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たま子
2023年3月18日 10:43
バスを降りて、淀川沿いの河川敷をとぼとぼ10分ほど歩いて家に向かう、夕暮れどきの帰り道。できて一年くらいのバスケットボールのコートの横を通る。近頃は子どもたちに大人気で、いつ通っても玉入れ状態になっている。のどかだ。大きな歌声が聴こえてきたので声の主を探してまわりを見渡す。でも夢中でボールを投げる子どもたち以外には、土手に座り込むおじさんしかいない。じっと遠くを見つめるおじさん。川を見
2021年12月7日 01:03
京都の空気はもうすっかり冬の冷たさになった。各地はどうなのだろうか。そしてわたしのきもちはなかなか焦っている。事務所の引っ越しを年末にひかえ、大量の紙もの文具や本を丁寧に、しかし迅速に箱詰めする作業は骨が折れる。日ごろPCの前に座っているだけの人間なので、しゃがんで立つだけでめまいすらするし、身体のこんなところにまで筋肉があるのかと思うようなところが筋肉痛で、ひーひー言いながら、次の日には
2021年11月28日 15:33
『灯台守の話』を読んでからというもの後ろ髪引かれる思いで、すこしでも近しい空気感のものを読みたい…と、静かさと海辺の気配を感じる、堀江敏幸さんの『河岸忘日抄』を手にとる。いつだって憧れていたのは、日々なにかに怒ったり笑ったり泣いたり、人間味のつよい、生きているかんじのする人だ。抑揚のすくない、凡庸な自分がいやになることも学生の頃は多かった。でも、堀江さんの本を読むと、自分で自分を肯定せ