【あした死ぬかもよ?】
【あした死ぬかもよ?】
『明日ありと思ふ心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは』
という、親鸞聖人の歌があります。
意味は、
『明日もこの桜は美しく咲いているだろうから明日見よう、と思う心の頼りにならないことよ。
はかない桜を散らす嵐が、夜中に吹かないものでもあるまいに。』(古語林 古典文学 名歌名句事典)
です。
『世の中や人生、いつどんなことが起こって、どうなるかわからない』
ということです。
人間、いつ死ぬかわかりません。
あした死ぬとしたら、
あなたは何をしますか?
作家でコピーライターのひすいこたろうさんは、著書
『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
の中で、こう述べています。
「ほんとにやりたいことをやる人生と、
ほんとはやりたくないことをやる人生。
あなたはどちらを選びますか?
ほんとうにやりたいことをやる人生を選びたいですよね。
しかし、予言しましょう。
このままの生き方を続けると、
人生最後の日、
あなたは90%の確率で後悔することになりそうです。
こんなアンケート結果があります。
次の質問は、アメリカで、90歳以上のご老人に聞いたものです。
『90年の人生を振り返って唯一後悔していることはなんですか?』
これに対して、なんと、
90%の人が同じ答えでした。
それは・・・・・・
『もっと冒険しておけばよかった』
このままの生き方が続いたら5年後、
あなたはどうなっているでしょうか?
このままの生き方が10年続いたらどうでしょうか?
このままの人生を過ごしたら、
人生の最後の瞬間に後悔することになりませんか?
あの世には、
お金も家具も服も家も持っていくことはできません。
だから、
この世で財産を失うことは、
ほんとうの不幸ではありません。
では、
この世の最大の不幸はなんでしょう?
それは、
死が間近に迫ったときに、
自分の人生に後悔することです。
死ぬ前に後悔することこそ、
最大の不幸です。
しかし、
それを避ける方法がたったひとつだけあります。
いま、
この場でしっかり自分の死を想像してみればいい。
死を真剣に見つめることで、
あなたは自分の『本心』(ハートの声)に気づくことができる。
どういうわけか、人は、
『自分だけは死なない』
と思っています。
『死ぬのはいつも他人ばかり』。
画家のマルセル・デュシャンが、
そう墓碑銘に刻んだように。
でも、残念ながら、
僕らが死にいたる可能性は100%です。
『オギャー』と、うぶ声をあげた瞬間から、
1秒1秒、いまこの瞬間も死に近づいています。
かつてサムライたちが、
あれだけ潔く、情熱的に生きられたのは、
『自分はいつか死ぬ身である』
という事実から目をそらさずに、
『この命を何に使おうか』
と、日々心を練っていたからです。
死をやみくもに恐れるのではなく、
サムライたちのように、
死をちゃんと『活用』しませんか?
(中略)
人生最後の日に、
どんな気持ちになっていたら最高ですか?
このままの生き方で、
それは達成できそうですか?
できないとしたら、
いつから生き方を改める?」(2頁〜7頁)
「Softbankの孫正義さんも、
死と向き合うことで、
自分を大きく変えた人のひとりです。
これは孫正義さんに、1983年に起きた出来事です。
創業時3人だった会社の社員も、
その頃には125人に拡大し、
売上高は45億円にまで成長していました。
しかし、その矢先、
20代半ばにして孫さんは突然の病に倒れるのです。
病名は慢性肝炎。
それも肝臓ガンへ進行する可能性の高い肝硬変寸前の状態。
死亡リスクの高い重病です。
孫さんは、20代にして、
『5年は(命が)もつかもしれないが、それ以上は・・・・・・』
と診断されてしまうのです。
入院当初、孫さんは、夜な夜な、
病院でひとりメソメソ泣いていたのだそう。
『会社も始動したばかり。
子どももまだ幼いのに、俺もこれで終わりか・・・・・・』
こんなに勉強して、
こんなに熱い気持ちで会社を起こしたのに、
あとたった5年で俺の命は終わるのか・・・・・・。
なんのために仕事をしていたんだろう・・・・・・。
俺の人生はいったいなんだったんだろう。
しかし、このとき、病院のベッドで、
司馬遼太郎の『竜馬がゆく』」と出会います。
幕末のヒーロー、坂本龍馬は28歳で脱藩し、
33歳で暗殺されるまでの約5年間で日本を変えています。
『5年』と寿命を宣告され、
病院で泣いた孫正義。
しかし! しかし! しかし!
5年で革命を起こした龍馬の人生を知り、
『あと5年もあれば、相当大きなことができるのではないか』
と思い直した。
そして
『たかが自分の命くらいでくよくよしてどないするんや。
もっと大きく構えにゃいかん』
と思うきっかけになったのです。
残りの命が5年だとしたら・・・・。
家もいらん。
車もいらん。
物欲は全部なくなった。
では、
ほんとうにほしいものはなんだ?
