薄情屋遊冶郎

薄情屋遊冶郎

マガジン

  • ReturnsCompetitorLifes

    クライミングに復帰した元ボルダラー、ボルダリングコンペティターから見たクライミングについてのエッセイ

  • オススメしない映画館

    超個人的に、諸事情によりあんまり人にオススメできない映画だったり音楽だったりコンテンツだったりを放り込みます。#オススメしない映画館をつけてくれればピックしてくだらねぇ公園の東屋で、薄情屋さんが一人で読みます。

  • (小説集) 剣鬼悪辣

    よく分からん奇行短編小説と、連載長編小説です。 暴挙とも思われる事を書いてしまうが、それすら誰かの救いになるのなら、我悪辣の名の下に、太刀を振るう事鬼の如し、そういう事です。

  • 詩人荒廃

  • 男児鋼鉄の唐竹を割る。

    エッセイ集。質実剛健をモットーに、すっげぇ時代遅れの男児が吠え猛る、そんなマガジンです。ご興味があればどうぞ。

最近の記事

  • 固定された記事

六華絶唱

昔から、私には謎の第六感がある。そんなこと言うと凄い特別感を出しているようで気恥ずかしいが、多分事実。 例えば人生の岐路に立たされた時。今までで経験したその選択肢は、受験、とか就職、とかそんなもんしかないから全然、経験値の少ない人間なのだけど、そういう時、いつだって心に不安がなかった。誰もが今後の人生を決めることに迷い、不安になり、誰かに相談し、苦悩し、眠れない夜を過ごす。そこから、いつだって無意識に立ち去ることが出来た。 実はここにもちょっと引け目があるのは、また今度。

    • 静寂の夜と、地の光

      急に生活が変わったとして、すぐに眠れるというわけではなかった。 自分の一日は夜から始まり、様々な事を一つひとつ熟考して、ノートを閉じる。その時間が始まるのは、どうやっても夜でなければならなかった。 去来する思いの本質は、やはり夜にしか現れてはくれず、書き漏らすまいとことばを端から拾わなくなってからも、絶えず自分の周りに渦巻いていた。 拾う必要は無くとも、そこにあるのはどうにも気分の良いものではなく、無闇に漂ってしまうのを眺めるのも、どうも違う。 だからといってそれを浅く、

      • 独歌絶唱

        noteを始めた時、一人だった。 始めはただの役立つ情報源と、大きな洞穴だと思っていた。比重は大きくなかった。 今ほど分量が多くはなかったが、文章を綴った。 言うまでもなく稚拙だった。言ってみただけで、誰一人として返答はなかった。 はっきり言う。noteなどいつ退会してもよかった。 何を言っても響かず届かず、何も面白くなかったので、軸足を現実に移した。ワクワクすることが沢山あって、それに夢中になった。 それを書こうとは思わなかった。 夢中になれる事をやめ、改めて自分を整理

        • 星なき夜の散文抄

          今はただ、俺の目に映る君の表情が、濁らなければそれでいい 立ち尽くす夜は、どこまでも広く、ただ長い 無音の闇に吹く紫煙は、立ち上りて行く先を知らない 打ち尽くす度、猛る心を蠢く老木の枯れ枝が嘲笑い 声にもならない叫びは遠く掻き消される そういう夜を、ただ惑う 骨脈、蠢動、嗤う末節 眼前には枯木 影は無様 警告の音叉 白骨は重く 肉は爆ぜ 関節は軋み 風は遮る 沈黙は止まず 草木は唄わず 星なき夜に光なし ただ横たえる我が身に拠れば 無遠慮に照らす十条の灯りが 溶ける事

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          4本
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          4本
        • (小説集) 剣鬼悪辣
          35本
        • 詩人荒廃
          6本
        • 男児鋼鉄の唐竹を割る。
          26本
        • 静寂の使徒
          99本

