「怠惰に縋る」

「だるい」
 夏の暑さにやられて、部屋で寝転んでいた。窓から差し込んでくる日差し。耳障りな蝉の鳴き声。全てがだるい。今日はこのまま家にいよう。そうしましょう。

 怠惰だ。ただただ怠惰だ。ゴミ捨てもせず。ゴミ袋があれよあれよと部屋に溜まっていく。怠惰である事で、ゴミを放置することで僕の部屋には多くの生命が誕生した。コバエ。ゴキブリ。よくわからんやつ。そいつらと同居している状態だ。

 流石にマズイか。僕はゴミを掃除しようと立ち上がった。気分を変えるため、洗おうと蛇口を捻ったが水が出ない。ゴミを捨てようとしたが、その中の卵のパックを見て驚愕した。一年以上も前のものだった。

 流石に一年も放置はしない。動揺していると突然、扉が開いた。

 大家と一人の警察官が入ってきた。

「わあああ!」
 大家が僕を見るなり、顔を引き攣って、地面に腰を抜かすように倒れた。そして、警察官が僕を見るなり無線機をとった。

「腐乱死体を発見しました。すぐさま応援を要請します」
 

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