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メンター制度について考えてみた

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今、多くの企業が導入・導入検討している「メンター制度」について、研修講師の視点で執筆してみました。どうやったら、うまく制度を運用することができるのか、事前にしておいた方が良いこと…
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#人材育成

13.最終的には、メンター制度の必要がない組織づくりを

13.最終的には、メンター制度の必要がない組織づくりを

さて、メンター制度について綴る記事は、こちらが最後です!

■メンター制度がなくても、皆が皆のメンター的存在である状況が私の理想です。

ここまで書いてきてなんだか、私は個人的には、メンター制度の必要のない組織づくりを目指したいと考えています。

メンターを指名し、アサインしなくても、職場の先輩が部署やチームを越えて、「おはよ! 最近、どうだい?」と新入社員に声をかける風土がある状態が、私は好きで

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7.事前にすべきこと③メンターの相談窓口を設ける

7.事前にすべきこと③メンターの相談窓口を設ける

メンターに選ばれた先輩社員に対するケアやフォローも大切です。「思うようにメンティとコミュニケーションが取れない」「メンティの相談にうまく答えられない」「メンティとの関係性が悪くなってしまった」等、様々な試練を味わうメンターも少なくありません。

そこで組織としては、メンターの相談窓口を見える化しておくことが望ましいでしょう。人事・メンター制度事務局の中に、相談を聞く担当者を配置しておくことも良いと

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6.事前にすべきこと②メンター活動のルールをメンターに周知する

6.事前にすべきこと②メンター活動のルールをメンターに周知する

いよいよメンター活動が始まる時、メンターとメンティは、ふと、「これって、どうなんだろう?」と疑問にぶつかることがあります。

「あれ、月に1回面談をする、って言われたけど、どこで?」

「数に限りのある会議室を、面談のために使っていいの?」

「組織内に場所がない場合、外のカフェで面談をしてもいいの?」

「その場合のコーヒー代って、組織に請求していいの?」

「急遽、緊急度の高い仕事が舞い込んだ

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5.事前にすべきこと①メンター制度および制度導入の背景を説明する

5.事前にすべきこと①メンター制度および制度導入の背景を説明する

そもそもメンター制度とは何なのか、メンター制度を導入した背景にはどのようなものがあるのかを、全社員に周知することが大切だと私は考えます。

この「全社員」には新入社員が含まれていても構いません。「組織が自分たち、新入社員のことを考えてくれているんだ」と感じてもらうこともできるでしょう。

中には「おや、うちの組織、新人が早期退職しようと思っているのかな」と思う新入社員がいるかもしれないけれども、世

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3.具体的なメンター活動

3.具体的なメンター活動

メンターが新人(メンティと言う)に対して行う活動は、組織によって多少異なれど、以下のようなものが挙げられるのではないでしょうか。

■具体的なメンター活動の内容

・1カ月に1度、メンティとの面談を行う

・面談の中では、メンティに悩みや困っていることがないかを訊く

・面談の中を通じて、メンティが求めるアドバイスを与える

・面談を通じて、メンティをサポートする

・面談は1年間通じて、実施し続

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2.そもそもメンターとは

2.そもそもメンターとは

まず、メンターとはどういう存在か?という切り口から考えてみましょう。

■業務を教えるのはOJT指導者、上司

多くの組織では、新入社員が入社し現場に配属されると、業務を教えてくれるOJT指導者がつきます。仮に田中さんという新入社員が営業部第1課に配属されたとするならば、3年目の先輩社員の山本さんがOJT指導者にアサインされます。もちろん、その上には上司がいるわけで、山本さんは上司と相談しながら、

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1.メンター制度について(はじめに)

1.メンター制度について(はじめに)

こんにちは。研修講師の渡辺整(わたなべただし)と申します。

企業研修について相談を受けたり、登壇を任されたりする立場として、

「渡辺さんは…どう思います?」と意見を求められることが多いのが、

メンター制度について、です。

今、メンター制度導入を検討する組織は少なくありません。

でも、それぞれの組織で担当者様のお話を聞くと、

そもそも「メンター」の定義が曖昧だったり、

「活動」のルール

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