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シャンタル・アケルマン映画祭2023


昨年、特集上映で初めて知ったベルギー人女流映画監督アルケマン。
描かれた何気ない日常の中で描かれる登場人物の深層にある言葉にならない不安、焦燥感、怒り そして、それが突然 発露する瞬間。
ゴダールの「気狂いピエロ」に衝撃を受け、映画を志し、ニューヨークで、ウォーホール、ジョナス・メカスなど実験作品を沢山見た彼女。そしてユダヤ系ポーランド人で、母は、アウシュビッツでの生き残り という出所からか、映画話法と確かさと内に秘めた激しさを感じることができました。昨日観たのは「ジャンヌ・ディエルマン ブリュセル1080、コルメス河畔通り23番地」という彼女の代表的な作品で、200分に及ぶ長尺で、息子と過ごす45歳の未亡人のルティーンな日常を淡々と描きながら、何かが突然崩れるというもの。演技が脚本により詳細まで指定されていた普通でありながら、観るものを引き込む作品。主演の女優さんが、「去年マリエンバートで」にでていた実力者というのも驚きでした。他の作品も観てみたい。

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