「江ノ島でのひと時」

 雲ひとつない青空を一羽のトンビが飛んでいる。おそらく観光客の飯を狙っているのだろう。

 橋から横を見ると広い海が広がっており、海水浴を楽しんでいる人で賑わっていた。そして、前にはお目当ての場所。江ノ島があった。緑が生い茂った森と石造りの地面。そこら中には屋台や店が並んでおり、多くの人で賑わっていた。

 僕も近くの店で多くの料理を堪能した。そして、今は手に余るような大きなたこせんべいを持っている。凄まじく巨大だが時間を食べていき、最後は手のひらサイズになった。

 そして、最後の一口を食べようとした時、それは空気を噛んで終わった。手元から無くなっていたのだ。空には天に向かって飛んでいく一羽のトンビ。よく見るとそこ口にはたこせんべいがあった。

 江ノ島を去るまで殺意の波が絶えず、僕の心を揺らしていた。

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