立花和馬
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Microbiome - 生態系としての人体 2. 微小な世界の発見 #1
― ガリレイが天体へと望遠鏡を向けたのは1610年のことである。それから彼は望遠鏡をひっくり返し、接眼レンズを眼に見えないものに近づけて、対物レンズを覗いてみた。すると、きわめて小さいものが巨大になっていた。同じ器機で二つの無限を推定することが可能で、世界のすべての境界は吹っ飛んでしまったのである ― ピエール・ダルモン
魔術的世界と顕微鏡 かつて、人々は「魔術」が支配する世界に住んでいた。
ビッグバン・イノベーション – 「一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ」読みました。テクノロジーによって加速するイノベーションの第四ステージを生き延びるためには。
面白かった。
任天堂やシャープ、SONY – 数年前まではエクセレント・カンパニーと絶賛されていたような企業が、たった数年で凋落してしまう。最近、そんなニュースに接することが多くなってきたが、なぜなのか。不思議でならなかった。同じ疑問を少しでも抱いたことがある人にとって、そして、この変化の激しい時代にあってイノベーターたろうとする情熱のある人にとって、本書は必携の書となるに違いない。
現
ATTENTION – 「注目で人を動かす7つの新戦略」読みました。インターネットで情報発信する人にとっての必読書。
ATTENTIONは、シリコンバレー発の2016年の最重要ワードとなろう。
シリコンバレーでベンチャー・キャピタリストとして活躍する著者のベン・パーは、情報過多時代において「注目」が希少資源になったと言う。著者は、2012年にフォーブスの「世界を変える30歳以下の30人」に選出されるほどの俊英だ。そんな彼が、心理学や認知科学に対する並外れた知見と経験から、「情報だらけの世の中であなたのアイデ
Microbiome - 生態系としての人体 #5
堅い表現となって恐縮だが、マイクロバイオームを有する「あなた」という存在は、多種多様な個体からなる集団性、複数性を内包している。これは列記としたパラダイムシフトだ。あなたは単一の個体ではなく、複数の生命体が合わさってできた複数者なのだ。ある個体の遺伝情報の総体をゲノムというが、消化管に群生する微生物のゲノムを数えあわせてみると、ヒトゲノムの少なくとも100倍以上の遺伝子を含んでいる。このゲノムの
もっとみるMicrobiome - 生態系としての人体 #4
マイクロバイオームという視点は、あなたを成り立たせているものは何か、という問いに対する常識をひっくり返す。あなたをミキサーに掛けて、様々な試薬を使ってなんとか細胞一つひとつにまで分離していったとしよう。見る影もないドロドロとした山ができるだろうが、驚くべきはここからだ。乱暴な例えに目を瞑って、その山から細胞を一つ手にとってみよう。あの奇跡に満ちて誕生した受精卵に由来する細胞は、10分の1の割合で
もっとみるprocessing #2
ジム・ホルト「世界はなぜ『ある』のか」より
意識の内的な本質から、世界には純粋な構造以上のものがあると考える理由がひとつもたらされる。(中略) 構造それ自体だけでは、どうも現実の存在としては十分でないように思えるのだ。イギリスの観念論学者T・L・S・スプリッグは、こう述べる。「構造をもつものには、構造以上のものがなくてはならない。」
processing #1
昨日、東京に春の嵐が来て、去った。濃く、沸き立つような霧が歩道を包んで、いつもの見慣れた帰り道の風景の輪郭が、ぼんやりとぼやけてどこか刺激的だった。不意に見上げた先の、梅の花が僕を驚かせた。くすんだビルの壁を背景に、その小さくも完全な境界が、とても力強いものだったからだ。
いつも科学論文ばっかり読んでいて肩が凝ってきたので、気分転換にprocessingで作ったgenerative artでも載
Microbiome - 生態系としての人体 #3
もちろん、それらはただ無為にうごめいているだけではない。例えば、二酸化炭素や窒素、一酸化炭素を含んだ原始の大気に、私たちが生きるために必須の遊離酸素を供給し、さらに紫外線を防ぐオゾン層で地球全体を覆ってくれたのは、細菌たちが数億年もの年月をかけて光合成をしてくれた結果だ。仮に細菌が地上から姿を消し去ってしまったらどうなるだろうか。感染症の撲滅に取り組む一部の医者にとっては朗報かもしれないが、その
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