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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム


 以前 限定公開された作品がやっと一般公開されたので観てきました。
ボウイ財団の膨大なアーカイブへのアクセスを許された監督が2年の歳月をかけてリサーチした後で制作された作品なので、大量の彼のモノローグやインタビューそして未公開映像を年代順編集され彼の“Changes”が描かれます。
大きく分けるとジギースターダスト,
LA時代、ベルリン時代、アメリカEMI時代そしてその後が描かれ、それぞれの時代のツアー(Ziggy Stardust ,Diamond Dogs,Stage,Serious Moonlightの各ツアー) の映像を中心にまとめられ、彼の音楽ではなく総合芸術の視点からそれぞれの時代に彼が何を表現していたのかが描かれます。
 特にライブアルバム「David Live」として残されたLA時代のdiamond Dogs ツアーの映像は、動画として見るのは初めてで、ヨーロピアンなファッション(日本ではジュン、エドワーズのようなブランド)に身を包み顔面蒼白のCracked(気がふれた)Actorを演じる様は、アメリカのショウビズでのコカイン禍という光と影に苦悩していた彼そのものでした。
 そして今まで脅迫的と言えるほど自らに変わる事を強いって来た彼が、アメリカEMIの誘いにより、「Let‘s Dance」制作し、ワールドツアーで全世界を周り(当時の来日では京都、大阪と2回行きました)“If you say run,I’ll run with you,If you say hide,I’ll hide with you “ と歌う彼の心情は感動的でした。
 もちろんエンドロールでは「Starman」と「Changes」という彼のキャリアを象徴する曲が流れると共に、彼が影響を受け、また引用したバロウス、ワイルド、ポー、「メトロポリス」「カリガリ博士」など様々な作家や映画作品の名前が画面に映されます。僕にとっては人生のサウンドトラックを残してくれましたが、彼は自分が何者かを伝えてくれずこのような鮮烈なイメージを我々の脳裏に刻み星に帰ってしまいました。



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