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皮膚の威力

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皮膚、皮膚感覚の奥深さについて、一般的には知られていない皮膚の威力について
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#敏感肌

アトピーに抗ヒスタミン剤は効かない

アトピーに抗ヒスタミン剤は効かない

蕁麻疹(じんましん)の痒みには、ヒスタミンが神経に結合するのを妨げる薬剤、抗ヒスタミン剤が有効です。
しかし、同じ痒みでも抗ヒスタミン剤はアトピー性皮膚炎の痒みにはほとんど効果がありません。

アメリカと日本での研究結果で、蕁麻疹とアトピー性皮膚炎では、その痒みが脳の異なる部位で認識されている可能性を示しました。
それぞれの大脳で応答する部位が異なったとのことです。

つまり、脳はアトピー性皮膚炎

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皮膚ダメージの回復が遅れる時間がある

皮膚ダメージの回復が遅れる時間がある

私たちの身体には日内変動と呼ばれるリズムがあります。
サーカディアンリズムと言われることもあります。
このリズムがきちんと作動していれば、朝は気持ちよく目覚め、夜になると次第に眠くなります。このリズムを調整しているのは、脳の中でも最も古い時代にできた脳幹です。
この部分が24時間周期のリズムの源になっています。

ただ、この装置も外からの光の刺激で調整されています。夜遅くまで蛍光灯が煌々と輝く部屋

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温かい皮膚感覚がその人の心も温かくする

温かい皮膚感覚がその人の心も温かくする

温かい皮膚感覚がその人の心も温かくする

熱いものや温かいものに触れたときと冷たいものに触れたときとで、初対面の人への感情や、他人への思いやりの意識に違いが現れることがある。

下記はアメリカでの実験です。
熱いコーヒーカップか冷たいコーヒーカップを人に持たせます。
架空の人について、「その人は知的で器用で勤勉で決意が固く現実的で慎重な人です。」
と書かれた文章を見せます。
そして、その人の性格に

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人に触れること、触れられること

人に触れること、触れられること

人に触れること、触れられること

人間は、軽く触れられるだけで、様々な心理的変化、どちらかと言えば他者に好意的な状態になると言われています。

アメリカの実験で、本屋に客が入って来た時、店員がカタログか何かを手渡します。その時に店が客の二の腕に軽く触れる、あるいは触れない。
すると、客が店にいる時間に違いが現れました。店にいた時間の平均は、触れられた客が22分、触れられていない客が14分でした。そ

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皮膚の不思議

皮膚の不思議

皮膚の不思議
前回、夏井睦先生の「傷はぜったい消毒するな」をご紹介しましたが、今回もその内容を少し。

精神状態が損傷修復に大きく影響する患者がいる。
その病変を毎日眺めて暮らしている。そのため、患者にとっては疾患自体が強いストレスになり、治癒を遅らせていることは極めてありそうな話だ。これが、角質のさまざまなトラブルの治療にしばしば難渋する原因の一つと思われる。と記されています。

皮膚というのは

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皮膚のバリア機能

皮膚のバリア機能

今回も傳田光洋氏の記事をご紹介します。

■さまざま環境に敏感に反応する皮膚
乾燥した環境に肌をさらすと、バリア機能のある角層が厚く なって環境に適応しようとします。例えば、40%から 70%という通常の湿度にあった皮膚を、 10%以下の低い湿度にさらした場合、バリア機能はほとんど変化しません。でも、90%以上 の高湿度の環境にしばらく置いた皮膚を低湿度の環境に移すとバリア機能は壊れます。環境 の

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皮膚は色を感知する

皮膚は色を感知する

ここのところ、皮膚の奥深さについて記していますが、今回は皮膚は色を感知するということについて

このことは、傳田光洋氏の記事にも下記のことが記されていました。

「角層の破壊前のレベルを 100、バリア破壊後を0とします。これを暗い所に置くと、約 24 時間で 100 に戻ります。ところが、バリア破壊後に 1 時間、赤い光にあてるとより早く回復 し、緑と白は暗いところとほぼ同じ、そし

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