生まれたばかりの娘の笑顔が見たい。
それだけでいいか?
いや。家族みんなの笑顔が見たい。
それだけでいいか?
いや。社員の笑顔も見たい。
それだけでいいか?
いや。お客さんの笑顔も見たい。
そうだ。
俺はみんなの笑顔を生み出すために残りの命を捧げよう。
死と向き合った闘病生活は、
孫さんの人生の価値観を見つめ直す貴重な時間になったのです。
孫さんのおばあちゃんはいつもいってました。
『人様のおかげだ。
どんなに苦しいことがあっても、
どんなにつらいことがあっても、
誰かが助けてくれた。
人様のおかげだ。
だから絶対人を恨んだらいけない』
14歳のとき、
韓国から日本に渡ってきたおばあちゃん。
韓国籍で日本語もカタコト、
知り合いもなく、
おまけに戦争まで体験した。
でも、
『人様のおかげだ』、
これが、苦労の連続だったはずのおばあちゃんの口ぐせでした。
死と向き合って、
孫さんは、
『大事なのはお金じゃないんだ』。
そう気づいた。
地位でも名誉でもないんだ。
そう気づいた。
おばあちゃんがいっていたような、
人に喜んでもらえること。
そういう貢献ができたら幸せだ。
入院してから、
なおさらそう思ったそうです。
『なんのために生きるのか?』
『なんのために働くのか?』
目的が明確になったのです。
目的が定まったとき、
人はブレなくなります。
そして、
3年の間入退院を繰り返して迎えた1986年。
なんと画期的な治療法が見つかり孫さんは見事に復活!
完全復帰を果たしたのです。
東日本大震災では、
被害者支援のため、
個人資産から100億円を寄付。
平成23年から引退までの孫社長の報酬全額も、
震災で両親を亡くした孤児の支援として寄付すると宣言。
これから引退までの報酬全額を寄付するなんて、
普通、できることではありません。
死はあなたに突きつけます。
『このまま死んだように生きていていいのか?』
死はあなたに突きつけます。
『おまえの一番大切にしたいことはなにか?
なぜそれをやらない?』
死はあなたに突きつけます。
『自分だけよければいいのか?』
死はあなたに生きる『覚悟』を迫ります。
『覚悟』とは、
『覚り』×『悟り』と、
『さとり』を2つも重ねたすごい言葉です。
『なにがあっても、平然と生きる』
と覚悟を決めること、
それが悟りです。
生きる覚悟が決まったとき、
人は死ぬ覚悟もできる。
人生において、
これをやりきるんだという覚悟ができたとき、
死ぬ覚悟もできるのです。
孫さんは、余命5年と宣告されて、
この命を使って一番やりとげたいことは、
名誉でも財産でもなく、
大切な人の笑顔を生み出すことだという “生きる目的” に気づきました。
人は、最後の最後には、
『人のためになることをやりたい』って、
心の一番奥の思いが浮上するようです。
志とは、
個人の願望を超えたみんなの喜びにつながる『使命(ミッション)を持つ』ということです。
『使命』とは、
その『命』を誰かのために『使』うことです。
人間だけが持っている本能があります。
食欲、性欲、睡眠欲、これは動物も持っています。
では人間だけが持っている本能とは?
『喜ばれると、うれしい』
だそうです。」(124頁〜130頁)
「小さな一歩が、
とんでもない大きな一歩につながっていく。
これが命というものです。
笑っちゃうくらい、
今日という1日は、
大きな可能性を秘めているんです。
あなたはいま生きている。
それ以上の奇跡などありません。
いつか死ぬ身であることを心の深くに刻めば、
今日という1日がいかに可能性にあふれ、
うれしく、ありがたく、
いつにもまして輝きはじめることに気づくことでしょう。」(236頁)
この本、
『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』は、
良書の中の良書です。
正に、名著です。
御一読を強くおすすめします。
ひすいこたろうさんが述べているように、
ハートの声を聞き、
ほんとうにやりたいことは何かに気づくことが肝心です。
私たちは、
地位や名誉や財産のために生きているのではありません。
私たちは損得勘定で生きているのではなく、
心意気、愛情、思いやりで生きています。
正に、
『人生、意気に感ず』
です。
世のため人のため天のために生きましょう。
自分だけよければいいというものではありません。
人に喜んでもらえること。
人の笑顔を生み出すこと。
自身の天性を、大勢の人のために役立てること。
これが “生きる目的” に対するひとつの答えとなります。
向上心を持ち、
“学ぶこと” を習慣にしましょう。
自己意識の進化と向上を目指しましょう。
共に、魂を成長させましょう。
『明日、死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい』(マハトマ・ガンジー)
(推薦図書)
『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』
(著者 ひすいこたろう ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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