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肩関節不安定症。スポーツ用装具一覧

📖 文献情報 と 抄録和訳

シーズン中盤の肩関節不安定症に対するスポーツ用保護ブレーシング

📕Baker, Hayden P., et al. "Protective Sport Bracing for Athletes With Mid-Season Shoulder Instability." Sports Health (2022): 19417381211069069. https://doi.org/10.1177/19417381211069069
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[背景・目的] シーズン中の肩関節不安定症は、スポーツ選手をケアする医師が直面する共通の臨床的ジレンマである。シーズン中の肩関節不安定症のアスリートに対する非手術的および手術的な管理については、よく説明されている。しかし、機能的装具については、治療法としてまだあまり理解されていない。このレビューは、肩関節不安定症に対する機能的装具の使用に関する最新の文献を提供することを目的としている。

[方法] エビデンスの取得MEDLINE(PubMed and Ovid platforms)、Web of Science、Embase、Cochrane Database of Systemic Reviewsで、2021年6月1日までに英語で入手可能な論文を検索した。検索語は、shoulder brace、shoulder instability、athlete、in-season、glenohumeral instability、Anterior shoulder instability、posterior shoulder instability、bracingを使用した。研究デザイン。臨床レビュー。エビデンスレベルレベル3。

[結果] 機能的装具の臨床結果に関する研究は、肩の不安定性を有する患者に対して、依然としてまちまちである。2つの研究では、機能的ブレースによりプレー復帰が改善したことが示されているが、1つの研究では、前方不安定性を有するアスリートとブレースを装着していないアスリートの間でプレー復帰に差はないことが示されている。以前の1つの研究では、両肩の安定化装具の予防的な使用は、後方不安定性のアスリートにおいて、傷害による損失時間を有意に減少させることが証明された。以前の生体力学の研究では、肩の可動域の制限に成功すると同時に、装具を装着することでプロプリオセプションが改善することが示された。

✅ 図. ブレースの種類とスポーツ用途の可能性の詳細

[結論] 肩の不安定性を有するアスリートにおけるブレースは、依然として重要な非手術的治療法である。臨床的な利点は、まだ質の高い研究によって検証されていないが、予備的な結果は、回復への潜在的な利点を示唆し、マイナス面は最小限である。それでもなお、装具の使用は個人の選択であるが、サッカーのような肩の不安定性に対してリスクの高いスポーツでは、特に推奨される。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

まず、次の問題をやってみていただきたい。

どうだろか。
結構、難しいと思う。
ぼくも全然できなかった。
正解は、以下のような感じだ。

「えーっ!、突き抜けるのー!そんなのアリですか!?」
そう思うかもしれない。
無意識に、9のドットの中だけで考えていなかったか。
僕たちは、そういう思考を取りやすいのだ。
既存の枠組みや思い込みの外の世界もある。
この問題は、端的にそれを教えてくれる。

今回、抄読した装具の話でいえば、当たり前なのだけれど、僕たちはいつも自分の知っている範囲内で装具を処方している。
だが、まだ見ぬより良き装具があるかもしれない。
実際、今回の抄読によっていくつもの新たな手札が増えた。
いまの自分の手札以外のカードが、どこかにある。
『Another one』の枠を、常に持ち続けたい。

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