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短編小説:猫耳異世界

俺はなぜか毎週現実に近い違う異世界へ転移いや転生させられている。

いわゆる並行世界というやつだろう。

今週はどうやら「猫耳人間」らしい。
別にファンタジー世界ではない。現実世界に猫耳人間がいるのだ。

朝起きたら俺の頭にも「猫耳」が生えていた。
母親も父親の頭にも猫耳が生えている。
おじさん、おばさんでもそれなりに可愛い、気がしてくる。
しかし、場違い感はかなり強い。

正直「なんだこれ」って思った。

高校へ登校すると、なんとまあ。
クラスメイトが全員猫耳だった。

黒猫ちゃん。
三毛ちゃん。
トラちゃん。
サバトラちゃん。

耳の色は色々あった。

なるほど。美少女たちの猫耳は、なにこれすごい、破壊力抜群だ。

俺はネットでグラビア写真などを探しまくった。
なるほど、なるほど。

みんな猫耳でただでさえキュートなのが2割増しになっている。

素晴らしい、猫耳の世界。

二次元絵を見てみた。標準が猫耳になっていた。どの絵も、猫耳だ。
もちろん二次元なので、ケモ耳っ娘、犬耳娘などもいる。
逆に人間ちゃんの絵は、皆無に等しかった。

こうなると、逆に人間頭が少し恋しくなってくるから不思議だ。

問題はヘッドホン、イヤホンで、猫耳用の特殊な形をしている製品になっていた。
ヘルメットは、中に耳を折って入れるように隙間が工夫されている。
帽子は耳を中に入れてしまうものが多い。

帽子をかぶってしまえば、普通の人間みたいにも見える。
なるほどなぁ。

テレビを見ると、ニュースを真面目な顔で読んでいる猫耳のお姉さん。
真面目だけど可愛い。

こうして俺は一週間、猫耳をこれでもかというぐらい堪能した。
さて次の週の異世界はどんな、違いが待っているだろうか。

#小説 #短編小説 #短編 #異世界

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