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2019年12月の記事一覧
地方行政こそがキーになるかと:読書録「次世代ガバメント」
・次世代ガバメント 小さくて大きい政府の作り方
責任編集:若林恵
出版:黒鳥社
WIRED日本版の編集長を務めていた「若林恵」氏のムック本。
何かのブログ記事に少し紹介されてて、何気にポチッとしたんですが、これが面白くて…。
途中で中断するのがもったいくて、帰省先まで持ち込んでしまいましたw。
「政治」ではなく、「行政」をターゲットにして、ネットによる効率化とネットワーク活用によって、住民の多
新たな「物語」(虚構)の指針として:読書録「時間とテクノロジー」
・時間とテクノロジー 「因果の物語」から「共時の物語」へ
著者:佐々木俊尚
出版:光文社
ユヴァル・ノア・ハラリは人類の進歩においては「虚構」(物語)が重要な意味を持つとして、「サピエンス全史」で産業革命を経て人間中心主義によって構成される<現在の物語>に至るまでを描き、「ホモ・デウス」でAIとバイオテクノロジーによって構成される<未来の物語>の可能性を指摘。<現在>から<未来>への過渡期にお
ビジネス版「失敗の本質」:読書録「世界『倒産』図鑑」
・世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由
著者:荒木博行
出版:日経BP
…と言うのは作者も当然意識してます。
「はじめに」に言及もされてますしね。
その理論的な整理は冒頭のチャート図で示されています。
「倒産の背景」を「戦略上の問題」と「マネジメントの問題」にわけ、それをさらに以下のように区分して、そこに当てはまる企業を置いています。
<戦略上の問題>
・「過去の亡霊」型:そ
店を始める気はないんですけどねw:読書録「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」
・なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか 22年続くバーのマスターが人気飲食店オーナーに聞いた仕事と生き方のはなし
著者:林伸次
出版:旭屋出版
著者の林さんの文章はnoteで毎日読んで楽しませてもらってます。
その新作…と言うので、サポートのつもりもあって購入。
特に飲食店を始めようって気はないんですけど(本書は飲食店を始めることを考えている若者がメインターゲットです)、面白く、一気に読んじゃい
仕掛けの切れ味と切なさの塩梅が絶妙:読書メモ「ジルコニア」
「unnamed memory 」の感想をnoteに上げたのを見に来てくれた「冴月」さんのnoteに上がってた作品。(冴月さん、ありがとうございます)
「古宮九時」さんの別名義作品です。
(電子書籍のみ。Kindle Unlimitedで読ませていただきました)
う〜ん、上手いですねぇ。
短編ですが、切れ味が良くって、それでいて余韻がある。
「信頼できない語り手」の物語ですが、ストレート
こう来るかぁ:読書録「Unnamed Memory」
・Unnamed Memory(Ⅰ〜Ⅲ)
著者:古宮九時
出版:KADOKAWA(Kindle版)
「このライトノベルがすごい! 2020」で書籍部門第1位になった作品。
芥川賞も直木賞も読まないけど、ここ2、3年、なんとなく本屋大賞とコッチは気になるという…w。
ラノベについては個人的に色々思うところもあって…なんですけどね。
で、コレ。
主人公二人(王と魔女)はラノベお得意の「無双系」。
「今」を考える:読書録「21レッスンズ」
・21レッスンズ 21世紀の人類のための21の思考
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ 訳:柴田裕之
出版:河出書房新社(Kindle版)
人類の歴史を、「虚構」「物語」(「共同幻想」と言ってもいいかな?)から解き明かした「サピエンス全史」。
現代を支配する「人間至上主義」という<虚構>が、AI・アルゴリズム・バイオロジーにとって変わられる「未来」を描いた「ホモ・デウス」。
圧倒的に面白いこの2
熱量が低いミステリー?:「OP」
例によって朝日新聞の書評欄で取り上げられたマンガ。
…なんですが、一読すると「普通?」
ただ何か不思議な肌合いを感じる作品でもありました。
OP 夜明至の色のない日々(1、2巻)
主人公は保険調査員で、過去のなんらかの「事件」(子供を失ったようです)で感情を失くした(らしい)中年男性。
そこに「尊属殺人」の加害者で、ヒトの感情が「色」で見える少年が同居することになり…
という設定。
彼らが
梶原・真木兄弟の存在感が…w:読書録「レジェンド漫画家列伝」
・吉田豪のレジェンド漫画家列伝
著者:吉田豪
出版:白夜書房
プロ・インタビュアー吉田豪氏がベテラン漫画家にインタビューしたのをまとめた作品。
他で「本宮ひろ志」や「安孫子素雄」にもインタビューされてると思うんですが、それは収められてない…けど、まあこれで「お腹いっぱい」ですわw。
本書に収められてるのは以下の方々。
バロン吉元
平松伸二
寺沢武一
ちばてつや
一峰大二
小林まこと
えびはら
まっとうな評論です。:読書録「ミヤザキ・ワールド」
・ミヤザキ・ワールド 宮崎駿の闇と光
著者:スーザン・ネイビア 訳:仲達志
出版:早川書房
アメリカの日本アニメ研究者による「宮崎駿」論。
個人的には<クリエイター>の個人史やトラウマなんかと<作品>を絡めて論じる評はあまり好きじゃないんですが(そういう意味じゃ、80年代の<テキスト>ブームの残滓があるのかもw)、ある種の「同時代感」を一方的に持っている「宮崎駿」が題材というのと、海外の研究者の