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#仏教

自我とは何か? なぜ社会から降りられないのか

 僕は極度の心配性だった。小学生の頃に「このおじさんを自転車で追い越したら銃で撃たれるんじゃないだろうか」とか「祖母に貰ったこのお菓子には毒が入っているかもしれない」などと、病的な心配をしていた。その僕が、再発性の病気にかかったから大変だった。再発すれば即手術と入院だし、いつ爆発するのか分からないから、毎日一日中病気のことを考えていた。そのせいでうつ病になった。声を出すのも怖くて、一日中、本を読ん

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役に立つ幸福論 

 昔読んだ仏教の本を読み返していたら「役に立ちますか?」という文言があって、印象に残った。
 「嫌な気分よさようなら」と言う本にも似たようなエピソードがあった気がする。息子のことが心配でたまらない母親が、認知行動療法を受けに来るんだけれど、先生は「心配していることで、何か役に立ちますか?」と聞くと、何かしらの気づきを得た母親は、すっかり心配がなくなる。

 今日は精神科だった。精神科の前の日は毎回

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格差と平等ともがき

 僕はネットでいろんな人と話すのだけれど、金持ちの家に生まれて勝ちが決まっている人とか、虐待とか性暴力にあって入退院を繰り返している人とか、ドラッグで捕まる人とか、モラハラを受けながら看護師をしている人とか、千差万別だ。自分が関わる範囲外のSNSを見ても、いろんな人がいるなあと思う。クリエイター、弱者男性、アイドル、ナンパ師など…。

 嫉妬とか劣等感って苦しい。前に「人は聞き方が9割」という本に

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孤独とは何か

 家庭というシステムが崩壊して、孤独の問題が日本全体の問題になっている。僕も実家でほぼ一人暮らしをしていて、孤独の真っ最中だ。ずっと孤独に苦しんできて、ずっと孤独について考えてきた。

 よく「周りに人がいても孤独な人は孤独だよ」と言われる。離婚した元カノがいるのだが、結婚している最中も孤独だったらしい。だから「孤独」というのは物理的な環境とは関係がない。東京の歩行者天国を歩いている人も、孤独な人

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引きこもり 外部がない

 ハイデガーの存在論を植民地主義だとして批判したレヴィナスは、「顔」という概念を導入することで、存在論に「風穴」を開けようとした。ただこの「顔」はお涙頂戴でしかない。顔という「外部」が現れることによって、例えば死にかけの乞食がいることで、その顔から倫理が生まれるというのだが、東京では乞食が死にそうでもみんなスマホで写真を撮るだろう。近代というのは「他者」を欠いている。デカルト的な発想から、「他者」

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