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ジョン・カサヴェテス レトロスペク ティブ リプリーズ

昨日から始まった「ジョン・カサヴェテス レトロスぺクティブ リプライズ」で
彼の実質的な遺作となった「ラブ・ストリーム」を観てきました。
アメリカ・インディ映画の父と呼ばれ、俳優としての収入を映画製作につぎ込んでいたというジョン・カサヴェテスを気になったのは、20年以上前で、すでに本人は亡くなっていたのですが、その時観た初期の作品「アメリカの影」が何かカッコいいなという良い印象を持っている程度でしたが、数か月前、突然思い出して、レンタルで借りられる作品を年代順にすべて観てみました。
デビュー作「アメリカの影」は、ニューヨークはハーレムで、ほとんど素人の役者を使い、即興で撮られたそうですが、チャーリー・ミンガスのジャズが流れるモノトーンの色彩に
ハンディカメラなのか揺れるカメラが、極端なアップで演者の心証を表す表情を捉え、スピーディに展開しながら、それぞれのカットやセリフが印象的な特別の感触がこれは凄いと感じ、公開された年を見ると1959年。当時、亡くなったということで、過去の作品を見直していたゴダールよりカッコいい!と感じ、一気に他の作品も観てしまいました。
そして、もう一つの彼の映画の魅力は、俳優としても出演するジョン・カサヴェテス本人そして、妻でもありジーナ・ローランズの演技。彼の映画の出演者は、いろんな困難に直面するもそれを打開しようと”ストラグル“するわけでですが、それがもっと悪い方向に行ってしまいまたもがき苦しむところが描かれるのですが、そのどうしようもなさが、それが笑ってしまうくらい滑稽だったりと愛らしく感じられるところ。特にジーナ・ローランズの救いがないほどどんどん過剰になり、演技が凄い。昨日観た「ラブ・ストリーム」は勿論ですが、「こわれゆく女」や「オープニングナイト」のジーナ・ローランズの迫真の演技を大きなスクリーンで見たくなりました。
「人は哲学を無くして生きていけません。怒りや敵意、貧困、失意、困難などを生きていくものです。僕はこれまで取ってきた映画では、常に登場人物に彼ら/彼女らの哲学を追い求めさせています。だからこそ、僕の映画には、真剣に愛を分析し、語り合い、時にはお互いを傷つけあったりするキャラクターが必要なのです。いずれにせよ、僕が何よりも関心を持っているのは、愛であり、それを失うことです。他の事にはほとんど興味がありません。」
ジョン・カサヴェテス


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