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ビジネス版「失敗の本質」:読書録「世界『倒産』図鑑」

・世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由
著者:荒木博行
出版:日経BP

…と言うのは作者も当然意識してます。
「はじめに」に言及もされてますしね。

その理論的な整理は冒頭のチャート図で示されています。

「倒産の背景」を「戦略上の問題」と「マネジメントの問題」にわけ、それをさらに以下のように区分して、そこに当てはまる企業を置いています。

<戦略上の問題>
・「過去の亡霊」型:そごう、ポラロイド、MGローバー、ゼネラルモーターズ、ブロックバスター、コダック、トイザラス、ウェスティングハウス

・「脆弱シナリオ」型:鈴木商会、ベアリングス銀行、エンロン、ワールドコム、三光汽船、エルピーダメモリ


<マネジメントの問題>
・「焦りからの逸脱」型:山一證券、北海道拓殖銀行、千代田生命保険、リーマン・ブラザーズ

・「大雑把」型:マイカル、NOVA、林原、スカイマーク

・「機能不全」型:コンチネンタル航空、タカタ、シアーズ

この整理は良くできてると思いますし、(自分の知識からも)「そうだよな〜」って感じです。(もちろん個別には複合的要因が多いんですが)
ただそういう「整理」よりも、やはり個々の事象が興味深い。
そして得るものが多いのも、その個々の事案の中にあると思います。(組織としてだけではなく、個人としても)


特に「マネジメントの問題」ですかね。
ここはもう、「経営の質」の問題と言い換えてもいいくらいですから。
その「人間臭さ」が実に読みどことになってると思いますよ。
(「戦略上の問題」の各社も、詰まるところは「ヒト」に帰結するとも言えるし、やはり興味深いのはそこ)

ここのところ話題となってる「日本郵政G」の件なんか、この「マネジメントの問題」にハマりまくり。
そしてそれは決して「特殊なこと」ではない、というのもヒシヒシと感じます。


「躓きの石」は何処にでもある。

それを忘れないためにも、一読の価値ある一冊かと。
読みやすいですしね。


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