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幼馴染に「いつかこの手で殺してあげるからね」って言われた件
『いつか、この手で殺してあげるからね』
小さい頃、いつだったか。
クーレに言われたことがある。
あれから何年も経過したがまだクーレに殺される気配はない。
きっかけはなんだったか、俺が彼女の尻尾を踏んだのだろう。
もちろん精神的な意味であってヒューマンの彼女には尻尾は生えていない。
いや、裸のお尻を見たことがないので断言できないが。
殺されそうになるほど怒らせた記憶がないのも、よくわ
金曜日のカフェオレ ~エアイズ王国外伝~
「かんぱい!」
「「「「かんぱい!」」」」
「あれ、マリアちゃん、飲んでるぅ?」
「いえ、私はカフェオレを」
「へぇ、贅沢だねぇ」
「ええまあ」
私はマリア・ファイアランス16歳。冒険者だ。
ここエアイズ王国は冒険者の国。世界最大級の迷宮エアイズ迷宮がある。
エールは最近ではめっきり飲まなくなった。
普段はジンジャーエールだが、今日はカフェオレを飲んでいる。
金曜日のカフェオレだ。
エアイズ王国SS2「お姫様の病気」
マリアたちは冒険者ギルドに寄ったとき、緊急クエストを受注した。
中級冒険者以上の者全員が対象だという。
「あの、レッドキャッツは上級冒険者なので、42階、魔の森でイエローフラワーを探してほしいのです」
「というと、誰かホワイト病に?」
「はい、実はリリー姫が」
「リリー姫様がか、お可哀想に」
先月お会いした時には元気そうに猫や犬を抱っこしてみんなに笑顔を振りまいていた。
日頃の冒険で疲
エアイズ王国SS4「初心者講習会」
「みなさん、見ててくださいね」
「はーい」
私マリアの掛け声に、みんなが反応する。
一番下の子は10歳ぐらい。
逆に一番上は34歳だという。
総勢15名ほどの初心者さんたちだ。
今日は初心者講習会なのだ。
「スライムは散弾を飛ばしてきますから、注意してください」
「「「はーい」」」
散弾は、液体、粘液とでもいうもので、酸性らしい。
これを服や皮防具につけられると、溶けたり変色し
エアイズ王国SS3「姉姫様の冒険者」
私マリアと二人は今日も迷宮攻略をするべく、地下へもぐっていた。
今日の探索では一緒に行動しているパーティーがあった。
「アリス姫様、ここが地下60階、最深部です」
60階は砂漠フィールドだ。
見渡す限りの砂が広がっている。
岩場もあり、小山になっているところもある。
「暑いですね、これが砂漠」
「はい。みんな砂ですね」
アリス姫様は第一王女だ。
第二王女がリリー姫様だった。
エアイズ王国SS1「ミスリル砂金」
「マリア・そっち行きました」
「うん、ササッとやっちゃうね、トヤァ」
「私もやるにゃあ」
ビッグ・ゴブリンの群れと戦闘している。
私たちはエアイズ迷宮の46階の森エリアで戦っているところだった。
世界最大規模のダンジョン「エアイズ迷宮」はエアイズ王国の王都リッテンマイアの地下にある。
攻略の最先端は今60階に達していた。
全部で100層だという意見も500層だという意見もあるが、わか
短編小説:自動販売機の日常
僕はとある住宅地の自販機さ。
ああ、おじさん。ん?
古い五百円玉は使えないんだ。
それ、ひょっとして改造五百ウォン硬貨じゃないかい。やっぱりそうだ。まだあったんだね。それは違法なんだ。うん。
でも大丈夫。今は旧五百円玉が使えない代わりに、違法硬貨も受け付けなくなったから。
新五百円硬貨を使って買ってくれな。
ではまたこんど。
■
今日は暑いな。
女子高生だ。ヒャッハー。
短編小説︰トイレから異世界へ
我が家のトイレは十年以上前に洋式に改造された。
そのトイレに用をしてレバーを引くと、排泄物が渦になった水と一緒に飲みこまれていく。
まるで異世界に吸い込まれていくようだ。
そう、あの先は異世界で、彼らはこの世界からあちらの世界へ旅立っていったのだ。
現実には下水管を通り、道路の下の下水道につながっている。
現実といいつつ、そこはさながらダンジョンの様に入り組んでつながっていて、そ