        記事

          "話せはしない"と"聞きたくない"と

          あの日の事はまだ覚えている。 だけど毎年毎年、少しずつ意味合いが違うようになっていって、自分の過去の話の癖に、コントロール不能になっているのが、なんとももどかしい話だ。 その日の昼。 私は友人に会う予定があって、行く道すがら、コーヒーを飲みながら昼食をとっていた。何でもない日だったし、私にとっても何でもない日だった。 感覚は無かった。いつもならわかってしまうその感覚がなく、窓の外で右往左往する人々を見て、初めて事の重大さに気づいた。 Twitterのアカウントには速報が流れ

          "話せはしない"と"聞きたくない"と

          第2ラウンド 僕の彼女を紹介します #呑みながら書きました

          さて第2ラウンドである。 昨日彼女と呑みながら書きましたをやろうかと思い立ち、スマホでアプリを立ち上げ書こうと思った。(ちなみに彼女はnote書いていることはご存知) さて書きましょうかと思ったところで筆が止まった。 いい山手待て待て、すぐ横でnote書いてもいいよと言っている可愛い可愛い彼女を差し置いて、なんにも喋らずこんなことしててええもんか!!バカ!!と思い直した結果が今日である。 無論言うたよ。 「今は君といる時間を大事にしたい」だから書かんかった。そんなのあった

          第2ラウンド 僕の彼女を紹介します #呑みながら書きました

          Road to 呑み書き #呑みながら書きました

          苦悩の夜が幕を開けた。 何って?So!明日は彼女と飲むつもりなのに本祭り開始なのである!好きだ!明日は早く起きんといかんだからいつものストロングゼロは飲めない。 ということは酔えない。酔ってない俺なんて俺じゃないくそったれこの心を燃やしてくれるものはアルコール以外にないのか!好きだ!愛してます! 後夜祭ももちろん出るけど、その時はきっと惚気で逆の意味でぼろぼろだ!その前に新生薄情屋遊冶郎、新たなる大人への一歩を踏み出すのだよ! で、一考した。大丈夫だ俺は大人だ。アルコールな

          Road to 呑み書き #呑みながら書きました

          ストリートで言葉を打ち出す #わたしの執筆スタンス

          だいすーけさんの企画に参加させていだだきます。 というのも、だいすーけさんの記事で昔書かれていた僕の印象は"感情爆裂型"なのである。 この記事を書くのにあたって、投稿者さん達の記事を一通り読んだ。無論、だいすーけさんの記事も読んだ。 真逆、あまりにも真逆過ぎる。 なので、むしろ物事には選択肢が多い方が良い、やり方には多数の方法があって良い。その観点から書く事にしました。 1.誰に向けて書くのかコレ、適切ではない。 僕のnoteを街として捉えた時の書き方は、路上だ。 渋谷

          ストリートで言葉を打ち出す #わたしの執筆スタンス

          My name is Thunder

          何年ぶりになるだろうか。 普段の重い服を七分丈のTシャツに着替え、テーピングテープを手首にぐるりと巻き、皮膚が浮くぐらいに締め上げる。 この日の為に拭きあげたシューズとチョークバッグをカラビナに通し、階下へ向かう。 子供達の笑い声が沢山聞こえる。彼等はまだ奔放だし、疲れを知らない。 ストレッチゾーンに降り、入念に身体を伸ばす。脚を伸ばし、腕を回し、肩甲骨を回す。 壁も、集まる人々の質も、あの時と全く変わってはいない。変わったのは自分。それを思い出させるように、長い間相棒と

          My name is Thunder

          形を成さない気持ちに刺さったnote

          イライラしない、そして焦って慌てているわけではない忙しさという時期にしばらく居る。 それでも確かに前に進む度、事を何か進める度、時計の針を進める度、何かを掴んでいるそんな感覚があるから、慌ただしいとはいえ、前向きだ。 沢山タイムラインに流れてくる記事を読めないし、明らかに遅筆になった。 シェアするために、物語を味わう事すら今はしてない。 そんな日常の只中でnoteを開くと、どういうわけか自分の心持ちを代弁して貰っているような、そんな記事が上がっていて、まさに欲しいタイミング

