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静寂の使徒

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日々の生活を綴る。物静かな小話。 オールジャンル、たまに提起したり、ブチ込んだりしますが、僕の話。世間より静かな、ここの話。
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記事一覧

静寂の夜と、地の光

静寂の夜と、地の光

急に生活が変わったとして、すぐに眠れるというわけではなかった。
自分の一日は夜から始まり、様々な事を一つひとつ熟考して、ノートを閉じる。その時間が始まるのは、どうやっても夜でなければならなかった。

去来する思いの本質は、やはり夜にしか現れてはくれず、書き漏らすまいとことばを端から拾わなくなってからも、絶えず自分の周りに渦巻いていた。

拾う必要は無くとも、そこにあるのはどうにも気分の良いものでは

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"話せはしない"と"聞きたくない"と

"話せはしない"と"聞きたくない"と

あの日の事はまだ覚えている。
だけど毎年毎年、少しずつ意味合いが違うようになっていって、自分の過去の話の癖に、コントロール不能になっているのが、なんとももどかしい話だ。

その日の昼。
私は友人に会う予定があって、行く道すがら、コーヒーを飲みながら昼食をとっていた。何でもない日だったし、私にとっても何でもない日だった。
感覚は無かった。いつもならわかってしまうその感覚がなく、窓の外で右往左往する人

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あなたの"いつもの"にはなりたくなくて

あなたの"いつもの"にはなりたくなくて

オーセンティックバーでもショットバーでも、バーテンダーと距離が近い場、という場所は2回行けばおおよその空気は知れる。
カウンターに座り、誰がおしぼりを渡してくるのか、誰が最初の会話の相手になるのか、それさえ掌握できればなんてことはない。あとはカウンターの隣に誰が座っているか。私みたいに、平日の8時過ぎから飲みだすような客には、大体、左右どちらかの席が空いている椅子に座らす。

2回で決まらないのは

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The Wheel of life-200notes-

The Wheel of life-200notes-

2017年から書き始め、気が付いた時にはもう記事数は199記事を超えていた。
残念ながら始めた当初のnoteと2019年、そして今のnoteはどこか趣が違うようになっていて、ひとえに、自分が記事を書くことによって自分を書き換えていったからに他ならないが、きっと、その過去もここまでの道のりとしては、残していくことに悪くはないのだろう。

栄えある200記事目は今の自分に行きつくための重要な記事、マイ

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One notes feat.薄情屋

枕元のケーブル、繋がったiPhone,見出す世界、そこは晴れてて、流れてく言葉今日もふざけて、ダイニングテーブル出て考えて、ちょっと迷って一本タバコ、火をつけて考えて。

朝のご飯、子供の用事、散歩道、愛みたいなものの残滓、窓開けそこには藍色のそら、見上げる俺の、メガネずれてる。
こんな神様いるもんか、そんなことばっか言った通勤電車、無駄にフリック続けているのは、note綴るか、リリック綴るか、文

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僕らはみな殉教出来なかったのか

僕らはみな殉教出来なかったのか

「君は"誰かの為に行動する"という事を始めから分かっていた学生だった。だからこそ、今僕は、君自身が幸せになっていない事が、悔しく感じる」

深夜のタクシーの車内で、かつての僕の指導教員は、そう溢した。
それに対して僕は
「今でもまぁまぁ、幸せなんで、大丈夫です」
そんな、見え透いた嘘をついた。
先生、それはねえよ。
"社会に貢献する事が、人として生きる事の最高の幸せである"なんて、言ってたじゃない

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黒衣無縫#素敵な日本語で言葉遊び「その色で世界を唄う」

黒衣無縫#素敵な日本語で言葉遊び「その色で世界を唄う」

黒檀の太刀に集めし千夜の星
掲げる我は天衣纏いて

【解説】

『夜を切り払う』meets#素敵な日本語で言葉遊び
黒檀の木刀(最高級素材)を携え、数千とも言える暗夜を過ごしてきた天狗のような男。
過ごしてきた暗夜の中には、煌めく天の星々も、地上で煌々と輝く営みの明かり、繁華街のネオンもすべて詰め込まれている。

そのうち、木刀と同じ色をしていた黒檀の大きな羽根は、暗夜の光を集め、夜空のように朧げ

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ちょい悪親父の食卓指南

30過ぎた今更になって実感している。
料理の趣味ってのはなぜか実家の家庭の味に依存する。どんな料理を作りたがるか、ノープランで考え始めた時、自分の深層から出てくるものというのは大体家庭の味だ。

でもって私の思う家庭の味とは一体なんだ?

