECMだそうで、全てが”映像的”で、これは間違いありません
ジョン・カサヴェテス レトロスペク ティブ リプリーズ
昨日から始まった「ジョン・カサヴェテス レトロスぺクティブ リプライズ」で
彼の実質的な遺作となった「ラブ・ストリーム」を観てきました。
アメリカ・インディ映画の父と呼ばれ、俳優としての収入を映画製作につぎ込んでいたというジョン・カサヴェテスを気になったのは、20年以上前で、すでに本人は亡くなっていたのですが、その時観た初期の作品「アメリカの影」が何かカッコいいなという良い印象を持っている程度でし
「シング・ストリート未来へのうた」ジョン・カーニー監督作品(アイルランド映画祭2023)
時代を共に過ごした海外の友達が出ているような愛着感で何度も観てしまうこの映画。
インスピレーションを感じあった仲間が集まり、音楽が生み出される“特別な瞬間”を描くことができる希有かアイルランド人映画監督ジョン・カーニーの「ONCE ダブリンの街角で」(近くミュージカル版が日本でも上演)、「はじまりのうた」に続く作品「シング・ストリート未来へのうた」。
舞台となったダブリンは、その後、産業転換や市場
ラストムービー/デニス・ホッパー
1969年「イージー★ライダー」大成功を受けてつくられたデニス・ホッパーの監督二作目。
あまりの難解さに映画会社の大物プロデューサ―が再編集を指示するもデニスは拒否、公開は、短期間で打ち切られ、その後、デニスは、ハリウッド干され、公開されたのは20年後という曰く付き映画。
映画内では、アメリカから来た酒とマリファナとLSDまみれの撮影隊が、ペル―で西部劇の撮影が行い(監督役はサミュエル・フラー)、
「ザ・コミットメンツ」アラン・パーカー監督1991年作品
アイルランド映画祭2023で久しぶりに「ザ・コミットメンツ」を観てきました。
上映後はピーターバラカンさんのトーク・ショーもありました。
30年近く前、ビデオで観た映画でしたが、ピーター・ガブリエルが音楽担当した「バーディー」の監督アラン・パーカーの作品というのがきっかけでした。
アイルランドの首都ダブリン北部に住む労働者階級の若者が当時流行のニュー・ウエーブやヘビー・メタルやはたまたアイリッ
「書かれた顔 4Kレストア版」
スイスの映画作家ダニエル・シュミットが歌舞伎の女形 坂東玉三郎を描いた映画が、4Kにレストアされ、映画の出資もしたユーロ・スペースで観てきました。
ダニエル・シュミットと言えば、1980年代蓮實重彦氏ら日本の映画人が“発見”したというスイスの監督。オペラなどの芸能に造形が深く、夢と現実、フィクションとドキュメンタリーの境をなくすような映画が特徴で特に「ラ・パロマ」での青年貴族(とっちゃん坊やのよ
「中国女」「IPM」「ニューヨークの中国女」 /ジャン・リュック・ゴダール
より政治的な映画を撮り始めていたゴダールがアメリカに招かれ撮り始めた「1AM(One American Movie)」は、結局未完に終わり、残されたフィルムを元に編集、完成されたのが、「1PM(One Parallel Movie)」。そして、「中国女」のアメリカでの公開を記念し、映画を学ぶ学生との懇談を記録した「ニューヨークの中国女」が上映されていたので、まず「中国女」改めて観てから、観てきまし
もっとみるシャンタル・アケルマン映画祭2023
昨年、特集上映で初めて知ったベルギー人女流映画監督アルケマン。
描かれた何気ない日常の中で描かれる登場人物の深層にある言葉にならない不安、焦燥感、怒り そして、それが突然 発露する瞬間。
ゴダールの「気狂いピエロ」に衝撃を受け、映画を志し、ニューヨークで、ウォーホール、ジョナス・メカスなど実験作品を沢山見た彼女。そしてユダヤ系ポーランド人で、母は、アウシュビッツでの生き残り という出所からか、映画
デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム
以前 限定公開された作品がやっと一般公開されたので観てきました。
ボウイ財団の膨大なアーカイブへのアクセスを許された監督が2年の歳月をかけてリサーチした後で制作された作品なので、大量の彼のモノローグやインタビューそして未公開映像を年代順編集され彼の“Changes”が描かれます。
大きく分けるとジギースターダスト,
LA時代、ベルリン時代、アメリカEMI時代そしてその後が描かれ、それぞれの時代の
「インディペンデントの栄光 ユーロスペースから世界へ」堀江謙三
昨年、ユーロスペースで開催されたレオス・カラックスの新作「アネット」の公開に合わせた催しで、大好きレオスの旧作を一気に再見したときに、堀江さんの貢献でレオスの作品が作られたことを知りました。ユーロスペースはまだ桜が丘にあった時代から、何度も通いここで出会って以来、今でも大好きの映画作家がたくさんいます。レオス・カラックスだけでなく、ピーター・グリーナウェィ、ライナー・ベルナー・ファスビンダー、ダニ
もっとみる【映画上映とリレートーク 明石政紀氏を送る会】
昨日はドイツ文化会館、ゲーテインスティテュートで開催された【映画上映とリレートーク 明石政紀氏を送る会】
明石さんはベルリン在住の文筆家、翻訳家で、ドイツ現代史(ナチスドイツ以降)における特にサブカルチャーの音楽と映画を日本に紹介されたパイオニアで、RWファスビンザー監督の【不安は魂を食いつくす】の上映に続いて、上智大学外国語学部ドイツ語学科時代に参加していたドイツ語劇の仲間、音楽、映画、出版など
【アメリカン・エピック】
アメリカの音楽史を描いた4部構成、計5時間以上におよぶ【アメリカン・エピック】を観てきました。アパラチア山脈に住み着いたケルト系(アイルランド、スコットランド)の人達をルーツとするカントリーとアフリカから奴隷として南部に連れてこられた人達によるブルースが融合してロックロールになったことは、よく語られる話ですが、この映画では、
黒人霊歌(スピリチュアル)からダークな方向へ派生したブルースだけでなく、