          形を成さない気持ちに刺さったnote

          "幸福"をためらうクソメンタリティをぶっ飛ばす

          これは大人になってからの話で、20代後半になるまではその気持ちにならなかった。 どうやら大人になるということは、努めて幸せであらなければならないということだ。それまではそうでなくとも誰にも何も言われなかった。 社会人になって、自分の下に人が付くようになってから、自分の見られ方、生き方、あり方について考えるようになったのはここ最近の話で、悪い事ではない。 大人が夢を持ったり、幸せを語れない国はクソだ。 下を向いた大人ばかりが蔓延る国で、ガキどもは一体何の希望を持つのか? そ

          "幸福"をためらうクソメンタリティをぶっ飛ばす

          いつ、どこで、どうやって散るのか

          スクランブルスクエアの、キラキラと光が降ってゆくあの建物が出来たあたりからか。 この街の夜が、少しだけ遠く思えるようになった。 僕は対岸に立って、その光を眺めているが、どうしても遠い。 バスケットボールストリートになった頃だろうか、道路の真ん中を歩かなくなったのは。 もちろん今も昔も僕はこの街で這いずり回っていて、ほとんど毎日この光景を見ているそんなはずだけど、ど真ん中を歩くのは、僕であってはいけないような気がするのだ。 この街の夜は狂奔の夜だ。 頭が弛むぐらいまで杯を重ね

          いつ、どこで、どうやって散るのか

          あなたの"いつもの"にはなりたくなくて

          オーセンティックバーでもショットバーでも、バーテンダーと距離が近い場、という場所は2回行けばおおよその空気は知れる。 カウンターに座り、誰がおしぼりを渡してくるのか、誰が最初の会話の相手になるのか、それさえ掌握できればなんてことはない。あとはカウンターの隣に誰が座っているか。私みたいに、平日の8時過ぎから飲みだすような客には、大体、左右どちらかの席が空いている椅子に座らす。 2回で決まらないのは、その店で飲む"いつもの"というやつだ。ウイスキーだったら好きな銘柄をどの店に行

          あなたの"いつもの"にはなりたくなくて

          俺たちは闘うためにここに来たんだ

          恥ずかしい話だが、体育会系の上下関係というものが肌に合わない。それもこれも全て、初めからそうだったからという理由であるが、改めて考えると特殊な話には違いないので、振り返ってみようと思う。 部活の話だ。 私にとって部活とは中学3年間の剣道部以外にはなくて、高校時代なんて、語るべき事は思い出せないぐらい、それに埋め尽くされている。 最初、ただ適当に家にラケットがあったからという理由で見に行ったテニス部で、上級生にまぁ、気が向いたら入れば?と言われ心底憤慨して拒絶してから、彷徨

          俺たちは闘うためにここに来たんだ

          美談なんてクソ喰らえ

          嫌いだ。大っ嫌いだ。 例えそれが後から物語となってどれだけの人の涙を誘ったって。 例えそれが死後に誰かに語り継がれるような物語となるとしたって。 だから過去は美化しない。 昔叶わなかった気持ちなど地獄に落ちて灰になればいい、もう顔だって思い出せないし、そもそも思い出自体がない。そんなものどうなろうと構いやしない。 俺は徹底的に自分勝手であろうと思う。 過去過ぎ去った人々がいくら自分の思考を作ったとしても、目の前にいる何よりも大切な人に何の作用も及ぼせないなら、その存在は無

          美談なんてクソ喰らえ

          薄情屋工事中

          近況報告です。 そんなん全く興味ねぇし知りたくもねぇよって思う方々も非常に多いでしょうが、つい一月前まで爆炎を振りまいていた野蛮人が突然地下に潜るなんて、説明責任があるでしょう。なんて思い一応報告します。 いつもにもまして雑文なので、お気になさらずにお願いします。 一月初旬辺りから、努めてnote、twitterその他SNSなんかから離れている。理由は様々だが、端的に言えば"多忙"がリアルな話だ。 全面改築を行っている。例えば生活、例えば休日の過ごし方、例えば趣味趣向、例え

          薄情屋工事中