紛れもなくそれは父の料理であった。さてさて本日はそこら辺を語っていこうと思う。家族自慢は出来るだけしといたほうがいい。

おすすめに上がった外国籍かもしれない父

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少年Aだったかもしれない私達からの決別行

少年Aだったかもしれない私達からの決別行

正直な話、どうでも良かったので適当に決めた。
その気持ちが現れていたのか、いつまで経っても引越しのダンボールは片付かないし、夜は適当にパスタを茹でて掛けるだけだとか、適当に切り身を焼いて食べたりだとか、生活を作れる気が全くしなかった。

少しだけ、時間が欲しかった。
誰にも後ろ指を指されることもなく、横たわって天井の木目を見ているだけの甘えた時間が必要だった。

大学から徒歩15分、近道を通れば本

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書く事で、書かなかった未来を追い詰める

書く事で、書かなかった未来を追い詰める

ひっさしぶりのエッセイを書く。
とはいえ今日は趣が違う。
ここからはステートメントだ。note街に対しての、そして、これからの読者、今までの読者に対してだ。

1.エッセイストとしての自分これまでの全記事の中でやっぱり自分のnoteはどう見たってエッセイが多い。悪くない、全然悪くない。
ただ何のために書いているか、と言われれば疑問がいつも残る。
『唯我論』がきっと正解なのだけど、これに全幅の信頼を

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オーバースペックを日常に

オーバースペックを日常に

機能美、役立つ機能のフル装備。業務用。
快男児である我々には心躍るキャッチコピーである。良いじゃん、そういうの、素敵やん。

で実際買ってみる。無論値段は張る。でも実際そんなもんいらんかったみたいな局面、生活の上でアホみたいにある。
例えば極地専用ダウンジャケットとか、マルチプライヤーとか、超高機能電波時計とか、ゲーミングPCとか、ケルヒャーとか。
性懲りも無く我々快男児は失敗を繰り返す。
アホな

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暗夜という、力の壁#勝手にアンサーnote

暗夜という、力の壁#勝手にアンサーnote

この記事を読んで、振り返った。そんな事意味ないのに、多分全部違うのに。

よくよく思い返してみれば"夕暮"なんて眼中になかったのだと思う。同じように"地元"も眼中になかった。
今や"神戸"とか"長崎"とかと一緒だ。
想像出来ない観光地。その位置まで落ちてくれた事がたまらなく嬉しい。

ただの暗夜。それが全てじゃない。夕暮に関して、昔話をする。
なんで記憶に無いんだろう。結論から言うと今、少し寂しい

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キャリアの"上がり"について考える。

キャリアの"上がり"について考える。

人生ゲーム、だとちょっと違う。双六、大富豪、ババ抜き、UNOとかだと分かりやすいかな。
要はみんなで同じゲームをやって、その中で一抜けする感覚、上がり。
ま、他の業界の話だとか全然知らないのであれですが、意外と仕事においてのキャリア感ってこの"上がり"を求めているんだよなぁ、と改めて実感しました。
結構これ定義立て難しいと思う。
出世=上がり、なのか、独立=上がり、はたまた転職=上がり、なのか結構

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止められる。ということ#幸せをテーマに書いてみよう

止められる。ということ#幸せをテーマに書いてみよう

幸福とは何か?
今回のテーマで書くにあたって、実は2本記事を無駄にした。企画発足時に手を挙げた段階で考えていたものも含めると、3本。

そしてこれが最後の一本。もうそろそろこれで終わりにしようと思う。今回はそれだけ、自分にとって向き合うことが難しいテーマだったのは、言うまでもない。企画者のあきらとさんが悩み、迷う気持ちもよく分かった。

私がここまで幸せについての記事を形にできなかった理由は、一つ

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