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高齢者の5年間。筋萎縮/筋肥大した箇所とは?

📖 文献情報 と 抄録和訳

筋群に特異的な骨格筋の老化:中高年者における5年間の縦断研究

📕Naruse, Masatoshi, et al. "Muscle group-specific skeletal muscle aging: a 5-yr longitudinal study in septuagenarians." Journal of Applied Physiology 134.4 (2023): 915-922. https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00769.2022
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

🔑 Key points
🔹高齢者における6つの筋群の縦断的解析は、筋群特異的な加齢プロセスに関する新しい情報を提供するものである。
🔹大腿四頭筋、ハムストリングス、大腰筋、腹直筋はそれぞれ異なる大きさで萎縮したが、腹外側筋と傍脊柱は5年間で肥大化した。
🔹これらの結果は、骨格筋の加齢過程のより良い理解に貢献し、筋肉に特化したこの分野の研究を完了する必要性を強調するものである。

[背景・目的] 加齢に伴う骨格筋量の変化が筋特異的であることを示す証拠はいくつかあるが、この分野の理解を形成するために研究されてきた特定の筋の数は限られている。また、同一人物で複数の筋肉を調べた加齢研究はほとんどない。

[方法] この縦断的研究では、大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)、ハムストリングス(大腿二頭筋短頭・長頭、半腱様筋、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、半腱様筋、半腱様筋、半腱様筋)、大腰筋、腹直筋、側腹筋(腹斜筋、腹横筋)、傍脊柱筋(脊柱起立筋、多裂筋)についてのCTによる骨格筋サイズの変化を比較した。 健康、加齢、体組成(健康ABC)研究の高齢者(n = 469、73±3年および78±3年、女性49%、黒人33%)のベースライン時および5年後における筋断面積を評価した。

[結果] 骨格筋断面積は、大腿四頭筋(-3.3%)、ハムストリングス(-5.9%)、大腰筋(-0.4%)、腹直筋(-7.0%)で減少した(P < 0.05 )。ハムストリングスと腹直筋は大腿四頭筋の約2倍萎縮し(P < 0.05)、大腿四頭筋は大腰筋よりも大幅に萎縮した(P < 0.05)。腹外側筋(+5.9%)と傍脊柱筋(+4.3%)は、5年間で同程度(P > 0.05)に肥大化した(P < 0.05).

これらのデータは、高齢者が、老化プロセスの重要な時期で、筋群特異的に骨格筋の萎縮と肥大を経験することを示唆している。また、筋萎縮の大きさは年齢による差はなかった(P > 0.05)

[結論] 加齢に伴う身体機能の低下を軽減するための運動プログラムやその他の介入をより良く導くためには、筋群に特異的な骨格筋の老化についてより広い理解が必要である。

✅ 論文中の考察での使える知識(孫引き推奨)
・表5は、本研究で調査した6つの筋群について、いくつかの生検および剖検研究から報告された一般的な筋線維タイプの分布をまとめたもの。
・典型的な筋線維タイプに関するこれらのデータを筋サイズの変化と比較すると、筋線維タイプは今回の研究で見られた加齢に伴う萎縮や肥大の大きさを説明できない可能性が高いことが示唆される。
・例えば、大腿四頭筋、ハムストリングス、大腰筋、腹直筋はいずれもほぼ同じ線維タイプ(I型が約50%、II型が約50%)の分布であるが、これらの筋群では萎縮の幅が大きいことがわかった。
・このことから、加齢に伴う筋サイズの調節には、筋の活動状態がより重要な役割を果たす可能性が示唆される。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

加齢による筋萎縮と筋肥大。
これは理学療法士としては、見逃せない情報だ。
今回の研究を読んで、加齢による筋萎縮は予測のつくところだが、筋肥大には驚いた。
側腹筋と傍脊柱筋は肥大するのだという。

そして、考察からは筋線維タイプとかではなく、活性化の状態がこの萎縮と肥大を作り出している可能性が高いと。
確かに高齢期に入り、歩行量など下肢を使う機会は減りそうだ。
また、仮にベッドレストが増えるとすれば、そこから起き上がったり、テレビを見るときに側腹筋を使いそうだ。
傍脊柱筋のストーリーはよく分からないが、伸展を得るのに股関節主導→脊柱伸展主導に移り変わっていきやすいのだろうか。
・・・。

とにかく、同一人物の5年間フォローアップデータ、469人分はとても貴重だ。
筋萎縮しやすい部位、むしろ肥大する部位。
頭に刻もう。

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