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[無料公開] Google 面接と転職

こんにちは、tacox です。本日は、Google への転職経緯や入社までをお話したいと思います。

Google Japan オフィスへの最初の訪問

2006年のいつかは忘れましたが、Google Japan 支社にて Google Analytics に関するセミナーがあり、ログ解析のコンサルを担当していた僕は、初めてオフィス訪問します。渋谷セルリアンタワー6階の受付に足を踏み入れた瞬間、レゴみたいなカラフルな壁紙やロゴや、スライムランプが目に止まり、なんとも言えない不思議な気持ちになりました(記事の写真は当時の日本オフィスものでありません。もっと後になってから出張したシンガポールオフィスのものです)。現在では、社員の働きやすさや serendipity を演出するカジュアルなオフィス空間は当たり前になりました。しかし、当時はかなり型破りな空気感がありました。カリフォルニアのキャンパスと比べると、たかが渋谷のオフィスビルのテナントの一角だったはずですが、そこはまさに異空間の風が爽やかに吹いていて、本社の精神を再現している感じを抱きました。とっさに「ここで働きたい!」と興味を持ちます。セミナーの内容は、資料に英語が混ざり、分かりやすいとは正直言えなかったものの、非常に高度なことを説明してくれる講師について、さすが Google という逆に良い印象を持ちました。

Google への応募は時間がかかった

とはいえ、まだまだ社員数の少ないフェーズのため、オープンポジションはなかったと記憶しています。悶々としながら、Google AdWords や Google Analytics を使う業務を遂行していたところ、同僚の友人より、「Google Analytics の Support Specialist のポジションを募集しているよ、俺はセールスポジションで受ける」と教えてもらいます。レジュメを英語で準備する必要があり、そんなもの書いたことがなく、手間取っている間に、先に同僚が面接までパスし書類審査待ちまで進んでいました。当時は対面面接を通過した後、どんなポジション、レベルの候補者であっても、レジュメとリファラルや卒業証書などをまとめて、創業者 Larry Page と Sergey Brin によるレビューがありました。当然、ものすごく時間がかかります。そんなことは当時は知らなかったので、数ヶ月待っても書類審査の連絡が来ない同僚は、急かせるように問い合わせたところ、不合格の通知が来たとわざわざ教えてくれました(急がせる問い合わせと不合格の因果関係は定かでありません)。とにかくそれを参考にこちらから問い合わせるのでなく、時間がかかるものだと期待を下げ、面接と書類を済ませました。確かに、なかなか連絡が来なかった記憶があります。忘れかけた頃、電話が入ります。見事合格しました。オファーレターの内容や今後のステップが頭に入らないくらい、電話口で緊張と嬉しさでいっぱいでした。

面接では落ちたと思った

どこの企業もそうだと思いますが、スタートアップのフェーズでは一芸に長けたスペシャリストやエッジのたったタレントが集まるものです。2006年でさえ、Google の存在はさほど知られておらず、僕の両親のように、ポータルサイト goo と混同している人もいました。それ以前に入社していた社員の方々は、Google ポテンシャルや凄さに気づいて集まって来ているわけですから、普通の方達ではありません。面接で初めて社員の方にお会いした時、噂されているようなフェルミ推定やソースコードを書くような質問はありませんでしたが、かなりトリッキーな質問があり、対応するのに苦慮しました。さらに、面接時間が45分と指定されていたにも関わらず、20分くらいで終わったセッションもあり、しかも始まりから終わりまで目をほとんど合わせてもらえず、完全に落ちたと思いました。当時から狭き門であったはずですが、なぜ合格したのかは、実は今でも思い当たるところがあまり分かリません(というのは、僕よりも fit しそうな例の同僚の友人が見送りになったため)。考えられるとしたら、(1) アイエムジェイというベンチャーでセルフスタートに慣れていたこと、(2) 業務で Google AdWords や Google Analytics を扱っていたこと、(3) (ビジネス IQ と学歴 IQ は一致しないと断った上で、)運よくアカデミックバックグラウンドが良かったこと、などを挙げておきます。アカデミックバックグランドが強調されたのは、Google 創業者は研究者タイプでオフィスもキャンパスと呼び、大学のような会社を作ることをめざしていたことからです。これは、あくまで当時の話であり、現在の採用基準とはなんら関係ありません。

当時の上司の後押し

オファーレターをもらえたことに嬉々とした一方で、契約書みたいなオファーレターを前にして、面接内容や合格理由に気持ち悪さが胸につかえるまま、サインして良いものかモヤモヤします。サインするまえに上司に転職希望があることと、転職先について相談しました。どこかランチでも食べならがら話そうと、親切に相談にのってくれました。「実は Google より内定をもらったのですが」と切り出したところ、とてもびっくりされ、「俺の立場で本来言うことでないが、絶対にオファーを受けなさい」と後押ししてくれました。面接内容や面接官があまりにも強烈な印象だったことも話しましたが、「結論に変わりがないよ」と言って下さり、さらに「元 Google の友人がいるから、紹介するよ」とも言ってくれました。え、元 Google 社員?、とてもびっくりしました。日本支社はできて数年であり、もうすでに入って辞めた人がいることに驚きました。どれだけ先を行っている innovator なんだろうと思いました。後日、その方とランチしたところ、辞めたからにはネガティブな理由もあるだろうと期待しましたが、意外にも、「間違いなくステップアップになるから、絶対オファーを受けなさい、条件交渉もするな」と言われ、最後の後押しをされ、オファーレターと言うものに、人生初めてサインしました。面接に受かった理由は定かでありませんが、入社を決めた決定打は、間違いなくこの二方で、今でも感謝していますし、入社してから気づきますが、頂いたアドバイス通り、僕のキャリアにとって絶対に入るべき会社でした。

本日はここまでとして、次回は、外資系の通過儀礼である苦労した英語の学習法について、まとめてみたいと思います(「Googleでの英語の苦労と学習法」)。よろしくお願いします。

コンテンツ
1. はじめに(キャリアの作り方連載します)
2. チャンスをつかむ必勝法とは
3. 検索連動型広告との出会い
4. Google 面接と転職
5. Google での英語の苦労と学習法
6. Google で学んだ仕事術
7. 目標管理ツール OKRs について
8. 35歳からの営業職への転身
9. GAFAはなぜ企業文化を大切にしているか?
9. Facebook への転職とモバイルシフト
10. Facebook は広告の強さとコマースへの進出!?
11. 決済とはマーケティングだ!
12. 変化とグロースの世界で生き抜く方法

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