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はじまりのはなし

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第52回新潮新人賞に応募しましたが、擦りもしませんでした。 お手柔らかに読んで頂ければ幸いです。
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#神との対話

はじまりのはなし…疑問感⑩

はじまりのはなし…疑問感⑩

「双極性障害に記憶障害…それに加えて解離性同一性障害の可能性もありますが…現段階では何とも…看護師達からも報告は受けています。
仰っていた通り夕方になると何か独り言を話している様ですが、部屋に入るとパッタリ止めてしまうそうで…そのはじまりの話かどうかまでは確認出来ていません…」

「あの、人格が変わるだけではなくて、彼女が知らないような内容を話す事がありまして...」

「その様な症例は珍しくあり

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はじまりのはなし…不安感⑨

はじまりのはなし…不安感⑨

「年金だけじゃねぇ…老後2千万円でしょ…この歳じゃ働く所もないしねぇ…」

「斎藤さんが最近介護施設で調理補助の仕事始めたらしいわよ…」

「すごいわよねぇ〜…私達だって充分お年寄りなのに…年寄りが年寄りの為に働く世の中なのかしらね…若者って何処に行っちゃったの?…皆んな引きこもっちゃってるのかしら?」

「うちの子は辛うじて働いてるわよ…いい歳なのに結婚もしないで…正月にも帰って来やしない」

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はじまりのはなし…恐怖感⑧

はじまりのはなし…恐怖感⑧

「恐れとは無知の現れなのです…暗闇を恐れる事が正にそれを露呈しているでしょう。見えないだけで…解らないだけで…知らないだけで恐ろしいのです。
なんて臆病な事でしょう…放てども放てども一粒の光では一片の闇も照らせはしないのに…それでも逃れよう、逃れようと...ただ徒らに虚無を照らし続けるのです」

手首を切った彼女の第一発見者は僕だった…ナースコールを連打したり、大声で彼女の名前を泣き叫んだり…パニ

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はじまりのはなし…退屈感⑦

はじまりのはなし…退屈感⑦

「時間だけがひたすらに過ぎて行きました。それでも時間は余るのです。埋め合わせても、埋め合わせても…次から次へと現れるのです。
繰り返すばかりで、もう飽き飽きして…最早この報われる事のない虚しい気持ちを味わい尽くす事のみが、麻酔の様に気怠く悶々とした感覚を紛らわせてくれるのです」

婦長さんは何とも気丈な人だ…若い看護師さん達も、熱心に不安定な状態の彼女に寄り添ってくれているが、婦長さんはどんな事態

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