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[誰でもできる!] Google で学んだ仕事術

こんにちは、tacox です。本日は、Google 勤務時代に学んだことで、外資系企業を渡り歩くために役立った仕事術について、少しだけご紹介したいと思います。

Note Taker の重要な役割

2007年から2014年までの7年間、Google Japan に在籍します。非常に幸運に恵まれていたのは、入社してすぐ Online Sales and Operations という組織に配属されます。この事業を統括する責任者が、米国から dispatch で来日したシニアリーダーで、いずれもビジネススクール出身者だったので、世界標準のマネジメントを間近で経験できました。お給料をもらいながらビジネススクールに通うようなお得感です。

上司から、細かく、メールの書き方、パワーポイントの作り方、ミーティング運営、1on1 の進め方など指導を受けました(指導というよりダメ出しです笑)。議事録の取り方は徹底的に鍛えられました。当時の上司から、「Note Taker は、裏の真の Meeting Owner なのだから、とても重要よ」と教わります。Meeting は Calendar から招待を作った人が own するもので、その人が facilitator を兼ね、会議の流れをコントロールして、Note Taker は会議の内容を記録する補佐的な役割と考えていたので、非常に驚きました。

会議の内容を記録するだけでは、補佐的な範疇を出ません。しかし、Note Taker にはもっと別次元の役割があります。会議の記録を取りながら、参加者の発言を整理し、理解できないことや、論理に飛躍があることに対して、(みんなのためにメモを取っているのだから interrupt を遠慮なくできるという意味で)ストップをかける権限を持ちます。会議の進行をコントロールできるのです。また、議論されていないアジェンダがあれば、コールアウトでき、話すべき内容を全て網羅する役割も担います(議論に白熱すると、人はアジェンダを飛ばしたり忘れたりするものです)。

会議10分前には、その場で出たネクストアクションを wrap up しなければいけません。日本の会議では「それはやらないといけないのでやりましょう」という風に、誰がいつまでにやるか明確化されずに、アクションアイテムは出るものの、次々と議論が進みがちです。そして進んだ気持ちになり、根拠のない達成感に満足してしまうのです。wrap up 時間を取ることで、各アクションアイテムの owner と due date を全員で確認して、合意形成を取ります。会議終了後は、アクションアイテム付きの議事録を参加者に流します。

議事録送付後、次のミーティングまでにそのスレッドに対して、進捗確認の check in をしたり、ミーティングの冒頭に、議事録ベースで、前回のアクションアイテムの振り返りからスタートしたりして、全員で合意した施策の実行漏れを見逃さないようにしなければいけません。非常に Note Taker が大きな役割を担っていることが分かるでしょう。議事録には、人を効果的に動かすメカニズムがあり、Note Taker が裏の真の meeting owner という意味が分かって頂けると思います。余談ですが、日本では、アクションアイテムのことを「タスク」や「宿題事項」と表現したりしますが、後ろ向きなニュアンスのため、個人的にあまり好みではありません。

1on1 

議事録に関するこの考え方は、1on1 でも同じです。1on1というプラクティスもかなり日本でも拡がりましたが、当時は一般的でなかったと思います。1on1とは上司と部下の面談ですが、1on1 の使い方は人それぞれです。(マイクロマネジメントに多いのですが)業務の報告会という使い方を好む人もいれば、雑談で部下のパーソナルな部分やキャリアを中心に相談する場といづける人もいます。当時の上司から、「業務報告会とキャリア相談のハイブリッドで行いましょう」と提案を受け、「それでお願いします」と答えました。なぜなら、当時、業務量が非常に多く、僕のスキルセットでは品質の高いアウトプットを期日までにこなすのは到底無理でした。週一回のチームミーティングでの業務報告だけでは不十分で、進めないと行けないプロジェクトや新卒の育成で必要なことなど、アクションアイテムをしっかり一緒に洗い出してもらい、一緒に潰していく場を1対1でも作る必要がありました。

そして議事録ですが、最初の 1on1 で「1on1 は部下のためのもので、Meeting Owner はあなただから、アジェンダと議事録の管理をしっかりしてくださいね」と言われました。共同で閲覧できる Google Docs を作り、毎週アジェンダを入れて、議事録を取りながら、アクションアイテムをまとめることを毎週繰り返しました。課題に対して、dive deep して必要なアクションアイテムを洗い出していくと、毎回45分の 1on1 が終わる頃には、潰したアイテム以上の追加のアイテムができていて圧倒されました。このアクションアイテムを潰していくことで物事が前に進む経験をします。業務を遂行して課題を潰していく愚直さと大切さを学んだ一年でした。

本日はここまでとなります。次回は、OKRs やマインドセットに関する仕事術について書いてみたいと思います。

コンテンツ
1. はじめに(キャリアの作り方連載します)
2. チャンスをつかむ必勝法とは
3. 検索連動型広告との出会い
4. Google 面接と転職
5. Google での英語の苦労と学習法
6. Google で学んだ仕事術
7. 目標管理ツール OKRs について
8. 35歳からの営業職への転身
9. GAFAはなぜ企業文化を大切にしているか?
9. Facebook への転職とモバイルシフト
10. Facebook は広告の強さとコマースへの進出!?
11. 決済とはマーケティングだ!
12. 変化とグロースの世界で生き抜く方法

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