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記事一覧

自覚的病原体発生装置

大切だからこそ 触れられない そっと遠くから見つめるだけ こっちへ来ないで できるだけ離れて 最低1〜2メートル! バイキンになった私 #詩 #インフルエンザ

まりも
5年前
4

淡い光の中、 ゆったりと流れる川のほとり 時折聞こえるのは、 とぷん、という水鳥の潜る音 傍らで眠る幼な子の顔が 尊く、 いとしい それでも行かなければならない あ…

まりも
5年前

走りながら考える

毎朝、たった15分。 日が昇る頃、運河沿いを走る。 聞こえるのは自分の足音と、 たまに水鳥が潜る音くらい。 つらつらと考える。 思考はあっちへ行き、こっちへ帰り。 …

まりも
5年前

走りながら考える

埋立地。 高層マンション。 ショッピングセンター。 建築模型のように整った、清潔な街。 運河沿いを海に向かって走る。 全身で感じる水と空と風は 本物。 #詩 #エッセ

まりも
5年前

新しい年から始めようと思ったことは、今からやろう。

まりも
5年前

この分厚いジーンズを食い破って、 脚に突き刺さった鋭い牙は、 彼女の怯え、怒り 天を仰いで腹を差し出し、 けれども、その姿勢のままにいつでも噛みついてやろうと震え…

まりも
5年前

祖母のぬか漬け

明治生まれの祖母は、昔の人らしく、お彼岸にはおはぎやらいなり寿司やら大量に作っていた。 お正月も、今年の黒豆はやれ、シワが寄ったのだの、甘過ぎただの、叔母や母ら…

まりも
5年前
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離乳食問題

育児ものは、イデオロギーなのでこうして自分の経験を書くのが酷く恐ろしいのだけど、あまりに離乳食にエネルギーを使っている母たちの姿をみて、もう少し楽に…と言いたく…

まりも
6年前
4

碧空

小さな飛行機を降り立つと、頭上に広がる濃い青い空。 ここは、東京の島、八丈島。 黒潮が流れる深い青い海の色が映し出されたような、空。 恋人と大げんかをして、やけっ…

まりも
6年前
2

8月31日の夜に

いま、子どもの自分を思い返すと、涙が出るほど可哀想になる。 幼稚園も小学校も中学校も高校も、ものすごく行きたくない場所だったけど、 行かない、なんて選択肢すら思…

まりも
6年前
3

自覚的病原体発生装置

大切だからこそ
触れられない

そっと遠くから見つめるだけ

こっちへ来ないで
できるだけ離れて

最低1〜2メートル!

バイキンになった私
#詩 #インフルエンザ

淡い光の中、
ゆったりと流れる川のほとり

時折聞こえるのは、
とぷん、という水鳥の潜る音

傍らで眠る幼な子の顔が
尊く、
いとしい

それでも行かなければならない
あの切り立った崖の上に咲く、
小さな黄色い花を
どうしても見たいのだ

ぼろぼろになって
自分すら失っても

まだ誰も見たことがない
あの花を見るために
#詩 #花

走りながら考える

毎朝、たった15分。
日が昇る頃、運河沿いを走る。

聞こえるのは自分の足音と、
たまに水鳥が潜る音くらい。

つらつらと考える。
思考はあっちへ行き、こっちへ帰り。

不思議なことに、
決して悲観的にはならない。

早朝のポジティブな瞑想の時間。
#エッセイ #朝活 #ライフハック #ランニング #走る

走りながら考える

埋立地。
高層マンション。
ショッピングセンター。

建築模型のように整った、清潔な街。

運河沿いを海に向かって走る。

全身で感じる水と空と風は
本物。
#詩 #エッセイ #ランニング #走る

新しい年から始めようと思ったことは、今からやろう。

この分厚いジーンズを食い破って、
脚に突き刺さった鋭い牙は、
彼女の怯え、怒り

天を仰いで腹を差し出し、
けれども、その姿勢のままにいつでも噛みついてやろうと震える筋肉は
彼の憎しみ

脳を侵され、
よたよたと斜めに歩きながらも、
よだれの奥から漏らす低い唸り声は、
年老いた二人からの呪い

真っ直ぐに
自らに向かって進む赤ん坊に向けられた
黒い黒い、濡れた目は
誰のものなのだろう
#詩

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祖母のぬか漬け

明治生まれの祖母は、昔の人らしく、お彼岸にはおはぎやらいなり寿司やら大量に作っていた。
お正月も、今年の黒豆はやれ、シワが寄ったのだの、甘過ぎただの、叔母や母らとやいのやいのやっていた。
ところがふだんのご飯に関しては、昔の人らしくなく、料理をしていた記憶があまりない。

祖母は東京の下町の外れに、独り身に戻った叔父と二人で住んでいた。
小学生だった私が遊びに行ったときは、たいてい商店街の肉屋で買

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離乳食問題

育児ものは、イデオロギーなのでこうして自分の経験を書くのが酷く恐ろしいのだけど、あまりに離乳食にエネルギーを使っている母たちの姿をみて、もう少し楽に…と言いたくて。

私の娘は6歳、ご飯に興味なし、少食。
ただ、熱などあまり出さず、1歳から保育園だが、最初の半年を超したら、一年に一度、呼び出しがあるかないかの健康体。

こういうことは、本当にそれぞれの子供次第なので、元気だけど、よく熱を出したりと

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碧空

小さな飛行機を降り立つと、頭上に広がる濃い青い空。
ここは、東京の島、八丈島。
黒潮が流れる深い青い海の色が映し出されたような、空。

恋人と大げんかをして、やけっぱちのひとり旅。
あんな奴のことは忘れて、美味しいもの食べて、露天風呂に入って、島を満喫し尽くしてやる。
なのに、くさやの匂いに驚いたり、アシタバの天ぷらに感心したり、真昼間に入った温泉で、海を見おろすその景色に驚嘆したりするたびに、ア

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8月31日の夜に

いま、子どもの自分を思い返すと、涙が出るほど可哀想になる。

幼稚園も小学校も中学校も高校も、ものすごく行きたくない場所だったけど、

行かない、なんて選択肢すら思いつかなかった。

毎日、というのは、嫌なもので、嫌だけどやるのが当たり前だと思っていた。

当時は、辛いとすら思っていなかった。それが日常だったから。

高校を卒業した頃、なぜか急に視界が開けた。

好きなようにすればいいんだ。

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